日頃から偉そうな夫の「自分は偉い」という内容の発言にうんざりしている妻は世の中に多いことと思います。余裕があれば聞き流せても、さんざん繰り返されるといい加減腹立たしくなってきますよね。
今回は、偉そうな夫の「俺偉い」発言にムカっとしている妻のために、なぜ夫は自分を偉いと言いたがるのかという心理と、最終手段ともいえる極意をお伝えしたいと思います。
偉そうな夫が「自分は偉い、素晴らしい」と口にすることと他人や妻のことをののしることは、セットになっています。ただ単に自分のことをいかにすごいかとだけ語るときもあれば、他人や妻を非難することで相対的に自分はすごいと言いたいとき、両方を同時にくりだしてくるときもあります。
まずは、本当に立派な人は、謙虚ゆえに「俺偉い」という主張は決してしないということを把握しておきましょう。とはいえ、「俺偉い」と発言した瞬間、「俺エラくない」ことを暴露している矛盾を本人は気づいていません。
「俺偉い」と連呼している夫には、「ああ、俺エラくないというアピールをはからずも、してしまっているのだな」と冷静に見てあげて下さい。自分のことを偉いと言う夫が、妻の目から見ても、本当に立派だと思えるなら(少々鼻につくかもしれませんが)、腹が立つということはないのではないでしょうか。
実際は偉くないという事実を一つ、夫の自信のなさを実は妻がかぎ取っていることをもう一つの原因として、「俺偉い」発言に妻がムカっとくるのです。
夫が妻を責めてきた時に言い返しても特に解決にはなりません。それどころか、精神的に弱い夫の場合、自分が妻を責めたことは棚にあげて「責められた」と大騒ぎすることでしょう。
妻や他人を非難することはせず、「俺偉い」でとどまっているのなら許してあげたほうが賢明です。「自分は偉い」ということを夫がアピールするとき、たいていは他人や妻を非難することがセットになっており、むしろ妻を非難するということが妻にとっては深刻な問題になるのです。
「俺偉い」が始まった時、内情を知っている妻としては、どうしても間違いを正したくなりますよね。しかし、前述のとおり、言い返すことは、あまり意味がありません。
そもそも「俺偉い」発言の度が過ぎているということは、実は夫の自信のなさをあらわれであるのです。
自信がないから、人より劣っている部分を常日頃から痛いほど感じているから、そんな自分を認めることがあまりにもコワイので、せめて家のなかだけでも、「俺偉い」ということにしたいのです。
いわば最後のよりどころのような相手である妻から、「あなたはエラくはない」と指摘され、冷静に根拠をつかれたら、「人より劣っている自分」という現実(正確には夫が勝手にそう思い込んでいる現実)をつきつけられ、夫の精神は崩れてしまうかもしれません。
なので、夫が言い返した妻にものすごい勢いで向かってくるのは、精神的に崩れないために必死で自分を守っているからなのです。妻がとるべき対応は、自分を守ろうとして必死になっている夫の肩の力を抜いてあげることです。
剣の達人は刀を抜かずに相手を負かすという話があります。「俺偉い」という不毛な戦いに、いちいち参戦する必要はまったくありません。妻からすると、「俺偉い」というめんどくさい鎧を、誠実な暖かい言葉で夫自ら脱がせてしまえばいいのです。
幾度となく繰り返される「俺偉い」発言を聞く限界がきているなら、いっそのこと、「夫は野良犬」だとみなしましょう。つまりは、人間にひどい目にあわされた過去を持つ、人間のことを信用していない野良犬です。
彼は悪意のない人間が近づこうとしてもキバをむきます。人間とのコミュニケーション方法に、攻撃をして自分の身を守るというパターンしか持ち合わせていないのです。しかし、その野良犬も最初から人間に敵意をもっていたわけではなく、誰かからひどい目にあわされた過去を持つので敵意を持つようになったのです。
誠意をつくせば野良犬はいつか心を開いてくれます。しかし、キャンキャン吠える野良犬に「言い返す」などの方法で攻撃を加えていては、いつまでたっても野良犬が心を開くことはありません。
すなわち、精神的に健康だった妻が、精神を病んでまで夫の心をとかす努力をする必要はないと言うことです。
紹介した極意については、少々乱暴な考え方なのかもしれません。しかし「俺偉い」と主張する夫にも、夫なりの事情があるのです。基本的に夫は「褒められたい」生き物です。ですが、褒められたいがために他人を非難することはまた別の問題ですよね。
「俺偉い」発言で妻をいら立たせている夫は、他人や妻を非難して自分は偉いということを言わんとすることが多いのです。ですので、ここでは、非難は絶対に受け取らないということを軸として、夫の「自分は偉い」発言に対応する方法をお伝えしました。参考にしていただけると幸いです。