初めてのお子さんを授かり、喜びもひとしおですね。できることなら大切なわが子を誰よりも大切に育てていきたい。ですが現代ではあまりにも様々な情報が溢れていて、不安もまたいっぱいだと思います。
子供を授かった女性誰もが、初めての育児にはとまどい、悩み、不安を抱えながら、いっぱいいっぱいで乗り越えています。そしてほとんどの母親は、こう思います。成長した我が子の今の記憶を持ったまま、もう一度赤ちゃんの頃から育て直したい、と。
特に最初の子に対しては、常に「この育て方で間違っていないのか」という不安がついてまわります。ついつい厳しくしすぎてしまったり、逆に甘やかしすぎてしまったり。慣れていない分余裕もなく、あまりかまってあげられなくて、思い描いていた母親像とはかけはなれた自分の姿に落ち込むことも。
そこで今回は、そんなあなたの育児の不安を吹き飛ばす、一生後悔しない育児の秘訣を5つお教えいたします。
育児といえば、しつけ。そんなイメージはありませんか。
あいさつ、食事の食べ方、トイレトレーニング、服の脱ぎ着など日常生活の基本から始まって、お友達との遊び方、集団行動での過ごし方、文字の読み書き、そして学校に通うようになれば勉強、受験と、子供が成長しても悩みはつきませんよね。
その都度、当たり前のように「口で言って聞かせ、わからなければ注意したり叱る」といったやり方をしている親がほとんどだと思います。ですが、実はこれが一番、効率の悪い子育て方法だということをご存知でしたか?
たとえば「食事は座って食べなさい」。これは1つのルールですよね。こうしたルールを子供にわからせようと思ったら、まずは「ルールが分かる脳」を作らないとなりません。この土台を作らずにただ、口でしつけるだけというのは、砂浜に家を建てるのと同じ。時間ばかりかかって、なかなか構築されていきません。
ではルールが分かる脳を作るにはどうしたらよいのでしょう。これはルールにしたがって情報処理をするというネットワークを脳にたくさん作っていくことが必要なのです。それも原始的で簡単なルールから始めることが必要です。
たとえば、赤・青・黄色の3色のボールを各色4~5個と、3つの入れ物を用意します。ボールがなければ新聞紙をまるめたものにそれぞれの色の折り紙を巻いて作ってもかまいません。入れ物(段ボール箱などでもOK)は1つ目は赤い色、二つ目は青い色、三つ目は黄色の折り紙を貼るなどして、色分けをします。もともと色がついているバケツなどを使っても全く問題ありません。
そして、ゲームスタート。青い玉は青い箱に、赤い玉は赤い箱に・・・というように、同じ色の入れ物にボールを入れていくだけです。簡単ですよね。
これはお座りができるようになったら始めてみましょう。最初は当然出来ませんが、あくまでもこれは遊びなので、できなくてもいいのです。ただし、正解した時にはたくさんほめてあげましょう。
成長とともにバリエーションを増やします。形を変えたり色を増やしたり。内容もどんどん複雑にしていきます。動物の仲間、花の仲間、食べ物の仲間など、お子さんの好みに合わせて色々アレンジしてみると、親子で楽しく遊ぶこともできて一石二鳥ですよ。
こうしてしっかり分類ができるようになってくると、不思議と脳は情報も分類することができるようになってきます。つまり、耳から入った情報を、その時のルールに従って必要な行動へうつす、ということができるようになってくるのです。
走り回ったり、ぴょんぴょん跳ね回ったり、高いところに登ったり、じっと座っていられなかったり・・・。こんな時、ついつい「じっとしていなさいって何回いえばわかるの!」と怒鳴りたくなってしまいますよね。他の子はおとなしくしているのに何でうちの子だけ・・・なんて落ち込んでしまうことも。
ですが驚くことに、これをおとなしくさせようと思ったら、毎朝15分程度、室内トランポリンをさせたり、ブランコなどを思いっきりさせたり(いずれも怪我のないように、親がしっかりサポートしてください)することが効果的だということをご存知でしたか?
こうした多動行動は、実は平衡感覚がまだしっかり出来上がっていないから起こる現象です。平衡感覚が育っていないと、重力に負けてじっと姿勢を保ったまま座っていたりすることが苦痛になります。それを回避するために、脳が自然と走り回るように指令を出してしまうのです。これを平衡感覚の自己刺激行動といいます。
だからといって子供に勝手にやらせておけばいいということではなく、大切なのは、必ず大人がそばについてコントロールしてあげるということ。やらせすぎず、かつ子供が一人でやっているレベルに留まらず、感覚の発達を促すように「あと何回、あるいはあと何センチ」などと適度な量を調節しながら、子供が「楽しいね、満足したよ」というところまでやるようにしましょう。
どんなに脳に良い刺激を与えても、脳の土台を作る栄養が細胞に届いていなければ、限界があります。そこで絶対に必要なのが、青魚に含まれるDHAと、鶏卵などに多く含まれるアラキドン酸。これら成分は、脳の細胞自体を元気にしてくれる栄養素で、脳内物質を出したり受け取ったりということがしっかりできる基礎を作ります。
また、脳はこれで出来ているといっても過言ではないくらい大切な栄養素がレシチン。神経伝達物質の元となります。このレシチンは、大豆製品に豊富に含まれています。
そこで、毎日、1日最低でも1食は、魚・卵焼き・大豆製品(豆腐や納豆など)・味噌汁といった伝統的和食を食べるように心がけましょう。ただし、まぐろなどの大きい魚には、水銀が多く含有されていることが多いため、さんまやいわしなどといった魚を多く食べるように心がけましょう。
最後に、生まれてから幼児期(できれば小学校にあがるくらいまで)は、子供をぎゅうっと抱きしめ、ただ受け入れてあげるという時間を持ってください。毎日たった10分程度でOKです。そういうのが苦手というママは、たとえば朝から寝るまでの間に小分けにして、1分×10回というようにしても大丈夫です。
こうすることでオキシトシンが、子供の脳にたくさん分泌されることになります。このホルモンは他人への安心感や信頼感、愛情を形成するのに重要な役割を果たしていて、子供の頃にこれが欠乏すると、発達障害と見分けがつかないほどの症状を呈してしまうケースもあるほど、人間が人間らしく成長していくのに欠かせないホルモンなのです。
さらに良いことには、子供を抱きしめ、優しくしてあげたという満たされた時間を持つことで、同時にママの脳にもこのオキシトシンが分泌されること。このオキシトシンは別名幸せホルモンと呼ばれていて、うつ病を予防し、生きる喜びを与えてくれるすばらしい脳内物質なのです。子供の笑顔や満ち足りた寝顔を見ると疲れが癒される、というのは脳科学的にも証明されていることだったんですね。
このホルモンをお互い分泌させることによって、子供の脳は良い方向にぐんぐん成長し、ママもまた、幸せな気持ちでゆとりをもち子供に接することができるようになります。そんなママが正しい育児方法に則って導いてくれるため、さらに子供はのびのびと良い子に育つ・・・こうした良いスパイラルが生まれ、続いていくわけなのです。
以上、一生後悔しない育児の秘訣を5つ、お教えいたしました。ぜひ今日から自身を持って、どうか素敵な子育て経験を積んでくださいね。