「駆け引き」というと、本当は相手のことが気になるのに、気にならない振りをしたり、会いたいと思ってもぐっと我慢をして、会う間隔をわざとあけてみたりといったところでしょうか。
確かに、しつこすぎるほど「好き好き」メールを相手に送ったり、「今何してるの?」なんて常に彼の行動を把握するようなメールや電話のやり取りをされたら、相手も仕事をしている間などは迷惑に思ったりするものです。
相手に付きまとったり、しつこく連絡をするのは極端な行動としても、一定時間を空けての連絡は、恋人同士であれば必須の行動です。
相手のことを好きだからこそ、休みの日などであえない日は、「何してるのかな?」と連絡したくなるものです。仕事終わりには、相手の声が聞きたくなることも、しょっちゅうあることでしょう。
「駆け引き」をすることは、本当は自分の心とは裏腹な行動をしなければならないことで、素直な気持ちを隠して行わなければならないことです。
「駆け引き」することが、大人の恋愛で、恋に「駆け引き」は本当に必要なのでしょうか?
大人になればなるほど、自分の気持ちを周囲には素直に表せなくなるものです。社会人になれば、建前と本音を分けて立ち居振る舞いを行うことは、当然のことになります。
建前と本音を分けて行動することで、会社でも上手く立ち回ることができますし、社会人として自立した大人を演じることもできます。
「自分の気持ちをそのままストレートに周囲に表さない。」ことや、「時には、自分の気持ちには嘘をついて、周囲の空気を読みながら意見をあわせる。」ということは、大人になるためには必要なことです。
でも、人を好きになる気持ちって、とっても純粋で素直な気持ちだと思いませんか?建前と本音を分けて生きていかなければならない大人になった私たちが、「素直で純粋な感情表現」として持つことができる数少ない貴重な気持ちだと思うんです。
恋に「駆け引き」を加えることって、真っ白なキャンバスに、黒いインクをポタポタを落として、純粋無垢なものを汚しているようなことだと思うのです。
自分の素直な気持ち、「彼に会いたい」とか、「彼に連絡がとりたい。」という気持ちを押し殺して、あえてそういった行動をしないように心がけることって、本当に意味のあることなのでしょうか?
でも、これって「駆け引き」とは違うのです。「駆け引き」ではなく、相手への思いやりからの行動ですよね。
「駆け引き」は、大人の恋愛に必須のものではないのです。あえて「駆け引き」をされた側のことを考えてみてください。
デートをして、とっても楽しい時間を過ごせたと思い、御礼のメールも書いたのに、相手からは連絡が来ない。しばらくたってから、連絡が来たので、次に会う約束を交わそうと思ったのに、仕事で忙しいと断られてしまった。
連絡がとりたいと思っても、すぐには電話やメールが来ないし、連絡をするのはいつもこちらからだけ。こんなことを繰り返していくと、「この人は、本当に自分のことが好きなのだろうか?本当は、迷惑だと思っているのか?」と不安になるばかりです。
でも、デートをすると、とっても楽しそうにしていれば、彼はあなたのことを、「なんだか意味の分からない人」とか、「気分屋なのかもしれない。」とあなた自身の人格に誤解を持つ恐れがあります。
または、「自分は、彼女にとって都合のいい遊び相手の男なのかも。」とあなたの彼への気持ちも疑われてしまうことになりかねません。
「駆け引き」をすることって、「大人の恋愛をしている」ことと勘違いされやすいけれど、そうではないのです。
つまり、恋愛において「駆け引き」をするというのは、「駆け引き」をされた側というのは、とっても嫌な思い、不愉快な感情しか残らずに、あなたの彼への気持ちも疑われてしまう危険性があるということなのです。
大人として恋愛をすることは、「駆け引き」のテクニックを磨くことではありません。相手の気持ちを揺さぶったり、時にはもてあそぶ様なことって、本当は必要じゃないのです。
本当に必要なことは、
ことなのです。
だから、本当は全部自分を彼にさらけ出さずに、偽って接しているほうが楽なんですよね。でも、一度自分を偽ったり、気持ちに嘘をついて行動すると、自分の行動に一貫性を持たせるためにも、それをずっと続けていかなければならなくなるんです。
大人の恋愛って、そのまま結婚に結びつくことも多く、下手をすると、「偽りの自分」をかなりの長期間続ける必要が出てきてしまうのです。
短期間の恋愛をしている間だけであれば、それほど苦痛に感じず、むしろ楽だと思っていたことが、かえって自分を苦しめることにもなるのです。
長期間の恋愛を彼としたいと思うのであれば、「駆け引き」は必要なものではなく、邪魔者になるのです。
それに、お互いをちゃんと理解して、お互いに敬い合うような理想的なカップルを目指すのであれば、「自分の気持ちに素直になって、行動すること。」は、とっても大切なことになるのです。
大人になれば、仕事の忙しさや大切さ、またプライベートな時間を仕事のために長くは持てないことなどを知ります。自分が彼に会いたいと思っても、彼には彼の都合があるのです。
彼が本当にあなたのことを大切に思っているのであれば、たとえ、連絡を取る回数が少なくても、デートで会える時間が短くても、気持ちが変わることはありません。
あなたが彼に会いたいと思うように、彼だってあなたに会いたいと思っているはずです。でも、仕事の都合やそのほかの都合が合わなくて、メールにすぐに回答できなかったり、電話での連絡が遅くなってしまうなんていうことは、よくあります。
大人になれば、彼が自分のことを本当に大切に思っているかどうかは、分かるはずです。であれば、余裕を持って構え、恋愛をすることで、自然と思いやりや優しさがもてる様になるはずです。
恋愛に種類によっては、傷つき、苦しいことばかりが待ち構えていることもあります。
一見、何も障害のない恋愛でも、時には思いもよらない結果になったりすることだってあります。例えば、結婚前に妊娠してしまったりすることだってあるかもしれません。
どんな状態になろうとも、その恋愛を始めたのは自分自身です。そのことに対しての責任は、誰も取ってくれません。あなた自身の人生の一部分として残り、責任をあなた自身が取らなくてはならなくなるのです。
大人になれば、親の庇護の元から開放され、自分で好きな道を選択し、歩み、進むことができます。しかし、自由になるということは、同時に責任を負うということでもあるのです。
大人の恋愛と「駆け引き」はセットで考えられがちですが、本当の大人の恋愛に必要なものは、違うものです。
「駆け引き」は、素直な自分を偽り、相手を惑わせ、困惑させるようなことが多く、長期間のお付き合いになりやすい大人の恋愛では、お勧めできない方法です。
素直になることが徐々に難しくなる大人であるからこそ、恋愛だけは素直な気持ちで挑み、「駆け引き」なしの思いやりに満ちた恋愛を楽しみましょう!