生理痛もやわらぐ!低用量ピルの正しい認識と副作用について

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毎月のつらい生理痛にお悩みの女性も多いのではないでしょうか。市販の痛み止めを飲んでもあまり効果がなかったり、痛みで眠れないという症状の重い方もいらっしゃると思います。どうにかして痛みを改善したいと思いますよね。

生理痛の対策にも色々とありますが、ここでは低用量ピルの服用による生理痛改善と、ピルの正しい知識についてお話ししたいと思います。

辛い生理痛ともおさらば!ピルの効果

ピルを処方されるのは、子宮内膜症などの病気のほかにも避妊目的や生理不順の改善、月経困難症の症状改善の場合などです。その中でも処方の割合が高いのが、月経困難症による重い生理痛に悩まされている場合です。

生理痛がひどい場合は、歩くことすらままならない事もありますので、日常生活に支障をきたしてしまいます。さらに毎月のことですから精神的な不安も大きいですよね。


そういう身体的・精神的な月経の問題を根本から解決してくれるのが、低用量ピルなのです。

低用量ピルでの生理痛改善は、排卵を抑制して月経をコントロールするという解決方法です。痛み止めでごまかす対症療法とは異なり、生理自体が軽くなりつらい痛みを取り去ります。

では実際、低用量ピルにはどのような効果があるのでしょうか。

低用量ピルの主な効果

  • 子宮内膜症の治療・改善
  • 月経困難症や月経不順による生理痛の緩和・不安の払しょく
  • 避妊に効果あり(服用を中止すれば妊娠することも可能)
  • 肌症状の改善や、生理前のイライラの低減

などなど、本当に様々な効果が得られます。
筆者は既に12年ほど服用していますが、服用前はとてもひどい生理痛で立つこともできず、仕事も休まざるを得ない状況でした。しかし服用を開始して、痛みは全くと言っていいほど感じることはなくなり、経血の量もかなり少なくなり、毎月の苦労や不安がすっかり消えてしまいました。

低用量ピルは将来妊娠できない?

排卵を制御して月経困難症などを改善する低用量ピル。「排卵をなくす」という特徴から、「将来妊娠できないのでは?」という不安を口にする方も多いようです。

しかし、心配はいりません。
将来妊娠を望めば、ピルを中止すれば排卵は確実に戻ってきます。

服用中止から排卵が戻るまでの期間は個人差がありますが、早ければ翌月の排卵から戻ってきます。

逆を言えば、それだけ早く排卵が戻るので、ピルを飲み忘れた場合は「すり抜け排卵」が起こる可能性も。そのすり抜け排卵で妊娠してしまうことも十分考えられますので、妊娠を望まない場合は毎日決まった時間に、しっかりと服用を続けることが重要です。

このように、ピルの薬効は持続しません。妊娠を望む場合は、主治医の先生と相談の上、服用中止のタイミングを決めましょう。

ピルは副作用が怖い?

ピルといえば真っ先に思い当たるのが「副作用」かもしれません。確かに、ピルはお薬ですから副作用が全くないわけではないのです。ではいったい、どのような副作用があるのでしょうか。そして、それは服用をためらうほど恐ろしいものでしょうか。

低用量ピルの主な副作用

  • 服用開始時期に軽い吐き気を感じることがある
  • まれに下痢などの症状がある場合も
  • 倦怠感を感じる
  • 軽い不正出血がみられる場合がある
  • ごくごく稀に、静脈血栓症を引き起こす場合がある

他にも色々と報告はありますが、主たる症状は上記のようなものです。特に多いのが、服用を始めたころによく感じることがある吐き気や不快感です。ピルはホルモン剤ですので、飲み始めると体内のホルモンバランスが崩れます。それによって、つわりのような不快感が、副作用として現れるのです。

しかしそれも一時的なこと。ピルに体が慣れてくると、そういった不快感はとても少なくなっていきます。

次に不正出血ですが、ピルの影響による出血の場合およそ心配することはありません。もちろん他の病気がないか病院へ相談したり検査したりすることは大切ですが、ピルによる出血は人によって違いはあるものの、少なからずあるのです。この出血は、ピルの服用によるホルモンバランスの変化によるものですので、服用期間が長くなるにつれ、出血の度合いも少なくなっていきます。

不正出血を予防するために、毎日決まった時間に飲む、飲み忘れないなど、服用に際して注意しておくことが大切です。

そして最後に静脈血栓症のリスクです。

ピル服用をためらう人の多くは、この血栓症のリスクを避けたいと思っていることでしょう。でも、そのリスクは本当に低いものなのです。

カナダの産婦人科学会の報告では、ピルを服用している女性のうち血栓症で危機的な状況に陥る割合は、なんと10万人に1人以下ということです。これは交通事故で亡くなる可能性のほうが大幅に高いことを示しています。

また、血栓症が疑われる症状が少しでも現れた場合はすぐに医療機関を受診することが必要です。

注意!こんなときはすぐに病院へ

  • 足のむくみや、手足のしびれ・脱力など
  • 激しい胸の痛み・突然の息切れや胸の苦しさなど
  • 突然襲ってくる激しい頭痛、めまいや意識障害・言語障害など
  • 目が見えにくい、目のかすみ、視野の一部が見えにくいなど
  • ふらつきを感じるほどの急な血圧上昇

血栓症発症の割合は低いとはいえ、その他の要因と絡み発症リスクを高める場合があります。

血栓症の発症リスクを高める3大要因


喫煙

高年齢

肥満

これら3つの要因は互いにリスクを高めあいます。ピルの種類によっては、40歳以上は服用できないなどの年齢制限があるほか、一日の喫煙本数によって制限がある場合もあります。

しかしこれらの要因はピルによる血栓症だけではなく、他の疾病リスクも高めてしまいますから、ピル服用の有無に限らず気を付けていきたいですね。

血栓症予防のために運動も効果的。いつもデスクワークの人は特に運動不足に気を付けて、水分をこまめに補給して発症リスクを少しでも下げる努力をすることも、ピルと上手に付き合っていくには必要かもしれません。

ピルの服用を検討中の方へ

服用を検討している、または服用したいけど少し不安があるという方は、上記のピルの利点、リスクなどを十分理解して、専門医としっかり相談することが大切です。

しかしあまり恐れずに。ピルは女性にとって快適な生活を与えてくれるお薬だということ、そして妊娠・出産など、人生の一部をコントロールできるものであるということで、現在は多くの方が服用している、世界で最も安全な部類のお薬のひとつです。

副作用のマイナスイメージや、一昔前までの中用量ピルによる副作用の情報が先行してしまったため怖いお薬であるというイメージがありますが、現在では研究が進み、安全性が極めて高いお薬になっています。

痛みから解放されると、気持ちまで軽くなります。
イメージだけで怖がらずに、快適な生活へ一歩踏み出してみませんか?

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