妻や夫の借金が発覚した際に、配偶者の立場で気になるのが、「今後自分の生活にどういった影響が出るのか?」という点です。返済義務が発生するのかどうか、不安に思う方もいるでしょう。
妻や夫の立場で借金を作りやすい原因や、ご自身への影響について、正しい知識を身に着けておくことが大切です。後悔のない選択をするため、ぜひ今回紹介する情報も役立ててみてください。
世の中には、配偶者に内緒で借金を重ねてしまう夫や妻も少なくありません。ひょんなことから夫の借金・妻の借金が明らかになったとき、「自分に返済義務があるのか?」が気になるところです。
個人の借金は、基本的に本人だけのもの。つまり、たとえ夫や妻が借りたお金を返せなくても、家族のもとに取り立てが来ることはありません。たとえ裁判になったとしても、「夫や妻の個人的問題」と捉えて大丈夫です。
また夫や妻が配偶者に内緒で借金を重ねている場合、返済しきれないほど膨れ上がった段階で、状況がバレるケースも多いもの。この場合、借金をした本人の債務整理も視野に入れて行動することになるでしょう。
ただし、借金返済義務については例外もあります。以下の3つのケースでは、配偶者側にも返済義務が発生するので注意しましょう。
夫や妻単独ではお金を借りられない場合に、配偶者が保証人・連帯保証人となって契約を進めるケースもあります。この場合、保証人である配偶者には、返済義務が生じてしまいます。
たとえ借金をした本人が債務整理をしても、その分の請求は保証人のもとへやってくるでしょう。配偶者の経済状況も踏まえて、手続きを進めていく必要があります。
家族として一緒に生活していくために必要なお金は、夫婦2人で共同で負担するべきでしょう。どちらか一方が生活費を借金で賄っていた場合、日常家事債務であれば、配偶者側にも返済義務が発生します。たとえ借金の存在を知らなかったとしてもです。
実際に借金が日常家事債務に当たるのかどうかは、個々の状況を確認して判断されます。
近年、ネット上の手続きで増えているのが、「知らない内に夫や妻が、自分の名義を使って借入していた」というケースです。
たとえば専業主婦の妻が夫に内緒で借入をしたい場合、妻本人の名義では、十分な借入ができない可能性も。この場合、夫の身分証明書を使って、ローン契約を結んでしまうケースがあります。
借金をしているのは妻ですが、形式的な契約者は夫になります。請求は夫のもとに届きますし、返済が滞れば取り立てを受けることになるでしょう。
配偶者の借金は、ひょんなことから発覚するケースも多いよう。寝耳に水の出来事に唖然とする気持ちもわかりますが、まずは冷静に、以下の5つの行動を心掛けてみてください。
夫や妻が自分に内緒で借金をしていたら、まずはその全貌を明らかにしましょう。借入先や総借入額、現在の返済状況や契約利率については、特に重要な情報です。漏れなくしっかりと確認してください。
また、借金の理由も明らかにしておきましょう。借金の状況と本人の証言から、納得できる理由があるかどうか、確認します。今後の方針を検討する上で、重要なヒントになるでしょう。
配偶者に内緒で借金をし、返済が厳しくなれば個人信用情報機関に事故情報が登録されている可能性も。各機関から信用情報を取り寄せ、ブラック状態に陥っていないかどうか確認します。
ローン契約を結ぶ際に、家や土地を担保に設定しているケースもあります。借金返済が滞れば、最悪の場合、没収されてしまう可能性も。生活の基盤を守るためにも、ぜひ早めにチェックしておいてください。
借金について大方明らかになったら、今後どうするかを検討しましょう。夫婦として借金問題を乗り越えるなら、返済計画を立てる必要があります。状況に応じて、債務整理の手続きもスタートしてください。
一方で、相手への信頼がゼロになれば、離婚を決断するのも一つの方法です。自分に返済義務がないことを確認した上で、離婚の手続きを進めていきましょう。
配偶者に内緒の借金がバレたとき、嘘の言い訳でなんとかその場を切り抜けようとする方も少なくありません。しかし借金問題や夫婦問題を解決するためには、借金をした理由も含めて、その全貌を正確に把握する必要があるでしょう。
ほとんどのケースで配偶者側に返済義務は生じませんが、一部注意しなければならない事例も存在しています。しっかりと夫婦で話し合った上で、専門家の手も適切に借りてみてください。