おっぱいを飲ませたり、おむつを替えたり、赤ちゃんのお世話に追われていた時期を過ぎると、次は、子どもの教育やしつけが待っています。
ほとんどのお母さんは、子どもに「嘘は、いけない。」と教えているのではないでしょうか。けれども、小さな子どもの嘘については、むやみに心配しなくてもいい場合もあるのです。
実は、小さな子どもは、まだ、脳が、未発達なので、頭の中の情報を正しく処理できないため、現実と空想との区別がつかずに、混同してしまうことがあるそうです。
「お人形とおしゃべりをした。」「公園で妖怪を見たんだ。」などと、大人からすると、現実には、絶対ありえないことを、実際に起こったこととして、心の底から信じていたりします。
頭の中で想像した、ただの空想が、まるで、自分の身のまわりで、現実に起こったことのように錯覚してしまうのです。
子どもらしい、小さなほほえましい嘘なら、笑っていられるのですが、度重なると、「どうしたのかな。」と心配になったりしますよね。
とくに、一人目の子どもだったりすると、「空想癖や虚言癖があるのかな。」「心理的発達に問題があるサインだろうか。」などと、余計に不安になってしまうこともあるかもしれませんね。
子供が成長して、小学校に行く頃になると、意識的にわざとつく、叱られないための嘘、親や友達の気を引こうとする嘘、などが出てくるようになってきます。
また、小学校に通うようになっても、まだまだ、判断能力も、言語能力も低いために、自分の身に起こったことを理解できていなかったり、言葉でうまく説明できないことがあります。
そのために、周りの人の勘違いをそのまま認めてしまったり、真実とは、異なる説明をしてしまったりするのです。
大人からすると、「嘘をついている。」と感じてしまうのですが、本人は、嘘をつくつもりなどないのですから、責めたり、問い詰めたりするのは、やめましょうね。
そうはいっても、お母さんだって、ごはんの支度や洗濯、掃除など、やることがいっぱいで、忙しいので、余裕がなくて当然です。十分に、わが子に時間を割いてあげられないからと言って、自分を責めたりしないでくださいね。
生れたときから、ずっと一緒にいる大好きなお母さんなのですから、子どもに、しっかり向き合う気持ちさえあれば、わが子には、伝わるものです。余裕のあるときに、たっぷり話を聞いてあげたり、甘えさせてあげたり、褒めてあげたりしましょうね。
理屈は分かっていても、「お母さんがテレビに出る。」とか、「海外に親戚がいる。」とか、「宝くじが当たったとお母さんが言っていた。」とか、現実に、あってもおかしくない嘘を、近所の人やお友達のお母さんなどに、言われてしまうと、あまり良い気がしないこともありますよね。
「子どもの話なんて、誰も本気にしないわ。」と大きく構えることが出来ればいいのですが、小さいころから、真面目だったお母さんや、あまり自分のことをペラペラおしゃべりしないタイプのお母さんにとっては、気が気ではないこともあるでしょう。
もし、成長が進んでも、嘘が、どうしても治らず、心配な場合は、保健所やカウンセラーなど、専門家に相談してみましょう。