思春期になると、皮脂の分泌が盛んになります。そのため、顔や背中などに、ニキビが、できやすくなります。思春期を卒業して、すっかり大人になっても、なお、ニキビに悩まされることもあります。
「ニキビができるのは、若くて、元気な証拠」なんて、慰めてくれる人もいるけれど、ニキビができて、うれしい人なんて、いませんよね。
女性でも、男性でも、ニキビや吹き出物など、ないほうが、断然、清潔感があります。それは、10代の若者も、20代、30代の大人ニキビに悩む方々も同じですね。
ニキビを予防して、きれいなお肌を取り戻すためには、いったいどうしたらいいのでしょうか?
実は、私も、若いころ、ニキビが、どうしても治らず、ずいぶん長い間、悩まされていました。
いろいろなスキンケア商品を買って、試してみたものの、どれも効果がなく、ニキビが治るなんて、信じられなくなっていたので、「ニキビなんて、治すものではなくて、ひどくならない様に、注意しながら付き合っていくものだ。」と思って、あきらめていた時期さえあります。
当時は、ニキビができる仕組みには、あまり興味がありませんでした。「顔の脂をしっかり取り除けば、ニキビがひどくなることはないだろう。」と思っていました。
それで、洗顔後にタオルで水分を拭き取ると、お肌がパキパキしてくるほど、さっぱりと洗いあがる洗顔料ばかり選んで使っていました。洗顔後のスキンケアも、乳液を使わず、オイルフリーの化粧水だけを使っていました。
もし、当時の自分と話すチャンスがあるなら、まず、ニキビが、できてしまう仕組みをしっかり教え込むことでしょう。ニキビが、できてしまう仕組みさえ、しっかり理解できれば、自分で、その原因を取り除くための正しい努力ができますからね。
では、ニキビが、できてしまう仕組みを、少し勉強してみましょう。
ニキビには、尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)という、難しい正式な名前があるのをご存知でしょうか?
よく、スキンケアに関するパンフレットなどで、毛穴の断面図のイラストが描かれていたりしますよね。毛穴の断面図って、毛根を包みこむような形の袋状になっていると思います。
その毛穴の袋のことを、毛包(もうほう)とか、毛嚢(もうのう)といいます。ニキビとは、毛包に炎症を生じる立派な皮膚の病気なのです。
毛穴の中には、皮脂腺があって、皮脂を分泌しています。皮脂には、お肌のバリア機能を果たす役割があるのですが、お肌にたまった古い角質や汚れなどと一緒に、毛包の出口である毛穴に詰まってしまうことがあります。
そうすると、皮脂が、外に出ることができなくなり、毛包の中に、溜まってしまうのです。この状態が、白ニキビとか、黒ニキビと呼ばれる状態です。幸い、まだ、炎症が起こっていないものの、立派なニキビの誕生です。
毛穴が詰まってしまうと、その中では何が起こるのでしょう。
アクネ菌は、空気が嫌いなので、毛穴の奥にいて、皮脂腺から分泌される皮脂を栄養にしています。毛穴がふさがってしまうと、アクネ菌にとっては、都合が良くなってしまうのです。嫌な空気が入ってこなくて、大好きな皮脂がたっぷり溜まっていますからね。
そうして、出口がふさがってしまった毛包の中で、アクネ菌が増殖してしまい、ニキビが、赤く炎症を起こしてしまうというわけです。
赤く腫れてしまって、触ると少し痛かったりする赤ニキビですね。ひどくなると、膿を持つようなってしまいます。そして、炎症は、毛包の中だけにとどまらず、周りの細胞にまで、広がります。
「ニキビをつぶすと痕が残ってしまう」と、聞いたことがありますか?
確かに、ニキビを力任せにつぶしてしまうと、お肌の組織を痛めてしまうので、痕が残ることがあります。
けれども、炎症がひどくなってしまったニキビは、つぶさなくても、炎症によって、お肌の組織を痛めてしまうため、ニキビが治った後に、色素沈着やクレーターなどの痕を残してしまうことがあるのです。
炎症を起こしたり、膿を持ったりしたニキビができてしまった時には、早めに皮膚科に行って、きちんと治療を受けましょうね。
では、どうしたら、ニキビをなくすことが出来るのでしょうか?
ニキビは、皮脂が、古い角質や汚れと一緒に毛穴に詰まってしまうことが、原因となって、起こるのです。
毛穴が詰まらないように、してあげれば良いですよね。
まずは、良く泡立てた洗顔料でやさしく丁寧に洗顔をして、過剰な皮脂、汚れや古い角質を取り除いて、お肌を清潔にしましょう。
けれども、皮脂をすっかり取り除けば、ニキビが、できなくなるのではありません。
また、乾燥は、お肌にとっては、負担となってしまうのです。お肌の角質が厚くなったり、固くなったりするので、そのせいで、毛穴が詰まりやすくなってしまうこともあります。
そして、洗顔後には、自分のお肌に合った化粧水や乳液を、きちんと使って、保湿をしてあげましょうね。
睡眠不足などが続くと、お肌のターンオーバーも乱れてしまうので、生活のリズムを整え、栄養バランスのとれた食事を摂るなど、規則正しい生活を心がけるようにしましょう。
鼻にできたニキビが、赤く炎症を起こしていると思っていたら、「めんちょう」だったりすることがあります。
「めんちょう」というのは、皮膚に、黄色ブドウ球菌が感染して炎症を起こしたり、化膿したりして起こります。
「めんちょう」は、皮膚深く炎症を起こして、血管などを通して、感染が広がり、脳炎を起こしてしまうことがあるのだといいます。そのため、抗生物質がなかった時代には、「めんちょう」が原因となって死亡してしまうこともあったそうです。
たかが「ニキビ」と、軽く考えずに、炎症が進んでしまったり、なかなか治りにくい場合などは、きちんと皮膚科を受診して、治療を受けるようにしましょうね。
ニキビは、病院で治療を受けたり、正しいスキンケアを続けることで、きっと治せます。あきらめないで、頑張りましょうね。
ニキビが治ると、お肌がきれいになるので、メイクだって、おしゃれだって、これまで以上に楽しめますよ。