好きだったけど、別れてしまった彼。結婚して普通に暮らしているけれど、平凡な毎日の中で夫に対する気持ちとは違う、昔の彼のことをふと懐かしく思う。
夫とはそれなりにうまくやっているけれど、キュンとする切ない気持ちは多分もう湧いてこない。そんな時に昔の彼の面影が頭をよぎる。
何年も一緒に暮らしているうちに、お互いに緊張感も無くなって、夫とは“男と女”というよりは、共に生活していく運命共同体という関係になってしまっている。
夫のことは、家族として無くてはならない大切な存在だと思っているけれど、男性としてのトキメキを感じなくなった今、このまま女房というだけの自分でいていいのかと、時々不安に思うことがあります。
昔の自分はちゃんと”女“の部分を意識していた。なのに、生活に追われているうちに、いつの間にか所帯じみた主婦の一人になってしまっていた。
このまま、ただのおばさんとして歳を取っていくだけでいいの?
そんな時に会ってみたくなるのが昔付き合っていた彼です。
結婚までには至らなかったけれど、彼のことを好きだった時期は確かにあったはず。今、彼は別の女性と結婚して幸せだと感じているのだろうか?
時々は、昔付き合っていた自分のことを思い出したりするのかな?
もしかしたら、彼も私ともう一度会ってみたいと思っているのでは?
一度そんな風に昔の彼に思いを馳せたら、日ごとに彼に会ってみたい想いは膨らみます。
彼に連絡を取ろうかどうしようか、携帯片手に何をしていても頭の中は上の空。
もう別れてから何年も経っているんだし、今さら彼と会ったからといって縒りを戻すつもりは無いのだから、別に一回ぐらいなら会っても平気なのでは?
その軽い気持ちがこれからのあなたの心と生活を揺さぶることになると思いませんか?
たった一回会うだけで済むのでしょうか?
彼と会う約束を取り付ければ、気持ちの底に何かしらの期待が湧いてきます。彼と会うまでにはもう少し痩せてキレイになっていたい、彼と会う時にはどの服を着ていけばいいかしら・・・。
すっかり忘れていた自分の中の”女“の部分が燃えてくるのを感じるのではないでしょうか。
彼もずっと自分のことを忘れられずに未練を感じていたのかも・・・。心のどこかでそう期待する自分がいます。
もしそうなら、軽い気持ちからだとしても昔の彼に会うのはもう一度よく考えてからにしてはどうでしょうか。
昔の彼と友達として気軽に会って一緒にお茶を飲んで、とりとめもない話をして笑う。気心の知れた男性と外で会って新鮮な気分を味わうのは楽しいに違いありません。
彼と会う楽しみができたというだけで、所帯じみていた女性の表情はいきいきと変わってきます。生活に張りができたような気持ちになります。
でも、キレイになっていく自分を感じていく一方で、家族に対してある種の後ろめたさを感じます。
既婚女性が昔の彼と会うというのは、そういった家族に対する後ろめたさと背中合わせの行いなのでしょう。
昔の彼に会って、もし彼が自分の期待を裏切って、くたびれたおじさんになっていたらどうします?
彼と会うことを心の支えにして日々の生活の疲れに耐えてきたのに、これからは何を支えにしていけばいいのかしら・・・。がっかりして、今まで描いてきた夢が粉々に砕けてしまいます。後に残るのは、より一層の疲労感だけ。
その上、彼が自分のことを別に懐かしいとも何とも思っていなかったという事実が判ってしまう可能性もあります。
「連絡が来たから久しぶりに会ってみただけ、元気そうだね。自分は今のパートナーとの生活に満足している。君とはあの時別れて正解だったかも。」
そんなニュアンスを彼から伝えられたら、立ち直れないかもしれません。彼との再会に妄想を膨らませていたのは自分だけ?自分が滑稽に思えてくるやら、裏切られたような気分になるやら・・・。
リスクを伴う昔の彼への想いは、自分の心の中だけに閉じ込めておく。そして自分の妄想の中で勝手に彼とのストーリーを作り上げてゆく。それも一つの選択肢だとは思いませんか?