自分のことなど二の次で家族や子供のことを優先してバタバタしている忙しい毎日。そんなときに子供が言うことをきかなかったりすると、ついつい怒りの感情が湧いてきたりしますよね。
「早くしなさい」「そんなことしたらダメじゃないの」「何度言ったらわかるの」。つい子供に向かって同じようなセリフを毎度毎度連呼してしまうわけです。
今回は、子供を怒るばかりの毎日で後悔しているママのために、怒りという感情を見つめるというアプローチで、怒るばかりの毎日から解放される脱出法をご紹介したいと思います。
怒りという感情は以下のことを発端として発生します。
例えば保育園のお迎えのバスの時間が迫っているのに、子供がぐずぐずとして着替えない。ある意味、母親としては自分が脅かされているわけです。
子供としては、保育園に何時に到着しようが構わないわけですが、子供が遅刻することでなんらかの害があるのは母親の方です。
もし、「集団の中で円滑に生活したいなら時間を守らなければならない」ということをしつけたいのなら、チャンスはいくらでもあります。
怒りをあらわにするという方法をとらなくても時間をかけてしつければいいのです。しかし、子供が保育園に遅れるという事態が母親に害をなすこととなるので、つい母親が子供を怒ってしまうわけです。
人には、自分を認めてほしいという欲求があります。何度言っても子供が言うことを聞かないという場合、「せっかく私が何度も言っているのに」という気持ちが多少なりともあるのではないでしょうか。
自分の言葉が相手に届かないのは誰でも悲しいものですが、かといって、大人が投げかける言葉をすべて子供が理解できるわけではありませんよね。
ですので、子供を怒るときに、親としての正当性を主張したいのか、自分の正当性を主張したいのか見極めましょう。
「こんなに毎日私が頑張っているのになんでわからないの!?」という思いを子供にぶつけるのは子供にとっては理不尽なことです。子供は、料理が完璧で、掃除も完璧な母親を求めているわけではなく、家事が完璧でなくても笑っている母親を望むものだからです。
怒りが自己防衛や承認欲求を端とするのならば、つまりは、子供のことを考えているわけではないということになってしまいますよね。
しつけのためとか、子供に幸せになってほしいという旨で親は、自分が子供を怒っていると思っているわけですが、そうでもないかもしれないわけです。
なので、子供に対して怒りが湧いてきたときには、はたしてこれは本当に子供のために怒っているのか、それとも自分のためにただ単に怒りをぶつけているのかはっきりと区別をする必要があるのです。
そして、自分のために子供に怒りをぶつけているだけなら即座に怒ることをやめなければなりません。
家事や育児を完璧にこなそうとするがために子供のちょっとした失敗により鬼の形相で怒り狂う母親と、家事は手抜き気味だが、いつもにこにこしていて子供のちょっとくらいの失敗にも余裕を持って対応する母親。
くりかえすようですが、子供としては、後者の方がありがたいですよね。子供にとっては、家が片付いていたとか、料理がおいしいということより、母親の表情の方が脳裏にしみこみます。
子供が小さいうちなどいくら部屋がきれいに片付いていたって子供はたいして覚えていません。しかし、母親の表情は確実に印象に残っています。
子供にとっては母親の表情を読み取ることは大切なスキルです。親から見放されると死んでしまうことになる小さい子供には、母親に気に入られることが必須だからです。
少し目先を変えましょう。偉人の言葉を参考に怒りをひもといてみます。
まずは、アメリカ合衆国建国の父とされるベンジャミン・フランクリンの言葉から。
先に紹介した怒りのメカニズムに相当する格言です。怒りは結局のところ、自分を守るために発生する感情です。怒っている最中は、自分には正当性があると本気で思っています。
子供を怒っているときは子供のために怒っているのだと親は思いこんでいるわけですが、ベンジャミン・フランクリンによると、実際のところはほぼ勘違いなのだということになりますよね。
さらに太平洋戦争中、連合艦隊司令長官だった山本五十六の有名な言葉から。
見本を見せて、説明して、実際にやらせてみて、さらにできたらほめる。これだけの手順を踏んで、やっと人は教えられたことができるようになるということです。
子供に対してこれらの手順、踏んでいますか?子供をやみくもに怒る前に、人を育てる親という立場のなら、もっとやるべきことがあるはずです。
理想は、いつもにこにこ。子供が悪いことをしてもほほえんで諭すような母親ですが、それはそれで家族には不気味かもしれません。
怒りは抑えつけたところで、いずれは爆発します。なので、不必要に怒りたくないのだとするならば、「怒ってはならない」と自分の感情をおさえつけるよりは、「あれ?何に怒っているんだっけ」と自問して、視点を変える方が有効です。
人間同士ですから、ときには本音と本音がぶつかりあって火花を散らすことは当然あるはずです。なので、子供とぶつかって、理不尽に、もしくは感情的に怒ってしまったりしても、理不尽だったこと、感情的だったことを後で素直に子供に謝ればいいのです。
子供のことを怒るばかりだと、親としても「これでいいのだろうか」と後悔の念が発生してきますよね。問題は、子供を怒るということがいつもくりかえされる状態になっていることではないでしょうか。
今回は、怒りという感情を見つめるというアプローチをとりました。怒ってばかりのママから怒るのたまにで、いつも笑ってるママに変身してみませんか。