母親は子どもが生まれた瞬間から数多くの我慢を要求されます。
たとえば、喫煙をしてはいけない、アルコールを飲んではいけないといったことは「常識」とされ、カフェインを過剰に摂取してはいけないといったことも、赤ちゃんの健康を守るために重要な要素として要求されます。
それでは、赤ちゃんの心理面に関してはどうでしょうか?
昔よく言われていたのが、ちゃんと抱かないと赤ちゃんは健全に育たないというものです。一方で、最近では赤ちゃんをあまりに抱きすぎると「抱き癖」がついてしまい、赤ちゃんが甘えん坊になるという話もあります。
赤ちゃんの身体面だけでも多くの要求をされるのに、赤ちゃんの心理面に関しても色々な面から気遣わなければならないとなると、お母さんたちの精神的健康こそが大変な状態になってしまいます。
そこで、今回は心理学が教える、お母さんが守るべきたった1つの物事についてご紹介します。
心理学から見た時に母親と乳児の関わりにおいて最も重要な点は「健全な愛着が築けているかどうか」です。
それに比べれば、最近流行りの知育などといった育児方法は、まだ乳児の赤ちゃんにとっては比較的重要度が低いといっても過言ではありません。そのため、健全な赤ちゃんを育てる上では、まず第一に赤ちゃんとの健全な愛着を築くことが重要なポイントになってきます。
そして、赤ちゃんと母親の健全な愛着を築く方法は、世界中の育児方法を見ると大きく2つに分かれます。
それは「赤ちゃんを抱く」という方法と「赤ちゃんを見つめて話す」という方法です。これらは、人間だけでなく人間に近いサルの育児でも同様で、重要な育て方だとされています。
ちなみに、赤ちゃんとの愛着を築くために、日本人の多くは前者の「赤ちゃんを抱く」といった手法をとります。
そのため冒頭で述べたように、赤ちゃんの育児においては「抱くか抱かないか」がポイントとして争われるのでしょう。ですが、こうした方法は海外では必ずしもポピュラーとは言えません。
例えば、欧州や欧米では、赤ちゃんをベビーベッドに寝かせて育てることが多いとされています。これは日本人から見れば、「健全な愛着が育たない」育児方法になるわけですが、当然そうやって育てられた子どもたちが健全な愛着を持っていないわけではありません。
その代わり、欧米の育児では「母親が赤ちゃんの目を見て話す」というコミュニケーションが多く見られます。
こうした育児方法は日本人のお母さんにはあまり見られません。なぜなら、抱いて育てるタイプの育児では、子どもの目を見て語りかけるといったコミュニケーションがとりづらいからです。
欧米のお母さんたちは、ベビーベッドに赤ちゃんたちを寝かせる代わりに、赤ちゃんの顔を上からしっかりと覗きこみ、その目を見て微笑みながらコミュニケーションをとるわけです。
日本人が皮膚で会話する代わりに、西洋人は言葉と目と表情で会話するといってもいいかもしれません。
最も重要なポイントは、何をするかではなく、健全な愛着を築けたかどうかなのです。
そして最後になりますが、健全な愛着を築く上で欠かせないのが、お母さん自身が健康でいることです。先ほど西洋人は表情で子どもとコミュニケーションすると言いましたが、赤ちゃんはお母さんの表情を読むことに関しては他の誰にも負けないくらいの達人です。
そのため、お母さんが辛そうな顔をしていると赤ちゃんも安心して日常を過ごすことができなくなってしまいます。ですので、育児においてお母さんにはたくさんの我慢が強いられることもありますが、あまり無理し過ぎないことも重要です。
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