近頃ニュースなどで「発達障害」という言葉をよく耳にしませんか?「人間関係をうまく結べない」とか「場を読めないで自分勝手に行動する」などという特徴ばかり取り上げて、「発達障害」が悪いことのように思われている方もいらっしゃると思います。
またそんな情報から「もしかしてウチの子も?」と不安に思っている方もいらっしゃいませんか?ここで簡単にですが「発達障害」とはどういうものなのか考えてみることにしましょう。
「発達障害」は、一般的には「広汎性発達障害」のことを指します。社会性に関する部分で問題があるものです。長いので、ここでは「発達障害」と書くことにします。
特徴としてあげられるのは
発達障害の方の多くは相手の気持ちを読み取るのが苦手です、というよりもわからないのです。相手の立場でものを考えることが苦手です。
また社交辞令は発達障害の方には伝わりません、言葉の意味をそのまま受け取ります。なので誤解を招くことが多いです。
相手と視線を合わせない、その場の状況にあった会話ができないなどがあげられます。
先に述べたように「相手の気持ちを読みとるのが苦手」と同様、「相手の表情を読み取るのが苦手」なので、相手が怒っていてもふざけた反応をしてさらに怒らせたり、悲しそうな時に笑い話をしたりします。
また自分の発言で相手がどう思うかと考えるのも苦手なので、喧嘩になることも多いです。
行動の順番、物の置き場所など強いこだわりを示すこともあります。
視覚、聴覚、触覚などに感覚過敏を生じ、そこから問題行動につながるケースも多いです。
他の人には問題ない音でも、聴覚過敏の人には大音量だったり、全く異質な音に聞こえパニックを引き起こすことがあります。
この他にも沢山の特徴があり、ひとくくりに「発達障害とは○○だ」とは言い切ることは出来ません。
詳しいことはわかっていませんが、先天性のものであるようです。
躾けの問題と悩んでいた保護者の方で「発達障害と診断されて、自分の育て方が悪いわけではなかったんだと、気持ちが楽になった」とおっしゃる方もいます。
ただし、成長過程での対応次第で問題行動が増加することもあるので、全く無関係とは言えません。
治りません、というよりも生まれ持っての性質なので治すというよりも改善するものです。
成長するにつれて改善する部分もありますが、大切なのは早いうちに苦手分野を見つけ出し、それを他の分野でフォローするように療育していくことです。
本人に出来るだけ苦手意識を持たせずに、成長させていくことが大切です。
早いうちに療育を始めたほうが本人にとっても家族にとってもプラスになります。
先にも述べましたが「療育」は「苦手な部分を得意な部分で補う」ことです。苦手な部分を改善するにはものすごく努力が必要です。
たとえば、足が不自由な人が杖をついて歩けるようにするように、発達障害の人も補助することで生活しやすくさせるのです。
そして自分自身で苦手分野を意識することが大事です、そうすれば自らフォローする方法を身につけたり、周囲のフォローを素直に受け入れられるので、より過ごしやすくなるのです。
「障害」という言葉のせいでしょうか、なかなか認めづらい方もいらっしゃるのですが、「発達障害は苦手な部分と得意な部分の差が他の人よりも大きいという特性です」とおっしゃる先生もいらっしゃいます。
これは専門家の元でテストを受けるとはっきりとわかります。その子の特性、キャラクターとして考えてみると受け入れやすいのではないでしょうか。
「発達障害」は問題児だと誤解されやすいのですが、きちんと対応すれば大きな問題を起こすことなく、本人にも「自分自身に対しての負のイメージ」を持たずに成長していけることでしょう。