別れを切り出す前に行動を!有利に離婚するための準備について

有利に離婚するための準備のイメージ画像

どんなに情熱的な思いで結ばれたカップルでも、いつかは別れが来るものです。それは結婚までこぎつけたカップルでも例外ではありません。最終的には離婚するか、離婚する前に死別するかの二択です。一生添い遂げようと考えていたとしても、全てのカップルが最後まで添い遂げられるわけではないのです。

現代離婚事情

離婚件数は高止まり

厚生労働省の発表によると、日本の離婚件数はここ数年高い水準を維持しており、年間約25万組のカップルが離婚しています。これは結婚件数の35パーセントに相当し、単純計算すると3組に1組のカップルが離婚していることを示しています。縁あって結ばれたカップルでも、最後まで添い遂げるのは難しいようです。

離婚理由として挙げられているのは、性格の不一致、浮気などの異性関係、家族関係のトラブルが上位を占めています。意外にも金銭問題を挙げる方は少ないのですが、これは共働き家庭の増加や、金銭的に苦しくて離婚すらままならないのではないか、ということが理由として考えられます。

性格の不一致というのはあいまいな理由ですが、数々の小さな理由が積み重なって離婚まで至るケースは案外多く、そのようなケースでよく使われる理由です。離婚というとはっきりとした原因があるようなイメージですが、日常の小さな不満が積み重なって離婚まで至るケースが意外と多いのです。

離婚はするべき?

もしあなたがパートナーに何らかの不満を抱いた場合、離婚という選択肢を考慮すべきなのでしょうか?軽々しく離婚をするのはいかがなものか、という意見も高齢者を中心に根強いですが、不満を抱えたまま結婚生活を続けていても、お互いのためになるとは思えません。

現在離婚問題を抱えている中心である20~40代の人たちは、自己実現こそが人生の目的であり幸せになるための手段であると教育されてきた世代です。自分を押し殺して結婚生活を続けることで幸せを探すことは不可能に近く、離婚という選択肢をためらうべきではないでしょう。

ただし、離婚という選択肢を選ぶにしても、軽率な行動は慎むべきです。離婚経験者に言わせると、結婚よりも離婚の方が何倍もエネルギーが必要になると言います。離婚を決意したとしても、いきなりパートナーに離婚を切り出すようなことをしてはいけません。

離婚準備の進め方

離婚は準備が重要

離婚を進めるためには、事前の準備が重要になります。現在の生活に不満を感じていたとしても、準備が整うまでは離婚を切り出してはいけません。準備をしっかりとしておくことで離婚手続きをスムーズに進めることができますし、より有利な条件を勝ち取ることができます。

経済面での離婚準備

離婚準備で最優先にやっておくことが、離婚後の生活基盤の確保です。働いているのであれば収入面では問題ありませんが、専業主婦の方は結婚している間にパートやアルバイトでもいいので仕事を見つけておくと、離婚に踏み切りやすくなります。

有資格者で結婚前に働いていて結婚を機に退職した方の場合、復職の見込みを調べておきましょう。離婚前に仕事復帰をしておくのもいいですし、求人状況をチェックして離婚後速やかに復帰できるように準備しておく方法もあります。専門知識が鈍っていないか、スキルをチェックしておきましょう。

仕事先の確保に見通しがついたら、財産の確保に移ります。結婚中にためた貯金や購入した不動産、保険や有価証券類などをチェックして目録を作成しておきましょう。離婚を切り出した瞬間に財産を処分されてしまうことの無いように、別口座に移しておくなどの財産保全をしておきましょう。

生活実態を証明する証拠の確保

暴力や金銭問題、異性問題などの理由で離婚したい場合、客観的な証拠を集めておかないと、離婚協議になった時にしらを切られてしまいます。興信所にパートナーの身辺調査依頼をして浮気の証拠を押さえたり、家計簿や日記をつけて日々の生活記録をつけておきましょう。

特に日記や家計簿は、生活状況を示す重要な証拠です。他者の目が届かない家庭生活の実情を示すほぼ唯一の証拠になりますから、離婚前からつけていた場合は安全な場所に保管し、記録をつけていなかった場合は証拠を確保するためにすぐに記録をつけ始めてください。

周囲に相談しておくのも、生活実態を示す証拠づくりになります。家庭生活に関して信頼のおける相手に相談を重ねておけば、離婚協議の時に証拠となる証言をしてもらえます。家庭の恥をさらすのは気が引けるかもしれませんが、離婚をスムーズに進めるためには必要な準備です。

子供の養育は重要な問題

子供がいる場合、どちらが親権を持って養育を担当するのかは、非常に重要な問題です。相手に親権を持つ意思が無ければ問題なく親権を確保できますが、親権を争うことになると離婚協議は非常に難航します。特に男性側が親権を認められるのは困難です。

どうしても親権を確保したければ、相手の養育能力が無いことを示す証拠を確保することが重要です。経済力はもちろん、普段の子育ての様子を記録したり、子供への愛情に欠ける行為があれば、記録をつけて証拠を押さえておきましょう。離婚後の養育環境について準備を整えておくことも大切です。

責任の所在を示す慰謝料

離婚後の生活を考えるならば、少額でもいいので慰謝料は請求したほうがいいでしょう。慰謝料の相場はいくらくらいなのかを調べて、請求する額を決めましょう。あまり高額の慰謝料を請求すると、スムーズに離婚することができません。相手の支払い能力や資産状況を考慮することも重要です。

離婚のときに請求する慰謝料は、離婚に伴う精神的苦痛の埋め合わせとしてだけではなく、どちらが有責で離婚したのかを示す証拠にもなります。一刻も早く関係を断ち切りたいからといって、慰謝料ゼロで離婚してしまうと、離婚の責任の所在があいまいなままになってしまいます。

終わりに

このくらいの準備を整えて、初めて離婚交渉をパートナーに切り出すことができます。準備不足のまま離婚交渉を始めてしまうと、不利な条件を押し付けられてしまいます。自分一人で準備が追い付かないようであれば、弁護士を探して相談するのも有効な方法です。

十分に準備を整えていても、離婚交渉には大きなエネルギーが必要になります。話がこじれれば、離婚成立まで長い時間がかかるかもしれません。気持ちを強く持って粘り強い交渉をするためにも、証拠固めをしっかりして準備を整えておくことが求められます。

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