数年前にサッカー選手の中田英寿選手が「自分探しの旅に出る」と言って様々なメディアが取り上げて以来、日本では自分探しという言葉が色々なところで聞かれるようになりました。
ですが、こうした「自分探し」に囚われて辛い思いをしている人たちも数多くいます。
こうした人たちは、「自分が自分でないような辛さ」を抱えて、一生懸命自分探しをしてしまいます。
ですが、多くの心理学者たちは、こうした自分探しを止めて、自分を束縛しないようにしようと言っています。
とはいえ、突然「自分探しを止めて」と言われてもどうすればいいか分かりません。本記事では「自分らしくしなければ」という思いを捨て、素直な自分でいるための方法についてお伝えします。
皆さんにとって、自分に大きな影響を与えた人というのはどんな人でしょうか。今のような性格になったのはどんな人の影響でしょうか。
人間は多くの人から色々な影響を受けることで「自分」というものが作られていきます。そうした「自分」に影響を与えたのは誰で、その人からどんな影響を受けたでしょうか。
まず、「自分」を知るために必要なことは「自分」は誰とどういった関係を結んできたかを知ることです。自分にとって大切な人を思い起こして、その人は自分にとってどんなことをしてくれ、どんな影響を与えたのかを思い出してください。
「自分」は探さなくとも、自分たちの中に既に存在しているのです。
そして、過去の人間関係について整理が出来たなら、これからの人間関係もより良い関係を築くことが出来るようになります。
自分がどんな関係を求めて、どんな人との関係に幸せを感じられるかを理解できるからです。「自分」を見つけることはあなたの人間関係も豊かにしてくれると言えます。
そして、素直でありのままの自分を生きるためにもっと重要なことは、自分の感覚を信頼することです。これは、難しいことのように感じるかもしれませんが、ほんのちょっと言葉づかいを変えるだけでも、自分を信頼できるようになっていきます。
たとえば、日本語では「あなたは」とか「私は」といった主語をあまり使わず、「ご飯がおいしかった」といったように、感想だけを述べます。
人は無意識のうちに「私は」といった言葉を使わないため、自分の感想が客観的な評価をしているのか、自分の感覚を述べているのか分からないことがあります。
ですので、「自分はこう感じている」という事を言葉に出して表現することが「自分」を明らかにするために必要なのです。
「自分が分からない」という人は、あまり自分の感情を表現しない傾向があります。
例えば、「このバッグは高いでしょうね」といったように自分の考えを述べることはするのですが、「私はこのバッグは買いたくないですね」といったように感情や欲求を表現しないのです。
ですので、何かを体験した時に、それに対して「自分がどう思っているか」だけでなく、「自分がどう感じているか」「自分がどうしたいか」を明確にしていきましょう。そうすることで、「本当の自分らしさ」というものは自然と見つかっていくはずです。
「自分というものが分からない」、「本当の自分って何だろう」そうした悩みを抱えた女性は少なくありません。そして、「自分らしさ」とはどこにあるのかを探し求めて、悩み、辛い体験をした人も少なくないでしょう。
ですが、「自分らしさ」とは探そうとして簡単に見つかるものではありません。
このようなやり方からも分かるように、「自分らしさ」とはどこかに探しに行ったり、改めて見つけるようなものではありません。
「自分」はすでに今現在の自分の中に存在しているのです。自分らしさを知るためには、改めて今の自分を大切にしてみる必要があるでしょう。