学校にお弁当を持っていく機会が多くなる高校生になった娘。でも、母親が作るお弁当に不満を感じる。お昼に友達と机を並べて一緒にお弁当を食べるのだけど、自分のお弁当箱の蓋を開けるのがなんとなく憂鬱。お昼のお弁当の時間があんまり楽しみに思えない。
だって、他の友達のお弁当は見た目が可愛らしかったり、彩りがきれいだったりするのに、自分のお弁当はちょっと野暮ったい感じ?友達のお弁当と自分のお弁当の中身を見比べるとちょっと腹が立つ。
「なんでうちの母親はよその母親みたいなきれいなお弁当が作れないの!」
野暮ったいお弁当を学校に持っていくことで友達に引け目を感じる。そんなことを思う思春期の娘はどうすればいいのでしょうか・・・。
色とりどりの見た目にも可愛らしいお弁当を持っていくことは子供にとってもステータス。それはまだ年端もいかない幼稚園時代から始まります。
母親は自分の子供がお弁当を拡げた時によその子に引け目を感じないように、毎日精一杯お弁当の中身に工夫を施します。ご飯に海苔で絵を描いたり、おかずのミートボールを三色団子に見たてて串を刺したりと。
だからと言って、全ての母親に幼稚園のお弁当合戦のような見栄えの良いお弁当を期待するのは無理というものです。
娘が高校生にもなれば、母親の方も仕事を持って忙しくなるという場合もあるでしょう。幼稚園の時のように、子供のお弁当に手間をかける余裕が無いかもしれません。
保育園から中学生時代まで子供のお弁当を作る機会がほとんど無かったため、お弁当作りに関しては初心者という母親もいると思います。
料理が得意な母親ばかりとも限りません。栄養面を考えてお弁当を詰めると、いつも見た目が地味になってしまうということもあります。
「うちの母親のお弁当はいつも前日の晩御飯の残り物だし、色が濃い煮物ばかりで田舎っぽくて嫌」「いつも煮汁が染み出てご飯が茶色っぽくなっているのが嫌。友達に見られると恥ずかしい」
思春期の女の子達は、そんなお弁当のちょっとした見栄えの悪さを気にするのです。美味しいとか不味いとかはその次の問題です。
でも、母親が作るお弁当には母親の個性が見えるのです。
娘に持たせるお弁当にはそれぞれの母親の個性と想いが込められています。
母親の背丈を超えたかもしれない娘が自分の食べるお弁当を自分で作っても、何の不思議もありません。母親が作るお弁当を毎朝不機嫌な顔で受け取るよりは、その方が余程娘のためになるのではないでしょうか?
自分で毎日お弁当を作るようになれば、忙しい朝に日々のおかずの献立を考えてお弁当を詰める作業の大変さがわかります。
煮汁が染み出ないようにする工夫、傷みにくい素材を使って調理する方法、小さなお弁当にきっちり数種類のおかずを詰める工夫・・・。
それらをうまくこなせるようになれば、娘のお弁当作りも一人前。お弁当作りを通して母親を超えたという自信が娘にできると同時に、料理に対する興味も芽生えてくるはずです。
お弁当作りがきっかけとなって、次第に母と娘が一緒に台所に立つ機会が増えてゆく。娘の自立のきっかけともなるお弁当作り、台所仕事の一部を娘に譲る気持ちで始めてみませんか?