コミュニケーション活発な家庭には欠かせない!話を聞くコツ5選

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せっかく結婚したのなら、コミュニケーションが活発で、わいわいと楽しい家庭にしたいと思い描いている人も多いでしょう。しかし、実際のところ、子どもは聞き分けがなく、夫も自分の話を聞いてくれないなんて状況に陥っていないでしょうか。

今回はコミュニケーションの根幹ともいえる「話を聞く」ということについて考え、さらに、話を聞くコツを紹介しますので、参考にしてもらえたら幸いです。

家族内で人の話を聞くことについて

「うちの子どもは聞き分けがない」と感じるのなら、母親である自分が子どもの話をきちんと聞いていないのかもしれません。夫が自分の話を聞いてくれないと感じるのであれば、では自分は夫の話を聞いているでしょうか。

夫が人の話を聞かないのは、本人の責任でもあるのでしょう。しかし、子供が人の話を聞かないとしたら、それは親のコミュニケーションをそのまま受け継いだだけです。

3歳くらいの女の子が突然母親そっくりの言い方で父親に注意するなんて事態にでくわすこと、ありませんか。子供はそっくりそのまま親のコミュニケーションをまねします。

「そんなことはない!自分は充分夫や子どもの話を聞いている」と思う人もいるでしょう。しかし、なかにはこんなコミュニケーションをしている人はいませんか。

子:お母さん、あのね…。

母:なにぐずぐずしてるの。早くお風呂に入りなさい。

子:今日ね、友達と喧嘩したんだ…。

母:何やってるの。わがまま言うからいけないんじゃないの?まったくいつもあんたは、○○で△△で…。

夫:ただいま。

妻:(待ちかまえて)お帰り。今日ね、隣の○○さんがね△△で□□で。ひどいと思わない?それで…

夫:(疲れてるんだけどな…。たまには俺の話も聞いてほしい。)

自分は人の話をきちんと聞いているのに、なぜかコミュニケーションがうまくいかないと感じているのなら、ここで一旦「聞く技術」について見直してみた方がいいのかもしれません。

聞く側の人材は不足している

なぜ「人の話を聞く」ことが大切なことなのでしょう。人には皆、自分が他人から価値のある存在であると認められたいという承認欲求があります。人と会話するときにもそれは働きます。自分が話すことで自分のことを認めてほしいと思うのです。

つまりみんな、「自分の話を聞いてほしい」人なのです。みんながみんな話を聞いてほしい人だらけだとどうなるか、圧倒的な聞く側の人材不足です。それだけ、聞ける人というのは貴重な存在なのです。

あなたにはあなたの話をじっくりと聞いてくれる人がいますか。悩みを話しても、すぐにアドバイスに走ったり、説教しだしたり、自分の話にすりかえたりすることなく、徹底的に聞くことに専念してくれる人がいますか。

もし、子供のころからそういう存在がいたとしたら、あなたにとって、とても心強い人であったのではないでしょうか。

誰もが自分の話を聞いてほしいので、話を聞ける人材は貴重です。

近ければ近いほど心理的なブロックが働く

例えば、親に悩みを相談したとします。親からこんなコメントをもらった経験はありませんか。「だからお前はダメなんだよ!」「私の言うことを、ちゃんと聞いてないからこうなったんでしょ?」。

親に相談してもじっくりと聞いてはもらえず、アドバイスや説教に走られたという人が多いのではないでしょうか。親は子供の将来を思うがゆえに、今、子供に起こっている不具合について、なんとか解消してあげようという親心が働いてしまうものです。

しかし、子供のあなたが親に相談するとき、してほしかったことは説教だったのでしょうか。ただ聞いて共感してほしかったはずです。気持ちを受け入れてもらったうえでどうしたらいいのか一緒に考えてほしかったはずです。

相手と関係が近ければ近いほど、相手への期待も大きくなり、こうなったら嫌だなという気持ちも大きくなります。期待が大きいと、自分の思惑と違う話がはじまったとき、素直に受け取ることはできません。

必死で期待と現実のずれをどうにかしようとして、反発したり、説教したりと、相手をなんとか自分の期待の枠にはめようとします。

そういう気持ちのうえでの「だからお前はダメなんだよ!」であり、「私の言うことを、ちゃんと聞いてないからこうなったんでしょ?」。なのです。

つまり、聞く力と言うものは相手との関係が近いほど、妨げられてしまうものなのかもしれません。しかし、本来、聞く力は、関係が近いほどきちんと発揮したいもののはずです。

心理的なブロックが聞く力を妨げている。

第一ポジションと第二ポジション

対話によって目標達成を図る人材開発の技法のひとつに「コーチング」というものがあります。そのコーチングの技術で、話を聞くときの意識のあり方にふたつあります。第一ポジションと第二ポジションです。

  • 第一ポジション:自分に意識が向いている。
  • 第二ポジション:相手に意識が向いている。

第一ポジションで話を聞くと、以下のようになります。

A:このまえ、パンケーキ食べてきたんだ。

B:そうなんだ。私あんまりパンケーキ好きじゃないんだよね。

A:すごくおいしかったんだよ。

B:へえ。そうなんだ。私はどちらかという○○派だなあ。

第一ポジションは、相手の話について、自分の意識に向けて反応しています。ですので、どんな話題でも、Bは「私は」「私は」で返すこととなります。一方、第二ポジションで話を聞くと以下のようになります。

A:このまえ、パンケーキ食べてきたんだ。

B:そうなんだ。どこのお店に行ったの。

A:○○の△△だよ。すごくおいしかった。B:へえ。そんなにおいしかったんだ。

前者はパンケーキからの連想にすぐに自分を結び付けていますが、後者はパンケーキと聞いて、相手へと意識を向けて話をしています。

前者のひどいパターンが「会話泥棒」です。会話泥棒をする人は、徹底的に第一ポジションにいる人です。何を聞いても自分に意識が向くので、「私は」「私は」という話から抜け出すことができません。話を聞くときは第二ポジションを心がけましょう。

会話泥棒の変形?逆にうっとうしい「わかる」というリアクション

聞く力には共感が必要だと言われますが、なかにはエセ共感といってもいいものが存在します。

A:このまえ上司に叱られてさあ。

B:わかる。私もこのまえ夫に怒鳴られて。っていうのも○○で△△で…。

A:万全に進めてきたプロジェクトの重箱の隅をつつくようなこと言われて。

B:ええ?そうなんだ。わかるわあ。私だって姑に○○されて△△で…。

ただたんに、「わかる」をつなぎにして無理やり自分の話にもっていく人っていますよね。Aがバリバリのキャリアウーマン。一方、Bが社会人経験のないまま専業主婦になった女性だとしたら、Aは一体どう感じるでしょう。

「わかる」とは絶対に言ってほしくないのではないでしょうか。例えばBが夫や姑の愚痴を言い、未婚のAが「わかる」と返しても同様でしょう。では、どうやったら共感を示せばいいのでしょうか。

自分に感覚的にわからないことについては、やみくもに共感すべきではありません。そういう場合は、エピソードに共感するのではなく相手の感情に共感するようにします。

A:このまえ上司に叱られてさあ。

C:ええ?なにかあったの?

A:今、大きな案件を任されててね、取引先からちょっとしたクレームが入ったんだけど、それが上司の気に食わなかったみたいで。

C:なんで気に食わなかったんだろ。

A:プロジェクト自体は万全に進めてるんだよ。取引先のクレームもきちんとおさめたしさ。でも上司は重箱の隅をつつくようなこと言ってくるのよ。

C:へえ。細かい上司なんだね。

A:そうなの~。大変さ、わかってくれる?

自分はそつなくプロジェクトを進めているのに、細かい上司に辟易しているということをAは話したかったわけです。Cはきちんと聞きだした上で、細かい上司に辟易しているという感情に共感しています。

Cにとって、経験がなく、エピソード自体への共感はできなくても、「細かい人で面倒なのだな」ということは理解でき、細かい人に辟易しているという感情についての共感はできるはずです。

共感は、「わかる」という安易な言葉で済ませず、相手の言いたいことを受け止めたうえで感情に共感する。

相手が何を言ってるのかわからないとき

いくら聞こうにも、話の主が、的を得ない話をだらだら続けたりして(特に相手が子どもだとそうなりがちです。)、意味不明な話を聞くことになることもありますよね。

要約してみる

そんなときは、自分なりに理解したことを要約して相手にぶつけ、反応を見てみましょう。「それって○○ってこと?」。あなたの理解が正しければ、相手は満足そうに「そうそう!」と返します。ずれているなら即座に違うと言うでしょう。

相手が違うと言ったタイミングですかさず、「いまいちわからないからもう少し詳しく教えてほしい。」とオファーしましょう。注意したいのは、相手の話が終わらないうちに先回りしたり、相手の話の腰を折ってまで、要約することに夢中にならないことです。

「この人私の話つまらないと思っているんだな」ということがただちに伝わり、話の主は、これ以上話そうという気がなくなってしまいます。

冗長な話は、一旦要約して内容の是非を問う。

「具体的に」「例えば」という合いの手を入れる。

要約は、ある程度話が続いたうえでのテクニックですが、的を得ない話が始まって間もない時に「例えば」「具体的に」と具体的な話のオファーをすると、要約する必要もなくなります。

子:あのねえ。今日ねえ、いろいろ楽しかったんだ。

母:今日、楽しかったんだ。例えば何したの?

子:○○ちゃんとね、すべり台ですべったんだよ。

母:すべり台ですべったのが楽しかったんだ。すべり台ですべるとき、どういうところが楽しいの?

「例えば」「具体的に」を使うと、生き生きとした話が飛び出します。

家族内コミュニケーションを活発にするには

家族がリビングにいます。お父さんはテレビを見てお母さんは雑誌を見て子どもはスマホでゲームをして…。などとそれぞれが別のことをしていたとしても、同じ空間で過ごすと言うことが家族にとっては大切なことです。

かといって、いくら一緒の空間で過ごしているといっても、その状態でしかないのなら、お互いが実際のところ何を考えているのかは、わからないままでしょう。

せめて、休日の食事の時間だけでもテレビを消しておしゃべりしてみてはどうでしょうか。では、実際に家族内でのコミュニケーションを活発にするためには具体的にどうすればよいでしょう。

タテとヨコ

話題には2種類あります。ヨコの話題と、タテの話題です。連想ゲームのようにいろいろなテーマがつながって広がっていくのがヨコ。ひとつのテーマを深く掘り下げるのがタテです。

相手がおしゃべりなら、ヨコ方向へ話題を広げるのは簡単です。「最近どうよ」的なざっくりとした質問でも、自分が興味を持っている最近のことを話し出すでしょう。そう簡単にいかないのは、無口なタイプ。

無口なタイプ(もしくは思春期の子供など)に、「最近どうよ」とざっくりとした質問をしても、その質問は空を舞うばかり。「別に」「普通」で返されて終了です。そんな相手にはまず相手に負担のない、手近な近況を語るなどしてもらいましょう。

自分自身のことを語ってもらうより、友人の話などを振る方が負担はなさそうです。「最近うちに来てないけど、○○ちゃん、元気?」。

はまっている趣味など相手にくわしいことがあるのなら、素朴な疑問をぶつけてもいいでしょう(ただし思春期相手には的外れな質問攻めは逆効果なのでご注意を)。

適当にヨコに話を広げていって、相手がくいつくようなテーマがあれば、それをタテに掘り下げるのです。ここでも有効なフレーズが「例えば」「具体的に」です。

要は、面白く聞けるかどうかです。無口な人からぺらぺら話しだすようになったらあなたの聞く力は上級だといってもいいでしょう。

話を聞くときには、タテとヨコを使いこなす。

聞くことを連鎖させるには

「話を聞く」ことについてお話をしてきました。あなたは人の話を聞いていますか。さらに、自分の話をじっくり聞いてくれる人はいますか。あなたが子供の話を聞かないと、子供も人の話を聞かなくなります。

人の話の聞けない娘は、成長して結婚したら、その子どもの話も聞きませんし、人の話の聞けない息子もまた、その妻の話も聞かないでしょう。

まずはあなたが周りの人の話を聞きましょう。そうすると、なぜかあなたの話を周りが聞いてくれるようになり家庭でのコミュニケーションが活発となることと思います。

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