どんなにスキンケアやアンチエイジングに気を使い、努力しても、たった一つの欠点が女性の魅力をすべて奪ってしまうことがあります。それは「口臭」。これはあらゆる世代の多くの女性に共通の悩みと言っていいでしょう。
もちろんオーラルケアも大事です。しかし、それはあくまでも表面的な「対症療法」にすぎません。ここでは、体の中から口臭を予防するための方法を、おすすめの食べ物を中心にお話しします。
まず、かんたんに口臭の原因について説明しておきましょう。原因の場所を大別すると「口腔」と「内臓」の2つに分けられます。
口の中に臭いの原因があるケースは、さらにいくつかのタイプに分けることができます。
最初のケースは一時的なものですし、歯磨きや薬品によるうがいで改善することができます。また、最後のケースは、歯医者さんへ行って治療してもらうのが最優先。ですから、「食べ物による口臭予防」というテーマからは外れます。
ここで取り上げるのは、二番目のケースに有効な食べ物についてだと理解してください。
意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、内臓のトラブルが口臭を生んでしまうことがめずらしくありません。「いくらオーラルケアしても、一向に口臭が改善しない」という方は、一度、内臓トラブルを疑ってみるといいでしょう。
たとえば、肝臓疾患のある人はアンモニアのような臭いや、腐敗したタマネギ臭が口から出てしまうことがあります。腎臓疾患もアンモニアのような口臭の原因になります。
また、これは大変意外ですが、呼吸器系の疾患から肉や野菜が腐ったときのような口臭になることもありますし、耳鼻咽喉系の疾患さえ膿の臭いが口からしてしまうこともあるのです。
もう1つ、女性にとって注目せざるを得ないのは、腸内環境の悪化。便秘がひどくなると、排泄物の臭いが口から出てしまうということさえあります。ですから、体質改善をするのが急務。そこで食べ物による口臭予防が必要になるわけですね。
口内環境に問題がある場合の予防ですが、前提として押さえておきたいことがあります。それは、腸内と同様、口内にも「善玉菌」と「悪玉菌」がいるということ。
たとえば、歯磨きやマウスウォッシュだけで口臭予防をしようとすると、含まれている強い殺菌剤や界面活性剤のために、善玉菌まで死滅してしまうことがあるのです。
これはあまり知られていないと思いますが、オーラルケアに励むあまりに、善玉菌を減らしてしまい、その結果、さらに口臭がひどくなるということもありますので、要注意です。
さて、おすすめ食べ物をいくつか紹介します。まずは、リンゴ。食物繊維が豊富であることはいまさら言うまでもないでしょう。
おすすめなのが皮ごとむしゃむしゃ食べること。リンゴの繊維が口内をきれいに掃除してくれます。「リンゴは天然の歯ブラシ」と言われるゆえんです。
しかし、リンゴが口臭対策になる一番の理由は、ほかにあります。それは、含まれている「リンゴ酸」。リンゴ酸には口内の悪玉菌を殺菌する効果があり、実は入れ歯洗浄剤にも含まれているのです。つまり、「天然の口内洗浄剤」がリンゴと言っていいでしょう。
同じようにパイナップルやパパイヤなどのフルーツや、生野菜もおすすめ。特に生野菜をばりばり噛み砕くと、唾液の分泌を促進してくれますので、ドライマウスの予防になり、それが口臭予防につながるのです。
葉緑素であるクロロフィルには消臭や殺菌作用がありますから、緑黄色野菜を多く取るといいでしょう。
レモンなどのかんきつ類や梅干に含まれているクエン酸も、口臭予防に効果があります。殺菌効果があると同時に、あのすっぱさが唾液を増やしてくれますから、ドライマウスを防げるのです。
唾液は自分の体が作り出してくれる、いわば「最強の消臭剤」。ですから、かんきつ類や梅干を日常的に摂取して、唾液の分泌を活発にしましょう。
もう1つのおすすめは、ハーブ類です。ハーブ類には口内を清潔に保ち、臭いを抑えてくれる効果があります。いくつか例示しましょう。
メントールをいう成分が口内を消毒してくれますし、あのさわやかな香りが嫌な臭いを抑えてくれます。歯磨きやガムに使われているのもそのためです。
ステーキなどの肉料理の付け合せの定番ハーブ。オランダカラシとも呼ばれていますが、あの独特の辛味はシグリニンという成分によるもので、これは山葵の辛味と同じです。
ビタミン類も豊富ですし、殺菌効果もばつぐん、さらに胃の状態を良くしてくれるという効果もあります。
日本人にとってもっとも身近なハーブが緑茶。そしてこれは、口臭予防がもっとも期待できる食べ物と言っていいでしょう。カテキンやフラボノイドに消臭効果があります。
今あえて「飲み物」ではなく「食べ物」と言ったのは、できれば茶葉を食べてほしいから。出がらしの茶葉を料理に使うのもいいですし、かんたんなのは急須を使わず、湯飲みに直接茶葉を入れて、お湯を注ぐというやり方です。
ただし、飲みすぎ食べすぎには要注意。カフェインを過度に取ると、唾液の分泌が抑制されてしまうことがあるのです。少し飲みすぎかな、と感じたら、「緑茶うがい」に切り替えるといいでしょう。
先ほども触れましたが、女性にとってコワいのは、「便秘による口臭」でしょう。「それだけは、ぜったいに避けたい」と感じる女性が多いはず。そのためには、腸内環境を改善するのが必須条件です。
腸内環境を整える食べ物については、女性なら半ば「常識」としてすでにご存知でしょうが、かんたんに復習しておきましょう。
まずは、なんといっても乳酸菌食品。ヨーグルトやキムチ、糠づけなどですね。ただ、これも知っている人が多いでしょうが、乳酸菌は胃酸に弱い性質がありますので、空腹時には避けましょう。「食後のヨーグルト」がベストです。
それから、食物繊維。酵素も腸内環境改善には必要ですから、野菜はなるべく生で取ること。市販の野菜ジュースでは、食物繊維が不足しますから、自家製ジュースがおすすめです。
ほかにも、シメジやえのきなどのキノコ類、わかめや昆布などの海藻類、果物ではリンゴやバナナが定番でしょう。たとえば「おしゃぶり昆布」を食べると、腸内環境だけでなく、アミノ酸が唾液を増やしてくれますから、口内環境も改善されます。
以上、口臭予防におすすめの食べ物を紹介しました。繰り返しになりますが、歯磨きなどのオーラルケアに頼りすぎるのは危険です。
ケアも必要ですが、けっしてやりすぎないこと。そして、毎日の食事で、体の中から予防をするのが、「口臭美人へのただ一つの正しい道」なのです。あなたも今日から始めてみてはいかがでしょうか。