女性が恥ずかしいという理由から治療することを躊躇する疾患にはいろいろありますが、中でも“痔”と“陰部のかゆみ”に関しては、なかなか自分から進んで病院に行こうとは思えないのではないでしょうか。理由は言うまでもなく疾患ができる部位にあります。
医者とは言え、自分のお尻や陰部を他人の目の前にさらけ出す行為には、どうしても恥ずかしさを感じずにはいられません。かといって、どうやって自分で治せばいいのかわからずに困っている女性は多いのではないでしょうか。座っていても苦痛を感じる”痔“の痛み。
ポツポツと赤い湿疹ができる“陰部のかゆみ”。痛みやかゆみを感じていても家族にさえ恥ずかしくて相談できない人もいるかもしれません。痛みやかゆみを少しでも和らげる方法がわかれば試してみたいと思っているのでしょうが、治療に踏み切れずに困っています。
症状が軽いものならそれほど悩まなくても解決できる方法は見つかるかもしれません。放っておいて自然に治るのなら気持ちも楽ですが、どうすればいいのかわからず悶々とするのは辛いものです。でも案外自分で思っているほど治療の敷居は高くないかもしれません。
痔の悩みで病院を訪れる場合に、何科にかかればいいのかわからずに困っている女性もいるかもしれません。意外に思う人もいるかもしれませんが専門は外科です。女性が治療に躊躇するのは当然だと言えます。相手が医者とは言え、人前に自分のお尻をさらけだすのです。
どんな治療をするのか不安に思う気持ちが大きくて、なかなか痔の治療に踏み切れないのではないでしょうか。人に相談するのも恥ずかしいと思うでしょうが、治療にあたる医師の方は患者の羞恥心とは全く違う気持ちで治療に専念します。
多くの患者を相手にする医師の立場から言えば、若い女性といえども、大勢の担当患者の一人に過ぎません。医師は疾患の治療に専念して痔の症状を恥ずかしいものだとは考えません。痔の症状が苦痛で悪化するようなら、ためらわずに診察に臨んでみてはどうでしょうか。
痔ができる原因の一つに出産があります。大きな力をいれていきむ際にお尻に圧力がかかり、肛門が切れて痔ができる場合があります。出産を機に痔に悩むようになる女性は多いのではないでしょうか。出産後は新生児の育児に追われて痔をそのままにしがちです。
年齢に関係無く痔を引き起こす原因の一つが便秘です。便秘に悩む女性は多く、ダイエットのために食事の量が減ったことでスムーズな排泄ができなくなってしまう場合もあります。デスクワークによる運動不足と座りっぱなしの状態が便秘を引き起こす要因にもなります。
便秘になれば、排泄時に普段より肛門に余計な負担が加わります。座った状態でお尻に力を加える時間が長くなることも痔を引き起こす原因になるのです。痔を悪化させないためにもトイレで長時間いきまないこと、食事の嵩を極端に減らさないことは大切です。
冷えも痔を引き起こす原因になります。身体が温かい状態になり、循環が良くなれば血行が促進されますが、身体が冷えて血行が滞った状態はうっ血を引き起こし、痔ができやすい状態を引き起こします。冷たい物の取り過ぎや同じ姿勢で長時間過ごすのも良くありません。
この診察方法が女性にとっては不安の種ではないでしょうか。診察台にうつぶせになって診察される時間はそんなに長くはかかりません。その場で患部に薬を塗ってもらい、診察を終えるパターンで済むことが多いのです。
程度が軽ければ薬で症状の改善に臨みます。薬には肛門から挿入する座薬タイプのものがあります。自分で挿入することが可能です。座薬を数日使用することで、程度の軽い痔なら改善に向かいます。血流の改善を促す飲み薬を処方される場合もあります。
早めに治療をすることで、症状も早く改善に向かいます。恥ずかしいからと疾患を抱えて症状を悪化させないようにすることが肝心です。女性は痔になりやすい要因を抱えているのですから、それが特別な疾患なのだとは考えないようにしましょう。
痔の症状が軽くて薬で治療をする場合に有効なのは入浴の時間です。シャワーで済まさずにお湯の中に浸かって身体を温めるようにしましょう。冬の寒い時期には携帯カイロを利用して患部を適度に温めるように工夫することでしのげます。
長時間座りっぱなしの姿勢でいることは、患部を圧迫することにもなり、血行を悪くすることにもなるので、適度に身体の位置を変えるようにしましょう。適度に動くことは血行を良くすることにもつながります。
痔の症状に悩んでいる場合は、香辛料等の刺激物を多量に摂取することも控えましょう。トウガラシ等の辛い物の食べ過ぎや、必要以上の刺激物の摂取は痔の疾患には良くありません。
薬で処置するのが難しい場合や再発を繰り返す場合には、患部を切除する治療もあります。
糸状の用具で患部を縛り切る方法もあるので、一概に切除を怖れることはありません。何度も腫れを繰り返す痔の場合は、悩みの元を取り除いた方が良い場合もあります。
痔は物と接触することで痛みが増して腫れることがあるので、腫れの小さなうちに対処するようにしたいものです。外科での診察は自分で思うほど恥ずかしいものではありません。
患部の腫れや痛みがひどくなるまで一人で我慢しないで、早めに治療に臨みましょう。
陰部のかゆみの原因にホルモンバランスの崩れがあります。ホルモンバランスが崩れたために、陰部にかゆみを伴う湿疹ができる場合があります。人には相談しにくいため、何科にかかっていいのかわからず治療できずに困っている女性がいるかもしれません。
虫刺されやかぶれとは違う陰部のかゆみは、ホルモンバランスの崩れが原因かもしれません。婦人科の疾患でホルモン治療をしている場合にこういう症状が起こることがあります。婦人科で相談すれば塗り薬を処方してくれます。薬を数日塗れば症状が改善に向かいます。
痔と陰部のかゆみは場所が場所だけに、一人で恥ずかしいと思い込んでなかなか病院での治療に行けずに悩んでいる女性が多いのでしょうが、思い切って治療に臨んで、痛みやかゆみの不快感から解放された女性も多くいるのです。
症状や治療方法に不安を感じて悶々としているよりも、症状の改善を目指して勇気を出して早めの対応に臨んでみてはどうでしょうか。医師は多くの患者の治療を経験しているため、一人の女性患者を特別視はしません。誰もがかかる疾患は何も恥ずかしくはないのです。