夫が子どもっぽいことに限界!離婚の前に試す「夫育て」とは?

夫が子どもっぽいことに限界!離婚の前に試す「夫育て」とは?のイメージ画像

世の中には、結婚後、夫のあまりの子どもっぽさに愕然とする妻がたくさんいます。妻が髪をふりみだして、家事に育児にとっくみあているかたわらで、ぼーっと平気でテレビを見る夫。

高熱を出した妻に「ごはんまだ?」と言い放つ夫。夫はこんなに子どもっぽかったのかと愕然としても時すでに遅し。結婚して子どもいればリセットは難しいですよね。

しかし、このまま夫が変わらないことを思うと暗澹たる気分になり、離婚のふた文字が頭をよぎるのも無理もないわけです。ここは、一度、気持ちを切り替えて「夫育て」に着手してみませんか。

夫は子どもっぽいのではない?

夫を育てる気になったのなら、徹底的に頭に入れておくべきことがあります。それは「夫は子どもっぽいのではない。『子ども』なのだ」ということです。夫を大人だと思っているから子どもっぽさに失望するのです。

期待があるのは失望があるから。最初から夫のことを精神年齢通りの等身大で把握しているのなら、愕然とすることも失望することもありません。もう一度言います。夫は子どもです。小学生か中学生くらいをイメージしてださい。

  • 言われないとわからない。
  • 言わないとやらない。
  • 言ってもやらない。

上は、小学生や中学生の子どもを持つ親が子どもに対するありがちな悩みです。どこかで似たようなことありませんか。そう、夫も同じですね。

では、夫が子どもなのだとしたら、どうやって大人になるよう育てていけばいいのでしょうか。これから実際の子どもが自立するまでにどういう経路をたどるのか見てみましょう。

夫を育てるために必要な過程とは?

子どもが大人へと発達するには以下のような過程をたどります。夫が「子ども」なのだとしたら、以下のような過程をたどらせて育てていかなければ、夫は妻の望むような大人にはなりません。

周りの人間との信頼関係の構築→自立→適応

人はまずなにがなんでも「自分が愛されている、必要とされている」と感じ、周りを信用するところからでないと成長へと至ることはできません。それらの素地ができたうえで、主体性を持って行動し、社会に適応できるようになっていくのです。

自分のことを大人だと把握しているのだとしたら、あなたの周りの大人たちが上のような過程を経る形であなたのことを、きちんと育ててくれたと言うことです。以下、信頼関係の構築、自立、適応の各段階について詳しく見ていきましょう。

夫育ての第一段階:信頼関係の構築

「信頼→自立→適応」という夫育ての道のりの第一段階が「信頼関係の構築」です。何をしたら夫育てのための信頼関係の構築が可能になるのでしょうか。

信頼関係を阻害する要素とは

子どもを大人にしていく過程のなかに、絶対に信頼関係ははずせません。子どもは周りの大人から愛情をそそがれ心理的に安定します。

じぶんは周りから「愛されている。信じてもらっている。関心を持ってもらえる。」と感じることで子どもの気持ちは安定していきます。

つまり、まずは、夫と信頼関係を構築することが肝心なのです。夫と信頼関係が成り立っているという自信はありますか。例えば、普段の会話で、以下のような要素を含むやりとりがあると夫と信頼関係を結ぶことが難しくなります。

【信頼関係の構築を阻害する会話の要素】

叱責・注意・命令・説教・比較・干渉・過保護・過度の期待・非難・脅迫・詰問・皮肉・評価・放任・無視・過去

夫を責めていませんか。夫と友人の夫の甲斐性を比較していませんか。「給料が少ない」と言って夫を非難していませんか。仕事が遅くなった夫に詰問していませんか。過去の夫の失敗を持ちだして説教をしていませんか…。

上にあてはまるコミュニケーション方法は、信頼関係をなくすものです。夫が子どもっぽいことに失望したとき、つい上の要素をもつコミュニケーションをとってしまいますよね。

しかし、それが信頼関係の構築を阻害し、さらに夫の成長の芽をくじくという悪循環に陥っている可能性があります。

自己受容と他己受容

家事や育児などで夫からの協力が得られない、夫から妻への尊敬の念をもって扱われていないなどと妻が感じるならば、夫は「You’re OK」の観念を持ち合わせていない人なのかもしれません。

先も述べたとおり、子どもは周りの大人から愛情を注がれ信頼関係を構築していきますが、その元は「I’m OK」、つまり自己受容から始まるのです。「I’m OK」が十分になされていないと「You’re OK」の段階へ進めません。夫の自己受容は十分か見極めましょう。

例えば、親から出来のいい兄弟と比べ続けられて育った。能力以上の学力や成果を求められていた。つねに「おまえはダメだ」「それくらいで調子にのるな」などと厳しくしつけられた。

などなど、ただただ厳しいだけで本人の望むような愛情や信頼感を周りの大人から得られなかった場合、夫の「I’m OK」が十分ではない可能性があります。

もし夫育てにきちんと取り組みたいのなら、夫に「大丈夫」「頑張っているね」「あなたはすごいね」などと声かけをし、精神的に夫をフォローして「I’m OK」が満タンになるよう仕向けて行くことから始める必要があるのです。

自己受容ができていない人は他己受容ができない。

信頼できないなら「理解」する

そうはいっても、夫のあまりの子どもっぽさ、自己中心的な態度に、どうしても夫を信頼できないということもあるでしょう。そういう場合は夫を「理解」するように努めましょう。

夫の話や考え方、行動を信頼できなくても、とりあえず夫の言い分や考え方、行動の根拠を「聞く」のです。例えば家事を頼んだのに夫がゲームに熱中し、まったく頼んでいたことをやらなかったとします。

こういう事態ではつい先に紹介した、信頼をそこねる会話の要素が登場しがちです。すなわち、「叱責・注意・命令・説教・非難・詰問」などなどです。

しかし夫育てをするのなら、それらの要素を会話に取り込むのは、ぐっとこらえて、ともかく「聞く」ことに徹しましょう。夫の言い分にまったく共感できなくてもかまいません。

ともかく「叱責・注意・命令・説教・非難・詰問etc.」は繰り出さないでください。夫は「子ども」です。大人であればできることを期待することが間違っています。まったく共感できない夫の言い分も、聞くだけ聞いたら夫に返してあげましょう。

「言いたいことはわかった。でも、頼んだことをやってくれなかったことについて、私は残念に思う。」こう返して、あとは夫が自分の頭で考えるようにするのです。

夫が家事をしないのは妻の問題ではありません。夫の問題です。「残念だ」というコメントを出すことで夫の問題は夫に返してあげましょう。

夫育ての第二段階:主体性を持たせて夫を自立させよう

自己受容ができ、周りとの信頼関係ができ本人の情緒が安定してくると、次の段階である「自立」の過程へと進みます。

自分のことを自分でしようとしない夫

子どもは、自分の意見を主張し、自分のことは自分で決定するといった主体性が出てきます。一方、夫はどうでしょうか。自分の頭で考えたらすぐにわかるようなことでも妻に丸投げしてくる夫に失望していませんか。

これは夫の主体性のなさの問題ですよね。一般的に男性は、家庭における自分の立ち位置を「世話してもらう側」として認識しています。

女の子なら子どものころから、家事の手伝いを要求され、少しくらいの家事ができないと嫁に行けないなどと脅されもして、「いつまでも世話してもらう側にいすわることはできない」という心の準備を進めていきます。

しかし、母親が身の回りの世話を一手に引き受け、本人も自分は世話をされる側の人間だということがあたりまえとして育ってきた男性が、結婚したら世話をする側にまわるという自覚をもつでしょうか。

夫が主体性を持ちだしたら

夫が主体性を持ちだすのは妻にとって喜ばしいことではありますが、一方で困る事態もでてきます。チャレンジすると言うことはかならずしも成功があるばかりではありません。

そんなときにもNGパターンである「叱責・注意・命令・説教・非難・詰問etc.」を持ちこんではいけないのは前述のとおりです。夫の学習の機会を奪わないということも夫育てのポイントです。

ところで、子どもが伸びるために必要な周りの大人のフォローとはどんなものでしょう。

  • できたら褒める。
  • できだしたら褒める回数を減らし、課題のレベルをあげ、他に褒めることを決める。
  • 叱るのは命の危険、人権侵害、法を犯すようなとき、家族を危険にさらすときに限る。
  • それ以外で叱るようなことが出てきたら叱らずに無視。ただし、よい変化が出たらそこで褒める。

夫育てに参考にしてください。

夫育ての最終段階:自分を律し自己コントロールする「適応」

信頼関係の構築、自立という過程を経て「適応」という段階が訪れます。自己受容ができ、主体性が出て来てやっと妻の求めるもの(=適応)が出てくるのです。

夫をロボットにしたい?

ここで注意しなければならないのは、「信頼→自立」の過程を経ないと、適応の段階に入らないということです。

つまり、妻が精神年齢の低い夫に対していきなり大人になってほしいと願うことは「信頼→自立」の過程をすっとばして適応の段階へと至ってほしいと願うのと同じであるということです。

「信頼→自立」を経ずにいきなり妻の思い通りの大人になるのは、妻のいいなりになるロボットを育てるのと同じようなことです。

目の前の情けない夫には、「つい今すぐ大人になって!」と切望する気持ちもわかりますが、無理強いすると逆効果になることを頭に入れておきましょう。

夫の自己管理能力

例えば食生活を、夫のやりたいようにやらせると、「揚げものばかり食べて野菜を食べない」「ろくに食事もせずにジャンクフードばかり食べる」ということはありませんか。「適応」とは自分を律し自己コントロールして社会に合わせることです。

家庭もひとつの社会とするならば、夫は家庭に合わせて自分を律し自己コントロールし妻と協力して家庭運営するということが望まれるわけです。少なくとも妻はそう望んでいます。適応はすなわち「社会性」「協調性」「耐える力」の力のことです。

ここでもまた、NGパターンの「叱責・注意・命令・説教・非難・詰問etc.」を控え、先に紹介した子どもを伸ばす学習の要領で夫を褒めて伸ばしていくことが必要です。

「健康のためにも野菜を食べようね」「子どもの教育資金を貯めるためにムダ使いはよそうね」などなどが、夫にとっての適応力の課題でしょうか。

妻からするといちいち言うまでもないあたりまえのことですが、これらもきちんと目標を設定してできたら褒めるという順序をふまなければ、子どもである夫には難しいことなのです。

恐怖の悪循環に陥ると夫育てに失敗する?

夫の精神年齢が低いと、妻側のコミュニケーションは、ついNGパターンである「叱責・注意・命令・説教・非難・詰問etc.」に陥ってしまいます。では、これらを要素とする会話を妻がするとどうなるか夫側の視点から見て見ましょう。

夫やらかす→妻に叱られる→信頼関係が崩れる→自己受容できない→情緒不安定→やる気が起こらない→ストレス→問題行動→叱られる…。

悪循環です。くれぐれもNGパターンの危険性を頭に入れておきましょう。

妻は母ではない

以上、「信頼→自立→適応」という過程を経て進める「夫育て」を見てきました。人が一人、大人へと成長するにはこれだけの過程を経ねばならないのです。

妻が夫の子どもっぽさに辟易しているとするのなら、夫の周りにいた大人たちが、夫に対して大人になるにあたって必要な手間をかけることをしなかったということです。母親ならこれだけの手間をかけることを無償でできるかもしれません。

しかし妻は母ではありません。夫を育てて一人前にしたいと思っても、何もかも受け入れられるわけではなく限界があるのも事実です。それに負担がかかりすぎた妻が崩れてしまったらそれこそ意味がありません。

夫が大人へと育つには長い時間が必要です。離婚の覚悟をするのか、夫育ての覚悟をするのか、どちらも大変なことですが、吟味して選択してもらえたらと思います。

合わせて読みたい

ページ先頭に戻る