【妊娠を機に退職する人へ】妊娠してから会社を辞めるまでの流れ

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妊娠を機に退職を考える女性は多いです。もちろん辞めずに済むならその方が良いでしょう。育児には想像以上にお金がかかりますから、共働きの場合とそうでない場合では経済状況がだいぶ変わってきます。安易な考えで退職してしまうのはおすすめしません。

ただ、育児との両立が難しい職場や、そもそも妊娠継続すら危ないようなハードな職場もまだまだ多いのが現実です。「赤ちゃんの命」と「仕事」では比べるまでもありません。そういう場合は潔く辞めるのが賢明です。この記事では妊娠を機に退職する場合の流れをご紹介いたしますので、今後の参考にしていただければ幸いです。

1、妊娠が分かったらなるべく早く上司に報告しましょう

妊娠が判明したら、なるべく早く直属の上司に報告しましょう。流産の可能性が高いため、妊娠初期の段階ではまだ周囲に知らせたくない、という方は多いでしょう。ですが、流産の可能性が高いからこそ、初期は絶対に無理は禁物なのです。

妊娠中に行わない方が良い仕事はたくさんあります。力仕事はもちろん、身体を冷やすような外での仕事や、たばこの煙を吸ってしまうような接客業もよくありません。接待で頻繁にお酒を飲む仕事などは言語道断です。

このような仕事から外してもらう、もしくは緩和してもらうためにも、上司の理解と協力は欠かせません。会社としても、無理をさせて何かあったら大変なので、申告してもらった方がありがたいはず。赤ちゃんを守るため、きちんと報告しましょう。

もちろん、直接仕事に関係しない人や、同僚にまで報告する必要はありません。知られたくなければ、上司にその旨を伝えて、口止めをお願いしましょう。仕事の調整が必要ないのであれば、妊娠報告は安定期に入ってからで十分です。

2、つわりがひどい時は勇気を出して休もう。

妊娠すると、間もなくつわりが始まります。人によっては、じっと座っているだけでも辛い人もいるでしょう。人ごみが駄目で、電車にのれない人もいるでしょう。そういう場合、無理は禁物です。「無理やりにでも動いて気を紛らわせた方がいい」という人もいますが、そこに医学的根拠はありません。

本人がラクなようにするのが一番です。おそらく、何をどうしてもラクにはならないと思いますが…、なるべく身体が辛くならないように行動しましょう。家から出るのが辛いならば、休んでも良いと思います。頻繁になってくると、会社に連絡しづらいと思いますが、そこは勇気を出して!別にズルをしているわけではないのですから、堂々としましょう。

もちろん会社にはなるべく迷惑をかけないように努力するべきですので、事前の連絡や代案は必要です。自分のつわりは酷い部類だと分かったら「これから会社を休む日が増えるかもしれない」ということを上司に伝えておきましょう。また、自分の仕事の進捗具合が、他人に見えるようにしたり、共有の書類を常に分かりやすい位置に置いたりするよう心がけましょう。

3、辞める時期を考えよう

さて、会社を辞めるにしても、その時期は重要です。妊娠・出産がからむ退職となると手当金も絡んできます。下記を参考に、よく考えて時期を選びましょう。

出産育児一時金をもらえるのは、退職から半年以内の出産だけ

会社に勤めて、1年以上保険料を払っている人は、健康保険から「出産育児一時金」という手当がもらえます。金額は42万円。大きいですね。今勤めている会社の保険からこの一時金をもらうには、「退職から半年以内に出産する」必要があります。出産予定日はずれこむこともありますので、予定日の4か月前くらいまでは働いた方がいいということになります。

ただし、旦那さんの扶養に入れば、旦那さんの会社の健康保険からもらうこともできます。金額は同じ。ですので、現在共働きの方は、この一時金がもらえなくなる、ということはほぼないでしょう。健康保険によっては、42万円のほかに、プラスアルファで手当てがつくことがありますので、その有無や金額を調べてみましょう。自分の会社か、旦那さんの会社か、より手厚い方からもらうのがおすすめです。

産休・育休をとってから辞めるのはマナー違反

産前42日前まで働き、「産休」をとってから退職すれば「出産手当金」という手当がもらえます。これは産休中の期間の給料を補償してくれるもので、今のお給料の2/3の額が日割りで支給されます。また、育休中は「育児休業給付金」という手当ももらえます。

ただし、これらはあくまでも「復帰を前提としている女性」への手当。復帰する気がないのに受け取ろうとするのはマナー違反です。とはいえ、もらえる額が大きいので産休や育休をとってから辞める人がいるのも事実。職場の空気感や風習、会社への愛情などを鑑みて判断しましょう。

職場の繁忙期は避けよう

繁忙期と閑散期が予めわかっている場合は、繁忙期の退職は避けましょう。会社や同僚に迷惑をかけますし、あいさつ回りなどの退職準備もあわただしくなります。皆に祝福してもらい、気持ちよく職場を去るためにも、円満退職を心がけたいですね。

4、退職の意志を上司に伝えよう

退職の希望時期が決まったら、会社を辞めようと思っていることを早めに上司に報告しましょう。会社によっては引き止められたり、他部署への異動を打診されたりするかもしれませんが、辞める意志が変わらないのであれば、きっぱりお断りしましょう。

退職の理由は「育児に専念したい」「家庭の事情」などを伝え、決して会社の悪口などは言わないように。いくら辞めるとはいえ、まだ最終出勤日まで間があります。自分で自分を居づらくする必要はありません。

また、業務との兼ね合いや、新しい人材の手配の関係で、退職時期を前後にずらせないか打診されるかもしれません。妊娠による退職の場合、転職による退職に比べて、退職時期は融通が利きやすいので、なるべく応じてあげるようにしましょう。

5、安定期に入ったら、同僚にも報告しよう

安定期に入ったら、同僚や同期にも妊娠していることと、辞めようと思っていること、そして最終出勤予定日を報告しましょう。報告する順番は、直属上司→その上の上司達→同じ部署の同僚→同期など仲の良い人、の順番になるように注意が必要です。人数が多い場合、報告はメールでも構いません。

6、退職願を上司に提出しよう

退職予定日の1か月前までに退職願を書いて提出します。会社によってフォーマットがある場合はそれを使い、ない場合は一般的なテンプレートを使いましょう。これはあくまで形式的なものなので、退職理由を詳しく書く必要はありません。作法を守って、きれいな字で書きましょう。

7、引き継ぎやあいさつ回りをしよう

退職時期が近付いてきたら、引き継ぎやあいさつ回りを始めます。引き継ぎは最低でも退職日の3日前には完了するように。マニュアルなどを作っておくと混乱が少なくてすみます。取引先へのあいさつ回りは関係の深さに応じて、直接伺うか、メールで済ますか決めましょう。退職の理由は言いたくなかったら言う必要はありません。ただ、おめでたいことなので、言っても問題はないです。

8、職場の皆さんにお礼をいってから去ろう

最終出勤日にはお世話になった社内の人にお礼を言ってまわりましょう。会社によっては小さなお菓子などを添える風習のところもあります。事前に調べて準備しておきましょう。送別会では確実にスピーチを求められますので、テンパらないように事前に用意しておきましょう。

9、失業手当の受給期間を延長しよう

退職した後、忘れずに手続きしたいのが「失業手当の受給期間の延長」です。失業手当とは、会社を退職した後、次の就職先が見つかるまでの就職活動期間を生活するために支給される手当で、自己都合退職でももらうことができます。ただし、受給期間が定められており、退職の翌日から1年以内の間にもらい終えなければ、もらえなくなってしまいます。

しかし、妊娠をきっかけに退職した場合、すぐに次の就職先を見つけることは不可能ですよね。というわけで、子育てがある程度落ち着くまで、最長3年間、失業手当の受給を先延ばしにできるのです。これが失業手当の受給期間の延長です。

延長の手続きは、「退職した翌日から30日経過したあとのさらに翌日から1ヶ月以内」にハローワークでしましょう。文章にするととてもややこしいですね…。要するに、退職して1ヶ月くらいたったら、ハローワークに行きましょうということです。2ヶ月以上たつと手続きできなくなってしまいますから、なるべく早めに。

失業手当は、再就職の意志がある方のための手当なので、専業主婦志望の方は不必要ですが、今から3年後はどうなっているかわかりません。3年後、やっぱり再就職の意志がなければ権利を放棄すればいいだけですので、念のため延長しておいて損はありませんよ。

いかがでしたでしょうか。妊娠してから会社を辞めるまでの流れをざっと説明させていただきました。これから退職を考えている方の参考になれば幸いです。円満退職、そしてご無事のご出産をお祈りしております。

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