意気揚々と入った会社。新人の頃は期待で胸がドキドキしていたはずなのに、時間が経つにつれ、嫌なところばかり目につくように…。特に、職場の人間関係に悩む女性は多く、「尊敬できる先輩がいない」という悩みはよく耳にします。尊敬できる憧れの先輩がいれば、その会社での将来のビジョンが見えるし、刺激を受けて自分も成長できるのに…。そんな風に考えていませんか?
この記事では、そんな職場の悩みを抱える女性に向けたアドバイスや気を付けるべき点をご紹介していきます。せっかく入った会社。簡単に投げ出したりしないよう、まずは記事を読んで自分の心を整理してみてくださいね。
職場の先輩にはもちろん、そもそも世界中どこを探しても、完璧な人間は存在しません。人は誰でも欠点があり、それがたまたま、あなたにとって許容範囲であれば「良い人」となり、許容範囲でなければ「悪い人」「変な人」「劣っている人」という認識になってしまうのです。
あなたにとっては「尊敬できない先輩」が、もしかしたら他の誰かにとっては「尊敬して止まない素晴らしい人物」かもしれません。人は見方によって、よくも悪くもなるのです。まずそこを理解しておきましょう。
先ほど、「人は誰でも欠点がある」と言いましたが、裏を返せば「人は誰でもひとつは長所がある」ということです。あなたの職場の先輩、全体としては尊敬できない人物であっても「ここだけはすごいな」と思うところ、ひとつはありませんか?
例えば、仕事はいい加減でミスばっかりだけど、「空気を盛り上げるのは上手」とか。鈍くさくて空気が読めないけど、「決して人の悪口を言わない」とか。向上心がなくてネガティブだけど、「真面目」とか。ぶりっ子で人によって態度を変えるけど「センスがよくておしゃれ」とか。仕事に関係なくてもOK。尊敬するところなんてどこでもいいのです。少し考えてみてください。
尊敬できない、嫌い、というマイナスの気持ちを持っていると、相手の良いところが見えなくなってしまいます。もし「ひとつもない」と思うならば、それはあなたの視野が曇っているということ。「ない」のではなく、「見ようとしていない」のです。そんな自分を認識し、再度考えてみましょう。
それぞれの先輩の長所を見つけたら、その長所をあなたの目標にしてみましょう。○○先輩よりも真面目に、△△先輩よりも空気を読んで、××先輩よりミスを少なく、●●先輩よりもおしゃれでかわいく…、というような感じです。その壁が高ければ高いほど、先輩への尊敬も感じやすくなります。
ただし、もしそれらの目標を超えられたとしても、イコールあなたが先輩を超えたということではないので注意しましょう。あくまで「あなたが見つけることができた長所」を超えただけですからね。他の人が見たら、もっともっとたくさんの長所が出てくるかもしれません。
「尊敬できない」を通り越して「嫌い」な先輩もいるかもしれません。これは人間ですから仕方がないこと。特に仕事の関係が深くないのであれば、そのままでも別に問題はありません。ですが、もし指導担当だったり、企画のパートナーだったりなど、蜜に仕事をする間柄の場合はなるべく感情を修正しておきたいところ。
そんな時は、なるべくたくさん話をしてみましょう。飲みに行くのでもよし、ランチを一緒にするのでもよし。仕事以外の話ができる時間をできる限り設けてみましょう。「なぜ嫌いな先輩とプライベートを過ごさなきゃいけないんだ…」と思うでしょうが、これもあなたのためなのです。
たくさん話をすれば、人間必ず多少は情が移ります。情が移ればほんのひとつでも良いところが見えてくるもの。そうすれば後はラクです。「嫌い」が「好き」になるのは難しいにしても、「まあ、あの人もいいところはあるから」くらいに思えるようになれれば、上出来。マイナスの感情が緩和されれば、毎日の仕事がとてもやりやすくなりますよ。
さて、次はもう少し視野を大きくしてみましょう。今、あなたは、あなたの仕事と関わりのある人にだけ目を向けていませんか?会社にはとてもたくさんの人がいます。支店や事業所が変われば、社風もガラリと変わりますし、正社員・契約社員・派遣社員など、雇用形態によっても、その風習や空気感はまったく違います。
今現在、あなたの周りに尊敬できる先輩がいないのであれば、他の部署や支店の先輩にたくさん会ってみましょう。会社の交流会や部活動などに積極的に参加すれば、たくさんの先輩に出会えますよ。そうした中で、尊敬できる先輩を見つけられればよし。見つけられなくても、多くの刺激を受けることができるはずです。
視野を広げることは、あなたの将来のビジョンを考えるのにとても役立ちます。「○○部署の仕事はやりがいがあって面白そうだから、そっちの仕事に就くためにスキルを磨こう」とか「この会社の育児サポートを確立した女の先輩がいるんだ。会って話を聞いてみたい」とか。今までは考えもつかなかった新しい目標ができるかもしれません。
それでは、たくさんの刺激を受けたところでいったん原点に返ってみましょう。あなたはどういう先輩なら尊敬できると思いますか?あなたが理想とする先輩象を考えてみてください。「仕事ができて、後輩にやさしく、包容力があって、上司との仲介がうまく、場を和ませるのが上手で、いつも笑顔で、おしゃれで、センスがよくて…」みたいな感じです。とにかく具体的に考えてみましょう。
理想の先輩象が固まったら、次は自分がその先輩象に近づくための努力をしましょう。周りに人がいないと嘆くより、よっぽど建設的です。これから続々と入ってくる新しい後輩たちに「尊敬できる先輩」だと思ってもらえるかは、あなた次第です。すでに目指すべき理想像はあるのですから、あとは努力あるのみですよ。
今の職場に尊敬に値する先輩が本当にいないのならば、それは逆にチャンスともいえるのです。ライバルがいないのですから、あなたが頑張りさえすれば、他の職場に比べて格段に評価されやすいはずです。そう思うと少し頑張ろうという気になりませんか?理想の実現に向けて前向きに努力してみましょう。
いかがでしたでしょうか。入社したら最初から職場に尊敬できる先輩がいる、というのはとてもラッキーなことです。そういう方は自分の幸運に感謝し、職務にまい進すればよいでしょう。ですが、残念ながら大抵の人はそうではないはずです。
それは、本当に環境のせいなのか、本人のせいなのかはわかりません。ですが、大切なのは「そこで嘆いているのではなく、一歩踏み出せるかどうか」ということです。一歩踏み出してみれば、世界はまったく違った景色になるかもしれません。それをせずにすべてを投げ出してしまうのはとてももったいないことです。
あなたの仕事人生を切り開けるのはあなただけです。刺激を受けるために自ら行動し、常に新しい目標を見つけて、毎日を過ごすようにしましょう。あなたの仕事生活が素晴らしいものになるよう、お祈りしております。