女性に多いバセドウ病、その症状に疑いを持ったら病院へ

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人間は体の機能が正常に働いていないと健康ではないといえます。そしてその正常というのは単に体の機能の働きが不足しているだけでなく、必要以上に機能が働いても同じことといえるのです。

バセドウ病はそんな必要以上に機能を高めてしまう病気といえます。そしてこの病気は男性より女性の方がかかる確率が高い上にまだまだ若い20代の女性にも多いとされています。若い女性の方はもしかしたらこの病気かも、という症状にあったこともあるのではないでしょうか?

病気は放置しても勝手に治るものがありますが、大抵は放置すると危険なものであり、このバセドウ病もその1つです。特にまだ結婚前の女性は理由は後の方で解説しますが、早めに治す努力をした方がいいのです。

ではバセドウ病とは、何故なるのか、そしてどうやって対策をとればいいのでしょうか。

バセドウ病とは?

そもそもバセドウという名称自体異質というより、聞き慣れないものでしょう。それもそのはずでバセドウというのはこの病気を発見した人の名前であり、だからこそバセドウ病と呼ばれているのです。

一方でグレーブスという人が発見したので、海外ではグレーブス病と呼ばれていることもあります。しかし流石にこのままではどういう病気か分からないので、日本で呼ばれている名前で記しますと、甲状腺機能亢進症という病気となります。

名前に入っている甲状腺というのは人間の喉仏の近くに位置するものです。とはいっても普段は本当に目立たないところなので、あまり気にしなかった女性の方も多いでしょう。特に喉仏は女性だと目立たないことも多いのですから。

甲状腺ホルモン

さて、甲状腺が話題に出たということはバセドウ病はこの甲状腺に何かしらの問題が出たということが容易に想像できるでしょう。その通りではあり、甲状腺の機能が正常に機能しないことで、このバセドウ病は起きてしまうのです。

ただ、この正常に機能しないというのは働きが低下しているのではなく、むしろ働きが異常に活発化してしまうという意味です。というのもこの甲状腺は甲状腺ホルモンというものを分泌している存在です。

この甲状腺ホルモンというのは新陳代謝に関わるホルモンであり、このホルモンのお陰で女性に限らず男性でも新陳代謝の機能…ようするに体の機能が活発化して、体内の機能を働かせています。ということはこの甲状腺ホルモン自体は体になくてはならないものということになるわけです。

そして働きが活発化しているということは、この甲状腺ホルモンが必要以上に出ているということになるのです。

異常による症状

ここまで聞くと「甲状腺ホルモンが必要以上に出ても問題ないのでは」と思う方がいるかもしれませんが、甲状腺ホルモンが出るということは新陳代謝が活発になるということです。そしてそれは常に体が活発化しているということにもなります。

そうなると体は休まることがなくなってしまいます。その結果様々な症状が起こってしまうのです。

  • 眼球が飛び出る
  • やたらと疲れやすい
  • 落ち着かない
  • 常に心臓の動きが早い
  • 動悸、息切れがする
  • 運動していないのに汗が多く出る
  • 手足にふるえが出る

上記の症状が出てきた場合にはバセドウ病となっている可能性があります。

放置すると…

病気は放置すると取り返しのつかないことになる場合があります。このバセドウ病の場合には心臓の動きが早いという症状を見れば分かるとおりに常時心臓に大きな負担をかけてしまっているということになります。

ということはそこから心臓に関する病気を発症する可能性があるというのは容易に想像できることでしょう。心臓の病気となれば直接自分の命に関わってくることも容易に想像できるはずです。

また手足のふるえが出るという症状からふるえだけでなく、その内マヒしてしまって動かなくなる時が来るということがあります。その他にも命に関わる他の重い病気を誘発する可能性があるのです。

そして若い女性としてみれば最も恐ろしいのは妊娠に関係することです。というのは新陳代謝が異常に活発化してしまっているということは、その分中の物をとにかく出そうとする気になります。そしてその中の物というのは胎児も例外ではありません。

その結果流産してしまったり、早産してしまうということになってしまいます。更にはこの状態で出産すると病状が悪化するという可能性もあります。なので女性の方はなりやすいのはもちろん、このためにも対策を早めにした方がいいのです。

ただ、バセドウ病だからといって元気な赤ちゃんが生めないということではありません。あくまで正常な出産ができないリスクが高くなるということです。なのでバセドウ病を恐れて妊娠するのを恐れる心配はありません

バセドウ病になる原因

病気になるとしたら体に異常が起こっているということなので、何かしら原因があります。人間の体が病気にならない理由としては抗体というものがあり、これのお陰で外から雑菌が入ってきても病気にならずに済みます。実際に抗体がなかったら、その時点で体中が菌に蝕まれてしまい生きてられません。

しかしこの抗体が時に人間の体内にあるものを異物と判断して攻撃を加えるということがあります。その目標が甲状腺の機能になった場合に攻撃をしてしまい、その結果刺激を受けた甲状腺はホルモンを異常に分泌してしまうということになります。

…ここまで読んで頭をかしげる人が多いかもしれません。それもそのはずであり、このバセドウ病になる原因は不明とされているからです。ストレスやらアレルギーやら遺伝やらと様々なことが医学の世界では言われていますが、何故こうなってしまうのかというのは依然と分かっていません。

女性に多いのは何故

バセドウ病自体の原因が不透明な以上、何故女性が多いのかという原因も不明です。一応出産すれば悪化するということはあるのですが、これは元からバセドウ病になった時の話しであるので、何故なるのかということには関係ありません。

女性ホルモンが関係しているとも言われますが、結局は真相は闇の中…ということになっています。

バセドウ病の対策は

原因も分からない以上、対策の取りようがないでしょう…なのでどちらかというと、発症している間はどうしたらいいかという予防ではない対策となります。

ストレスをどうにかする

ただ、ストレスも原因かもしれないとされており、そして発症中もストレスによって悪化すると言われてもいるので、ストレスへの対策はしておいた方がいいでしょう。何よりそうすれば他の病気の対策へとすることもできるのですから。

しかしバセドウの症状は常に体を活発化させるので、イライラしやすい体となっており、更に眼球が飛び出たりといった体の変化も見た目を気にする女性ならよりストレスに直結するものになってしまいます。

見た目の場合には仕方がないので気にしないようにするしかないでしょう。またイライラする場合には周囲との衝突によってストレスが溜まってしまうということもあるので、予め周りの家族や友人から理解を得るようにしておいた方がいいでしょう。

もちろん、もし周りにバセドウ病の人がいるのなら理解をしてあげましょう。そして抱え込むのもストレスに直結する原因なので、誰か相談できる人がいたら相談してそうしてストレスを解消するようにしましょう。

よい食生活を

やはり食事をバランスよく摂ることは大切です。ただバセドウ病は太るという人がいる一方で痩せるという人もいるので、食べ過ぎず、かといって栄養不足にならないようにバランスのよい食事量にするのも大切です。

そして汗がたくさん出やすいということは、そのための水分補給もしっかりすることが大切です。ただ、この時に塩分やら糖分が入っているジュースばかりを飲むと、それが原因で別の病気になってしまうので、ある程度は水で済ませましょう。

食事は基本的に何を食べてもいいですが、先ほど汗の話をした通り、そうした汗を出すのを誘発してしまう辛い物を食べたりするのは避けた方がいいのかもしれません。

疑いがあったら病院へ

原因と満足した対策が取れないのなら、やはり何かしらの症状が出たら病院へと行き診察をしてもらった方がいいでしょう。幸いバセドウ病はその原因となる抗体の関係で、血液検査をすれば発祥しているかどうかは分かりやすいです。

血液検査で分からない場合には

ただ血液検査だけでは分からないという場合もあるようです。その場合にはアイソトープというものを利用しての検査をします。アイソトープとは放射線ヨウ素のことであり、ヨウ素が甲状腺に集まりやすい習性を利用して、その量によって発症しているかどうか判断します。

尚、もしこの検査を受けることになったら、ヨウ素を体内に取り入れる必要があるので、この検査をする前はヨウ素を多く含む食べ物は取らない方がいいとされています。ヨウ素が多い食べ物としては

  • 海藻類全般
  • 魚介類…まだら・あわび・すけとうだら
  • ポテトチップス
  • ところてん

といったものがあります。特に海藻類はかなり多くのヨウ素を含むので、検査までには絶対食べないようにしましょう。とはいっても医師の方から説明がまずあると思うので、その心配はあまりないものになりますが。

治療はどうする

バセドウ病は

  • アイソトープ
  • 手術

の3つの治療法があります。

薬による治療

こちらは他の病気と変わらずに、薬を定期的に服用していく方法です。一定の期間かかりますが、続けていれば大抵の方は甲状腺ホルモンの分泌を正常にしていくことが可能となります。

ただ、やはり薬というだけあって副作用が存在します。大抵のものはそこまで酷いものではないのですが、中には命に関わる程危険なものも存在します一応危険な副作用が出る確率は高くはないのですが、その低い確率に自分が当たらないとは限りません。

何か薬を服用した後に異常が出たら、病院へと行き診察をしてもらうのが安全でしょう。
とりあえず副作用に気をつけることが分かれば、後は医師からの説明どおりに薬を飲んでいけば問題はないでしょう。

アイソトープによる治療

検査でも出てきましたが、実は治療にも用います。仕組みとしては一応アイソトープによって甲状腺に作用をして、そのホルモンの分泌自体を減らすようにする方法です。こちらは薬に比べると短期間での治療が期待できます。

が、この治療はホルモン自体を減らすという行為であるため、逆に甲状腺ホルモン自体が不足してしまうということになることもあります。新陳代謝を活発化しているホルモンが不足すれば、それはそれで別の問題が出てくるということになります。

ただ、医師から減った場合にはそれを補うための薬がもらえるので、そこまで深刻に考える必要はないでしょう。

手術

こちらは甲状腺自体を取り除いてホルモンの分泌を防ぐという方法です。しかし当然甲状腺を取り除くとなると今度は甲状腺ホルモンの分泌に影響が出るので、そうすれば今度は不足によって出る症状が免れません。

なのである程度は甲状腺を残すということになりますが、そうすると今度は結局このバセドウが再び再発するという危険性もあります。そうしたリスクはありますが、すぐ治すことができるというのがこの最大のメリットでしょう。

それでもやはり手術となればその費用も高額になるので、この方法はそうそう選べるものではないでしょう。なのでこの方法は他に問題があるときの最後の手段とした方がいいのかもしれません。

必ず完治できるのか?

ただ、以上の治療でも必ず完治できるというわけではありません。何せ抗体が悪さをしているという話なので、本人の体質によっては異常にしぶとくその症状が残るということもありえるのです。

それでも治療しようとした方が、ずっと苦しい症状に悩まされるよりはずっとマシなことなので、だからこそ病院へと行き診断から治療を受けた方がいいのです。

バセドウ病は原因が分からないということは誰にでも起こりうる病気ということにもなります。特に若い女性の発症率が高いということなので、若い女性の方は若いから大丈夫だと思わずに、何かしらの症状が出たらすぐに病院へ行くようにしましょう。
それと誰でも怒りうる可能性があるということは、自分に悪いところはないということです。このバセドウ病になっても落ち込まずに前向きに治療していくように心がけましょう。やはり「病は気から」ですから。

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