「酸化もコワいけど、糖化はもっとコワい」、こんな話を耳にしたことはありませんか?特に女性にとって気になる「お肌の老化」は、実は体の糖化によって起こっているんです。
「そもそも、糖化って何?」という方もいらっしゃるでしょう。その疑問にお答えするところから始めて、糖化対策や予防法、どうすればお肌の老化を防ぐことができるのか、「食」を中心にお話ししましょう。
糖化をひとことで言うなら、「体の中のたんぱく質が糖によって変質してしまうこと」です。たんぱく質は、さまざまな要因で変質します。だれでも一番イメージしやすいのが、熱による変化でしょう。
「焼肉大好き!」という女性は多いでしょう。お肉を焼くと色は茶色になり、生のときよりも硬くなりますよね。あれは、熱が加えられることによって、たんぱく質が変化した結果です。
糖化も同じ。熱ではなく糖によって、たんぱく質が変化してしまう現象なのです。
人間にとって糖は生きていくために必要不可欠な栄養素です。けれど、それが摂取過多になったり、老化によって耐糖能力が低下することによって、糖がきれいに代謝されずに体内に残ってしまいます。それが、たんぱく質を変質させてしまうというわけ。
体内の糖がたんぱく質と結びつくことによって糖化生成物ができます。これが「AGE」という生産物。糖化最終生成物とか、終末糖化産物なんて呼ばれていますが、いかにも体に悪そうでしょう。
この物質によって、体の老化が進んでしまします。血管も老化して動脈硬化を起こしたり、ほかにも白内障や骨粗しょう症、さらにはアルツハイマーの原因にもなるんですよ。
お肌も糖化の影響をダイレクトに受けます。もともと、お肌を作っているのはコラーゲンやエラスチンなどのたんぱく質ですから、それが糖化すれば、当然悪い影響が起こってしまうわけです。
コラーゲンなどのお肌のたんぱく質が、グルコースという糖によって変質します。すると、お肌が老化。いわばお肌が内側から「焼肉」のように硬くなってしまうのです。
表れる症状は次の通りです。
どれも女性なら「絶対、避けたい!」と思うようなものばかりでしょう。これらの避けたいお肌トラブルを引き起こすのが「糖化」なのです。
おさらいしますと、糖化とは、糖を過剰摂取することによって、体内に残り、それがたんぱく質に作用して変質させてしまう作用です。逆に言えば、摂取した糖をきれいに代謝することができれば、そんな困ったことは起きないということ。
もちろん、先ほどもちょっと触れたように、加齢によって糖に対する抵抗力が衰えますから、完全に糖化を防ぐことはむずかしいといっていいでしょう。しかし、少しでも改善するための対策を講じることは、じゅうぶん可能なのです。
そのために、一番大切なのは「食」です。糖分過多によって発生する病気といえば、糖尿病。これも、糖化のもたらす病気です。つまり、糖化予防は、お肌のためだけでなく、そうした病気の予防にもなります。
体の中のたんぱく質の変化がお肌トラブルの元凶なのですから、化粧品だけではその対策や予防にはなりません。どうしても「糖化しにくい食生活」に変える必要があるのです。
では、どんな食生活を心がければ、糖化予防、お肌の老化対策になるのでしょうか。具体的なポイントをいくつか紹介しましょう。
三食抜かずに、きちんと食べる。これが基本です。なぜか?糖化は体内の血糖値が高くなることによって起こります。空腹時間が長くなる、つまり「おなかぺこぺこ」という状態で食事をすると、血糖値は急上昇してしまうのです。
これはもっとも危険な食事のしかたと言っていいでしょう。ですから、朝昼晩三食、少量ずつでもかまいませんから、とにかく「食事を抜かない」ということが大切になるのです。
NGなのは、いうまでもなく糖分過多の食事。アルコールも控えたほうがいいですし、焦げたものもできるだけ避けましょう。
お米や麦類の精白されたものも、避けたほうが賢明です。お砂糖も白砂糖はNG、取るなら黒砂糖がおすすめです。
また、スナック菓子や甘いお菓子などの間食が良くないのはいうまでもありません。夜食も同様です。
食べ方によっても、糖化を予防することができます。「ゆっくり食べること」と「野菜から食べ始める」ということです。
ゆっくり食べるのは、急速に血糖値を上昇させないため。野菜から食べることによって、食事量そのものの制限もできますし、やはり糖化を防ぐことができるのです。
おすすめ食品は、上質なコラーゲンを含む豚肉(特に豚足)や鶏肉。ビタミンAとEを多く含む食品。
また、どくだみ茶、カモミールティ、グァバ、ブドウの葉、甜茶などのお茶類や、セイヨウサンザシのジュースなども、糖化予防に効果があります。
仕事をしているなど、食生活を完全にコントロールしにくい方は、こうしたお茶を毎日飲むことをおすすめします。
どんな健康法でも必ず出てくるのが、「適度な運動とじゅうぶんな睡眠」です。糖化予防もその例外ではありません。やはりこの二つは必須条件。「めんどう」と思わずに運動し、できるだけ上質な睡眠をこころがけましょう。
おすすめは有酸素運動と筋トレ。速歩によるウォーキングや軽いランニング。階段の上り下りも大変有効ですから、駅のエスカレーターは使わないようにするとか、横断歩道ではなく歩道橋をあえて渡る、といった工夫を日常的にするといいでしょう。
水泳や水中ウォーキングもおすすめですが、これはなかなか誰でも日常的にできる方法ではないでしょう。そして、筋トレ。自宅でできる軽いトレーニングから始めてみてはいかがでしょうか。
お肌の大敵「糖化」について、基本的なお話をしました。たんぱく質の変化に原因がある以上、体の中から改善するよりほか、対処法はないのです。化粧品も効果の期待される対策の一つではあるでしょうが、まずは食の改善から始めることをお勧めします。