30代における肌の悩みと、変化に合わせたスキンケア

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肌の状態は生活習慣やストレスなどで、かなり個人差が出てきます。ところが女性は35歳くらいから女性ホルモンが減り始めるため、ある程度の個人差はあるものの、一貫して皮膚に変化が起こります。やがて、シミやシワなどの老化が目立つようになるのです。

この記事では年齢に伴って肌がどのように変化していくのか、皮膚変化とそれに合わせたスキンケアの方法をご紹介します。

三層の皮膚のそれぞれの変化

まずは表皮、真皮、皮下組織の三層が、30代になるとどのように変化していくのか見ていきましょう。

表皮

表皮が生まれ変わる速度は、30代以降になると突然ゆっくりになります。20代では4週間程度で生まれ変わっていたものが、30代では5週間となり、40代では約6週間、60代以上は10週間以上になります。

再生リズムが遅くなると、表皮全体が薄くなります。表面が縮んだようにシワが寄り、古い角質細胞が剥がれ落ちずに溜まっていきます。これがシミの原因となるのです。

真皮

真皮は30代に突入すると、コラーゲンの減少や線維の断裂などが見られます。丈夫なゴムのようになっているコラーゲンのネットワークが崩れ、表情に沿って折り畳まれていきます。これがシワとなって肌に刻まれるのです。

皮下組織

皮下組織は主に脂肪ですが、それを線維状の膜が包んでいます。この線維も老化とともに弱くなり、皮下組織全体がたるんでいきます。そのことによって、頬などの脂肪のぶ厚い部分が下がっていくのです。これによってほうれい線のたるみができます。

シミ予防には紫外線対策

肌老化の60%以上は紫外線が原因といわれています。紫外線の肌への害は強く叫ばれるようになり、現在では意識していない人はほとんどいなくなりました。しかし、それでも紫外線対策がきちんと出来ている女性は、実はほとんどいないのです。

皮膚に影響を及ぼす2種類の紫外線

紫外線にはA波(UVA)、B波(UVB)、C波(UVC)の3種類があります。C波(UVC)は地表にはほとんど届かないため、我々への影響はありません。害となるのは、A波(UVA)とB波(UVB)の2種類です。

紫外線のA波(UVA)はガラスを突き通す性質を持つため、衣類も通過する厄介者です。そのため、UVAは真皮にまで到達し、表皮のシミだけではなくシワの原因にもなるのです。

紫外線のB波(UVB)はエネルギーが強く、海辺など短時間で火ぶくれになるような日焼けの主原因です。皮膚においてもUVAと違って真皮の深いところにまでは到達しませんが、皮膚がんの原因になります。

紫外線対策①日焼け止めを過信しすぎない

紫外線対策がきちんと出来ている女性が少ないのは、「日焼け止めを塗っているから大丈夫」という考え方が浸透していることが挙げられます。

日焼け止めには、肌の上で紫外線を吸収してエネルギーに換えるタイプのものと、率直に紫外線を跳ね返すタイプのものがあります。いずれも日焼け止め自体に効果がないわけではなく、塗る回数と量が少ないことがいけないのです。

日焼け止めを朝に一度塗った程度では、紫外線対策をしたうちには入りません。塗る回数が少ない人ほど、一度に使う量も少ない傾向にあります。日焼け止めを有効に使うためにも、くれぐれも量はケチらないようにしましょう。

紫外線対策②パウダーファンデーションを使う

毎日日焼け止めを2時間おきに厚塗り出来れば良いのですが、それを実行する自信は多くの人が持てないと思います。では、日焼け止めに頼らず日焼けを防ぐためにはどうしたら良いかというと、ずばりファンデーションを塗ることです。

ほとんどのファンデーションには、タルクや酸化チタンなどの紫外線を散乱させる成分が含まれています。これを顔にむらなく塗れば、日常生活に十分な日焼け防止効果を発揮させることが可能です。

リキッドやクリームタイプのファンデーションでも良いのですが、これらはパウダーファンデーションに比べると密度が低いため、効果も下がります。顔の日焼け止め対策には、パウダーファンデーションを使うことが最も適しています。

ただ、日焼け止めほどではありませんがパウダーファンデーションも落ちやすいため、まめに塗り直す必要はあります。ただ2時間おきに塗り直さなくても良いので、一日に2~3回程度はお色直しをしましょう。

ファンデーションには紫外線防止効果が確実でありながらも、肌への負担が少ないというメリットがあるのです。

まとめ:紫外線対策のために、日焼け止めとパウダーファンデーションを欠かさず塗りましょう。他にも帽子や日傘、手袋などを活用し、日頃からしっかりとUV対策を行うことが大切です。そうすることによって表皮へのダメージが少なくなり、シミを防ぐことが出来ます。

シワの原因と対策

シワは、主に真皮の線維の老化によって生じるものです。一般的には「肌が乾燥することによってシワが出来る」と言われていますが、顔のシワはドライフルーツなどのシワよりも、靴の履きジワに近いものです。

靴の皮が古くなって硬くなり、同じところが繰り返し折り畳まれるために、線維が傷ついてシワが出来るのです。つまり、靴のように折り畳んだ回数と比例してシワが深くなるため、間違った表情筋のトレーニングなどで皮膚を折り畳んでしまうと、かえって逆効果になります。

間違ったマッサージはシワを深くする

「シワが取れる」や「フェイスラインが上がる」など、様々なマッサージが広まっています。ただし、むやみに手でゴシゴシとマッサージをすると、逆にシワを深く刻む恐れがあります。

特に30代になると真皮のコラーゲンの減少や線維の痛みなどが生じるため、もろくなっています。そこに手でもみくちゃにマッサージを加えると、余計に痛んでしまいシワやたるみが生じます。

強いマッサージでシワを無理やり伸ばすのは、ダンボールの同じところを繰り返し折り畳むようなものなのです。洗濯物のシワなら引っ張ってパンパン叩けば良いのですが、人間の皮膚はそうはいきません。

シワをじいっと眺めていると、ついもみくちゃにしてでも伸ばしたくなる気持ちはわかりますが、あくまでも肌は優しく扱うべきです。

深部マッサージでシワ対策

シワを予防するためにオススメしたいのが深部マッサージです。これはエステサロンなどで行われるマッサージのように、皮膚の表面を無理に引っ張ったりせず、肌の奥に力を加えることが出来ます。

深部マッサージは、マッサージクリームをつけて皮膚表面に指を滑らせ、奥の筋肉に圧力をかけて血行を促進させます。このようなソフトな深部マッサージをマスター出来れば、自宅でもエステさながらの正しいマッサージを行えるようになります。

深部マッサージは皮膚ではなく、あくまでも筋肉に働きかけるものです。指先で筋肉の流れを感じ取り、線維の走る方向に沿って指を滑らせます。このときに皮膚にシワを寄せてしまわないように、優しく滑らせるように行うことが大切です。

自分でうまく出来ない人は、初めはエステサロンでプロのマッサージを受けてみると、コツがわかって良いですよ。

深部マッサージの手順

深部マッサージを行う際には、クリームタイプのマッサージクリームが必要です。どんなものでも良いのですが、あまり油分の強いものは適しません。敏感肌用の保湿クリームや乳液などを使うとより良いでしょう。

まずは、マッサージクリームをたっぷりと手に取ります。たくさん使うことで手の滑りが良くなり、皮膚を引っ張らずに済みます。

マッサージクリームを顔全体に伸ばしたら、いよいよ深部マッサージを始めます。パーツに分けて手順を説明しているので、1つ1つ丁寧に行いましょう。

【額のマッサージ】

  • 薬指、中指、人差し指を使って、額を下から上へ、手を交互に動かしながら優しく滑らせていきます。

【鼻のマッサージ】

  • 薬指と中指を使って、鼻の頭を上から下へ、手を交互に下ろしていきます。
  • 次に、薬指で鼻の横から小鼻辺りまで滑らせます。小鼻はクルクル円を描くようにして、力は込めずにさすります。

【目元のマッサージ】

  • 薬指と中指を使って、目の下を目頭からこめかみに向かって滑らせていきます。
  • 次に、目の上を目頭からこめかみに向かって滑らせていきます。

【頬のマッサージ】

  • 薬指、中指、人差し指を使って、頬を小鼻の横からこめかみに向かってさすっていきます。このときに、円を描くように指をクルクルと回しながら行って下さい。
  • 仕上げに両の手のひらで頬を優しく包み込んで、じんわりと温めましょう。

【口元のマッサージ】

  • 薬指と中指を使って、下唇の中央から口角、顎の下、こめかみまで、円を描くように指をクルクルと回しながらさすっていきます。

【顎のマッサージ】

  • 薬指、中指、人差し指を使って、顎の中央から口角に向かって、優しく滑らせていきます。

全行程、決して皮膚を引っ張らないようにして下さい。 少しでも引っ張っている感覚があれば、その都度マッサージクリームを使いましょう。マッサージ後は、石けんで軽く洗い流します。

ほうれい線のたるみの原因とトレーニング

鼻から口元にかけてのシワのことを、ほうれい線といいます。これは目元などのパーツのシワとは違って、頬のたるみです。そのため、普通の顔をしていてもくっきりと存在します。

頬は顔の中でも最も脂肪の厚い部分で、老化とともにゆるんで脂肪が下がっていきやすいです。真皮のコラーゲンや線維が傷んでくることがシワの最大の原因ですが、ほうれい線は通常のシワのケアをしても効果が現れにくいです。

ほうれい線は自分で行うケアだけでは消すことは出来ませんが、たるみ予防のためにケアすることは決して無意味ではありません。

また、普段から口を半開きにしていたり、だらんとした表情をしていると、口の周りの筋肉がゆるんでしまうのでNGです。日頃から口元を意識して、キリッと引き締めておくことを心がけましょう。

トレーニングでたるみを防止

「全体的に顔のハリがなくなった」、「フェイスラインがぼやけてきた」。それらはたるみのサインです。ほうれい線のたるみは完全に消すことは出来ませんが、口元の筋肉を鍛える運動をすることによって、深く刻まれるのを予防するのに役立ちます。

筋肉トレーニングの方法

①ペットボトルに少量の水を入れます。

②立ち上がった状態で、机に両手をつきます。

③ペットボトルを唇でくわえ、歯を使わずに持ち上げます。そのまま10秒キープ。

④これを3回繰り返します。

慣れてきたら、少しずつ水の量を増やしていきましょう。ただし顎に痛みが生じた場合は、無理をせずトレーニングを中断して下さい。

まとめ:肌の老化は生まれたときから始まっており、日々の少しの変化が積み重なって大きな変化となります。シミやシワもある程度進化してから、突然目に見えてくるものです。それが30代になると訪れるお肌の曲がり角ということです。しかし、曲がり角を来ないようにすることは出来ませんが、遅らせることは可能です。日頃から日焼けをしたり、間違ったマッサージなどをして、お肌を痛めないように心がけましょう。

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