女性はいつもスタイルを気にしているものです。「お腹が出ちゃったかしら?」「太り過ぎかしら?」と鏡をみては、考えます。
まめにチェックしている方も多いでしょう。お出かけの際に洋服に悩み、あれこれ鏡の前であわせているうちに、体のあちこちが気になり始めてしまうこともあります。
でも「お腹がすこし出て来たな」と思っても、「病気かしら?」と考えることはあまりありません。「食べ過ぎかしら?」「運動不足かしら?」と自問自答して、あれこれ対策を考えはじめる人も多いでしょう。
「お腹が出てきたのが悩みです」なんて人にもなかなか相談できませんし、まわりの人も「最近、お腹でてきたんじゃない?」とはなかなかストレートに言えません。
親しいからこそ、本人が気にしていると分かってしまうので、気づかないふりをしてあげたりするのです。
私の場合も、やはり最初はちょっとお腹が気になる程度でした。ふわっとするトップスを着て、カバーをしているつもりでした。
でも、少しずつ下腹部のふくらみは目立つようになってきました。「太っちゃった」と気にする私に、母も友人も何もいいませんでした。
私は、やせなきゃと焦って、なんとスポーツジムに入りました。そこで、ジムの方に「失礼ですが、妊娠されていらっしゃいますか?」と聞かれ、初めて事の重大性に気付いたのです。確かに、私の下腹部の膨らみは、もうそんなに目立つようになっていました。
痛みなどの自覚症状は、あまりありませんでした。でもよく考えたら、お腹はかなり重く感じられ、異常な状態で、まっすぐ仰向けにねることも出来なくなっていました。でも「甘えてはいけない」と妙に頑張っていたように思います。
私は、ようやく病院へ行くことを決心しました。
この時、初めて「卵巣のう腫」という言葉を聞きました。原因は不明ですが、卵巣に水(分泌物)がたまる病気で、ある程度大きくなると摘出しなければならなくなるそうです。
まだ結婚前の大学生でしたから、摘出ときいて、母はショックを受けたのではないでしょうか。でも、自分はまだ実感がなかったせいか、あまり気にはなりませんでした。どちらかというと、もう頑張らなくていい、とちょっとほっとしていました。
摘出物を調べたところ、さいわい良性で、母は「よかった」と喜んでくれました。
その後、彼ができ、なにかの折に手術の話をしました。彼は「大変だったね」といってくれました。「卵巣を摘出した」という話もしましたが、やはりあまり実感がなかったせいか、それについては、特に気にしていないようでした。
ただ摘出したものが大きかったため、手術のきず跡は、当初の予定より、かなり大きく残ってしまいました。もっと早期に発見していれば、それも小さくてすんだ事でしょう。
病気かも?と感じても、女性はつい我慢しがちです。
「はずかしい」という気持ちが出て来たりすると、なかなか人に相談する事もできないものです。病院へ行くのは、さらに面倒。まして、小さい子供がいるとなると、自分のことは後回しになりかねません。