今の世の中では親が子供を虐待してそのまま死なせる、というニュースはもはや珍しいものではなくなってしまいました。他人事のように思ってしまっている方もいるかもしれませんが、明日は我が身、自分自身がそのような行動をしないとは限らないのです。
子供は死に、親は「犯罪者」として逮捕される…最悪の結果であり、どちらにとっても救いのあるものではありません。なので虐待はしてはならないのですが、だからといって簡単にやめられれば事件はこれだけ急増していません。
では実際に子供が出来た際、虐待しないようにするために親御さんはどのような心持ちをしなければいけないのでしょうか。
虐待の事件が起こる原因として、親が子供を育てられる環境になかったということが挙げられます。その結果子育ての仕方が分からない、子供を育てる余裕がない、ということで、子供にその思いをぶつけてしまうということになります。
なので子供を育てると考えるのなら、子供を生む前にそうした子供を安心して、自分の心にゆとりを持てる環境かどうか考えましょう。子供を育てるのはペットを育てるということではありません、多大な労力がかかるのです。
そして何よりそうして子供を責任を持って育てられるかどうかという考えを持つこと自体が、子供を安心して育てていくための心持ちにも繋がるのです。
大抵虐待してしまうのは子供がまだ自分でしっかりと考えることができない小さい時期になります。確かにその頃の子供は親からしてもどういう行動をするか想定できない時期であり、それによってとんでもないことをしてしまうということもあります。
そしてその結果、その行動に怒りが溜まって手をあげ、それがエスカレートして虐待へと発展をしてしまうというのが一般的なケースではあります。
まずは不用意なものを子供の手に届くところに置かないようにしましょう。そうすれば子供がとんでもないことをしでかすのはある程度防ぐことはできます。
ただ子供によっては驚くべき方法でそうした物に手を届かせる方法があります。その場合にはむしろ子供的にはつたないながら自分で考えてそれを達成したのですから、怒るのはそうですが、その一方でそれに感心すれば頭ごなしに怒る気力も減ることでしょう。
ただ、感心したからといって褒めるとまたそれをやろうとしてしまうので、褒めること自体はしないようにしましょう。他にもそうして子供がやることにポジティブな考えを持ち、心にゆとりを持つことが虐待しないために親が持つべきものとなります。
よく虐待のケースとして何回言ってもその通りにしないので…というものがありますが、親御さんも考えてみてください。あなたも他人から言われたことを本当にそのまま実行することができているかどうかを。
親が、大人ができないのに子供がすぐに出来ないのは当たり前のことです。なのでそうして実際に自分のケースに置き換えて、考えるという考え方もポイントとなります。そうすれば「ああ~自分でもそうだな」と思えて気が少しは楽になることでしょう。
ただ、そうして考えてもやはり子供がやっていく行為によっては、鬱憤が溜まっていってしまい我慢ができずに手を出してしまうということもあるでしょう。
そうして鬱憤が溜まってしまう原因として、、自分で何でも1人で抱え込んでしまってそれで精神がやられてしまうという理由が挙げられます。
なので辛くなったら、誰でもよいので信頼できる家族や友人、場合によってはそうした母親専用の機関に相談をしにいくのがいいでしょう。相談の内容は人それぞれですが、そうして相談をすることで幾分か心が楽になるでしょう。
いきなり相談をするのもどうかと思う方は、相談ではなく単なる会話をしても構いません。とにかく相手と会話をするということが大事なのですから。
もし手を出してしまった後でもまだ遅くはありません。もしその時に自分におかしさを感じた場合でも、同じように相談をすれば、改善へと向かわせることができるかもしれないのですから。
ただ、問題としては相談する相手もしっかりと選ばないとかえって相手が知らないことへの無神経さからの言葉で逆効果になるということもあります。そういう意味でも相談する、会話する相手は選びましょう。
…ここからはどちらかというと母親ではなく、その相談を受ける側の人に向けるものです。もちろん同じ母親でも、他の同じ母親から子供に手をあげてしまって自己嫌悪に陥ってしまっているという話を聞くかもしれません。
そうした場合は聞く側も否定する言葉を出さずにしっかりと聞いてあげましょう。そもそも相談する側は、そうしたことを相談するということは一種の危険信号が点っていることになるからです。
そのような時には「大したことない」やら「お前が悪い」と相手のことを否定するような言葉を言ってしまうとトドメをさしてしまうことになります。なので軽く考えずに真摯に聞いてあげましょう。
そしてその際には別に多くの言葉を言わなくてよく、ただ静かに聴いているだけでもいいのです。とにかく相手の気が済むようにするのが大事です。
場合によっては相手の雰囲気から察して自分たちから言うのも大事ですが、その場合には相手側が無理にそれを拒否する可能性もあるので、時と場合、タイミングによってそうするかどうかを判断しましょう。
勘違いしている方もいるかもしれませんが、虐待を止めるのは子供のためだけではありません。その親御さんの心を救うためでもあります。
誰だって子供を最初に育てる際には左も右も分かりません、それは当たり前です。だからこそ自分だけで考えず他人に頼るのは恥でも何でもありません。なので難しく考えず、時には他人に頼りましょう。
とにかく行動に移さないことには何も変わりません。それは子育てをしているあなた、そしてそれを見守る周囲も同じことです。