「最近、なんだか生理痛が重い・・」「前よりも出血量が多くなった」など、生理の悩みは色々とあるものです。しかし、それらの症状が特に気になると感じた人は、すぐに産婦人科に受診するようにしましょう。もしかしたら、子宮筋腫の症状かもしれません。
それでは、子宮筋腫の症状と治療、そして上手に向き合う方法などをご紹介します。
子宮筋腫とは子宮にできる良性の腫瘍の事で、主な原因として女性ホルモンの増加の影響というのが考えられています。その為、初潮前の女性にはほとんど子宮筋腫はできなくて、閉経後の女性はホルモンが減るため、筋腫が育たないのです。
逆に妊娠中は女性ホルモンの働きが活発になり、小さかった筋腫がお腹の胎児と共に大きく成長してしまうということもあるので、妊娠中は特に要注意です。
では、どうすればいいのでしょうか?
筋腫の大きさによって薬で様子を見る・手術で取ってしまう・手術をするなら開腹手術と腹腔鏡手術のどちらにしようか、卵巣は?子宮自体は残すのか?など色々と考えなくてはなりません。お医者さんとしっかりと話し合い、自分の思いをしっかりと話して選択していきましょう。
子宮筋腫の原因が女性ホルモンの影響だと考えられているので、視床下部ホルモンの類似体のリュープリンやスプレキュアを1日2~3回、鼻の粘膜に点鼻薬をする方法と4週間に1度注射をする方法があります。これらの方法は6ヶ月を1クールとして行います。
この治療で、ホルモンを閉経後の状態にする為、人によっては更年期症状のほてりや発汗などが一時的に出てきますが薬をやめれば、症状は出なくなります。
漢方薬では「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」という薬があります。
この薬は、体内の血行促進に効果があり、冷えを改善し、子宮などの炎症を鎮めます。
また、ホルモンのバランスを整えてくれる効果が期待でき、生理痛の予防にも効果があると言われています。
筋腫の大きさによって、薬だけではなかなか対処できないものもあります。手術法には大きく分けて2つ、開腹手術か腹腔鏡手術があります。
筋腫が大きくなってしまった人や妊娠の予定もなく、完治を望む人なら子宮ごと摘出する単純子宮全摘術の開腹手術を選択できます。もちろん、子宮を残す核手術もできます。
傷跡を残したくないという人には腹腔鏡手術が良いでしょう。この手術も子宮全摘から核手術も行え、傷跡が小さいので術後の痛みも少なく、入院期間も術後2~6日と短くなります。
子宮の中に内視鏡を入れて、子宮内にできている筋腫を取り除く方法です。入院も、術後1~3日と更に短く、術後の痛みはほとんどありません。開腹手術と比べて腹腔内の状態を維持するので、他の手術に比べると妊娠率をアップさせることができます。
子宮筋腫は血行をよくすることが良いと考えられています。できてしまった筋腫を大きくさせないために、まずは、足湯や半身浴などをして体を温めてみましょう。
血行を良くするためには、適度な運動も必要になってきます。買い物で歩く量を増やしてみたり、ストレッチなどを取り入れても良いですね。
ただし、過度のスポーツは疲れが残り、逆効果になってしまうので禁止です。
食生活でも予防できる
筋腫の原因として、体が酸性になってしまうことで引き起こされるといったケースも少なくはありません。肉類や魚・卵などはタンパク質が豊富に含まれているため、体を酸性にしてしまいます。
しかし、これらを避けて食事をするというのも、なかなか難しいので、根菜や海藻類をセットで食べると良いでしょう。
玄米・海藻類やキャベツ・根菜類・きのこ類・などは細胞の代謝を良くする効果があるので体内の血行を良くするためにはとても良いと考えられています。
なるべく避けたほうが良いのは大豆食品。大豆には女性ホルモンに似た成分が豊富に含まれているので、摂取している女性も多いのですが、子宮筋腫にとっては逆効果。
とくに、薬物治療を行っている人は大量に摂取してしまうと、せっかくの効果が半減してしまいます。かならず、医師に相談してみましょう。
子宮筋腫は良性の腫瘍ですが、大きさ・数・部位によっては痛みが出ることもあります。そのような時には、どのように対処すれば良いのでしょうか。
生理中の時の痛みには鎮痛薬などを使うのが一般的です。しかし、薬がないときや妊娠中で薬が使えないときには、温感療法というのがあります。 簡単に言うと、お腹を温めるということですが、ただ単に温めるのではありません。お腹を触ってみて、冷たい人はお腹のマッサージをお勧めします。
マッサージ以外では「小豆」を袋に入れ、湯たんぽのようにお腹にあてておきます。小豆には保温の効果があり、エコカイロとして使うことができるのです。そのほかの代用として、保冷剤をお湯に入れて温めておいても簡単にカイロの代用になります。
筋腫の痛みで辛い時には、お腹が冷えていることが多いので、なるべく普段から冷やさないように心がけましょう.
生理痛が重かったり、特に何も症状がでなくても、30歳を過ぎたら婦人科で検査を受けてみましょう。
そして、もし見つかった時には医師と相談しながら筋腫と向き合い、自分にあった方法で
治療をしていくことをお勧めします。