熟年離婚は避けられない?夫の「ねぎらい」がないときに試す極意

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熟年離婚の理由のメインとも言える、妻の働きへの夫のねぎらいの言葉のなさ。どうしたら夫からねぎらいの言葉を引き出せるかを、お互いの考え方の誤差を正すことをポイントに提示します。

厚生年金・共済年金の年金分割制度が開始され、離婚した妻も年金を半分受け取れるようになってから熟年離婚が増えた昨今、だいたい熟年離婚を切り出すのは妻からなのだそうです。

妻の側に、夫への不満はいろいろあるかと思いますが、一番大きいのは、妻の働きについて、夫の理解がないことではないでしょうか。

「妻が家事育児をやってあたり前」「家事や育児など、男が外に出て働くことに比べればたいしたことではない」という夫側の気持ちが生活のはしばしに現れることで、妻は毎日毎日夫への失望を重ねていきます。

さらに、妻が夫への不満を、夫にも理解できるように口にすることはほとんどないので、熟年離婚を妻がきりだしたときに、はじめて夫が妻の気持ちに気が付く(しかし時すでに遅し)、というパターンがあまりにも多いようです。

もしすでに夫に見切りをつけて、熟年離婚をしようと考えている人がいるのなら、一度でもいいので夫から「ねぎらいの言葉」を引き出すチャレンジをしてみませんか。

もし夫があなたの働きを認めて、感謝の気持ちを表してくれたら、かなり妻側の溜飲が下がり、離婚しようという気持ちもトーンダウンするのではないでしょうか。

妻は夫に何を求めている?

日頃、家事や育児や自分の仕事に奮闘している妻が、夫に対して何を求めているのか。それは、「頑張っている私を認めてほしい」ということですよね。

例えば、ご近所さんとのことで、ちょっとしたトラブルがあって、夫に愚痴を言ったとします。実際に夫に登場してもらってご近所さんに対応してもらうなどして、具体的に解決してほしい場合もあるかもしれません。

しかし、日頃のちょっとした愚痴を話した時に、夫から一番聞きたい言葉は、「頑張ってるな」「君のおかげで助かっているよ。ありがとう」というようなねぎらいの言葉ではないでしょうか。

とはいえ、一般的に、仕事に疲れている夫は妻の愚痴を聞きたくないもの。夫側はなんとかして妻の愚痴をさっさと切り上げることをもくろんでいます。

なので、最初から「そんなことはたいしたことではない」と切り捨てて妻の愚痴を終了させるか、もしくは解決策をアドバイスして話を切り上げようとするか、もしくはテレビを見ながら妻の愚痴には生返事するかのどれかになることでしょう。

夫からそんな気のない対応をされるたとき妻はどう感じるでしょうか。「この人は、私の気持ちをわかってくれない。普段どれだけ私が頑張っているかをわかろうともしない」と不信感をつのらせることでしょう。

はたまた、共働きの夫婦で、夫より少し帰宅のタイミングが早い妻が日常的に夕食の準備をしているとします。準備できた夕食を何のコメントも、もちろん感謝の言葉もなく、もくもくと食べるだけの夫。

「おいしい?」と聞いても「ああ」とか「うん」など的を得ないことを言うだけ…。これらのエピソードとともに、妻は「夫は自分の頑張りをわからない人」という認識を強化していきます。

妻が夫に求めているのは、「夫が妻の頑張りを認めること」。

女性と男性のコミュニケーション方法の違い

夫はなぜあんなにも感謝の言葉を示さないのでしょうか。ねぎらいの言葉を夫から引き出すために、男女のコミュニケーション方法の違いについて以下のポイントに着目していきましょう。

  • 女の会話のわかりにくさ
  • 男の勝負思考

夫にはわかりにくい妻の会話スタイル

男性からすると女性のコミュニケーション方法はわかりにくいものです。例えば、腕によりをかけて作った料理、たまに褒めてほしいというとき、どういう風に夫にアプローチしますか。

「今日、いつもと違う調味料使ってみたんだけど。どうかな。」

「このシチューね、『昨日から』煮込んだんだよ。」

妻は料理に工夫している自分、時間をかけて頑張っている自分を褒めてほしくて夫に水を向けますが、夫には妻の意図はわかりません。こんな返事すらする夫もいることでしょう。「うーん。いつもの調味料の方がいいな。」「昨日から煮込んだ割には普通だね。」

まずは、まわりくどいアプローチで夫から望む言葉はひきだせないことを理解しましょう。

なかなか夫からねぎらいの言葉がひきだせないなら、妻側が女性ならではまわりくどいコミュニケーション方法を採用している可能性があります。

男の勝負思考

例えば、頑張りを認めてほしい気持ちもあいまって、妻が「私は掃除もやってる、料理も作ってる。子どもの世話だって私がメイン。なのにあなたはゴミ出ししかしない。」という論法で夫に家事分担を訴えたとします。

ところで、この方法で夫がすんなり「うん」と言ってくれたことはありますか。だいたい夫は次のように言います。

「そんなこと言ったって、俺だってこのまえ皿を洗った(妻が休日に外出した3週間前、妻が作り置いた料理を食べ終わった皿を洗った)。」

「俺だって風呂掃除している(妻の体調が悪いのを知っていながら、『風呂に入りたい』と言った夫に『悪いけど自分で浴槽を洗って入ってくれないか』と妻が夫に頼んだ1ヵ月前の話)。」

妻の側からしたら、なぜそんなに貧弱なカードで戦おうとするのかさっぱりわからなくても、夫は果敢に応戦しようとしてきます。男性の思考の軸は勝ち負けです。

妻は家事分担してほしいという気持ち、普段の頑張りを認めてほしいという気持ちで話を始めたとしても、夫は「勝負を挑まれた」と勘違いしてなんとしても勝たなければならないというスイッチが入ってしまうのです。

ですので、夫は、いかに不利な手札だとしても、妻相手に一生懸命戦います。夫相手に勝負形式の会話をなげかけると、一生ねぎらいの言葉はひきだせません。

男性に「私はあれもこれもやっている。なのにあなたはやっていない。」式の、「勝負」を連想させる会話をしかける限り、夫から絶対にねぎらいの言葉は引き出せません。

夫の幻想を打ち破れ!

夫は妻とは違う幻想の中に生きています。幻想を打ち破らない限り、心からのねぎらいは出てこないと思ってよいでしょう。

当たり前思考のロックをはずす

男女雇用機会均等法が制定されて30年がたとうとしています。女性の働き方は多様化して、それにつれて女性の考え方も変化しています。しかし、働き方について、男性の考え方は30年前とくらべてたいして変化していないのが現実です。

すなわち「女が家にいて育児や家事をして夫をフォローするのが当たり前」「女が働いていたとしても、女が育児家事をするのが当たり前」というような従来の考え方を変化させている男性は少数派だということです。

女が家事育児をして当たり前と考えている人物から、家事育児についてのねぎらいの言葉をひきだすのはかなり難しいことですよね。なんてったって、「当たり前」のことなのですから。

その人の義務でもない道端のゴミ拾いをしている人にはねぎらいの言葉をかけても、呼吸をしたり顔を洗ったりする誰かに、「呼吸してえらいね」「顔を洗ってくれてありがとう」などと、いちいちねぎらいの言葉をかける人などいません。

夫の「女が家事育児をするもの」という当たり前思考のロックをはずさない限り、夫から自然にねぎらいの言葉が出てくる可能性はごくごく低いのです。

では、当たり前思考のロックがはずれるときはどんなときでしょうか。それは、妻が入院する、離婚するなど、妻の手がないと現実的に家庭生活がまわっていかないことを夫が体感するときです。

「妻の頑張りがあるからこそ、快適な生活がキープできているのだ」と言葉で訴えても理解されるのは難しく、家事や育児の当事者になったときに夫は、はじめて妻の労力がわかるのです。

しかし、入院や離婚は非常事態です。もし熟年離婚を考えているのなら、そのまえに、しばらく実家に長期滞在したり、長期旅行に出たりして、家を空けるのもひとつの手です。

もしかすると、夫は、家の中は自動的にきれいになるものであり、食事も自動的に出てくるものだと思い込んでいるのかもしれません。

妻が家を空けることによって、家がきれいになるのも食事が出てくるのも、妻がやってくれていたからこそである、ということに気づくわけです。とはいえ、夫も簡単には引き下がらないでしょう。

妻が家事をやるべきだから、早く帰ってこいと旅行中の妻にガンガン電話をかけてくる、帰ってからも早くたまった家事をやれと機嫌悪く言い放つ夫もいるでしょう。そこは、夫の要求や圧力に屈さず、家をたびたび空け続けるという妻の努力も必要です。

妻が長期間家を空け、家事育児の労力を夫に体感させる。

言わなくてもわかるだろという問題

日本の男性は、妻からすると到底受け入れられない美徳を持っています。「妻への感謝の気持ちは言わなくてもわかるものだ」という美徳です。

感謝を言葉にするのも恥ずかしいし、言わないとわからない妻の方の察知能力が低い方がおかしいというような理屈から来る美徳です。男性同士では、「言わなくても通じる」ことが格好いいとされています。

ところが、「感謝の気持ちは、言わなくてもわかるだろ」という美徳を持っているはずの男性が、自分が少し家事をやっただけで家族に無邪気に褒めてほしいアピールをしますよね。「なっ、このカレー俺が作ったんだぞ。なっ?どうだ?うまいだろ?どうだ?どうだ?」

うまくもまずくもないカレーへの評価を求められ家族は辟易するわけですが、本人は本気で自分が褒められることを求めます。ならば、この男性ならではの性質を逆手にとりましょう。

夫が仕事を終えて帰宅します。

妻:お疲れ様(夫にビールを注ぎながら)。今日ね、私、仕事してすっごい疲れてたのに、帰ってすぐ休憩もしないでトンカツ揚げたし、お風呂の掃除もしたのよ。えらいと思わない?

夫:おっおう…。

妻:はい(夫にコップを差し出して自分のビールを要求する)。ありがとうは?

夫:うん…。ありがとう…。

妻:今日頑張った二人にかんぱーい!

夫:かっかんぱい…。

こうして家事の内容を具体的に、かつ、可愛らしく夫にアピールして、ねぎらいの言葉を要求しましょう。自分は女優なのだと割り切って演じて下さい。毎日続けると、妻は頑張っているんだと言うことがだんだん夫にインプットされていきます。

夫には、可愛らしく具体的に家事の内容を伝えて、ダイレクトにねぎらいの言葉を要求する。

ねぎらいの言葉を引き出すゲーム?

熟年離婚一直線になるまえに、夫からねぎらいの言葉をひきだす方法をご提案しました。ねぎらいの言葉がない原因をいくつか挙げましたが、妻も意外と夫のことをわかっていないのかもしれません。

熟年離婚をもくろむくらい夫が嫌いなのかもしれませんが、意外とその根拠は妻の側の夫への理解不足から発生しているという可能性もあるわけです。

どうせ離婚を考えているのなら、提案したねぎらいの言葉を引き出す方法を試してみませんか。ゲームだと思ってチャレンジしても損はないと思いますよ。

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