小学校のころの休み時間といえば、2時間目と3時間目の間や給食後の休憩時間が楽しみだったという人が多いのではないでしょうか。いまは親や教諭が指示する教育が乳児期から始まっているため休み時間が苦痛と感じる子どもが急増しているそうです。
昔は畑仕事などで生計をたてなければならなかったため乳飲み子の時期ですら嫁がお昼に一度帰るまでは籠の中に入れられて縁側に置かれていました。
現在は育児休暇を取得して赤ちゃんと密接な関係を築く育児が主流となっているため常に母親が指示するという環境がごく一般的なものとなっています。
トイレトレーニングやおむつはずれの時期からその傾向が強まるようです。親が指示しないと排泄しませんし、お出かけ前におもらしされて困るのは母親だからです。排泄の指示以外にも持ち物の確認や遊び方ですら指示されることがあります。
公園で砂場で一生懸命遊んでいても他のお友達のおもちゃで遊んでしまいそうだからと後ろから抱きかかえて強制的に中断させてブランコで遊ぶように強制したりします。
子どもと一緒に公園に来たのに「これからお友達のうちに遊びに行くから洋服汚れないように砂場では遊ばないでね」と禁止命令を出しているお母様を見かけたことすらあります。
このような指示を受けながら育ったお子様は当然指示がないと動けない「指示待ち人間」になってしまいます。
子どものために親がしてあげられることは一緒に遊んであげることと思っている人が多いのではないでしょうか。幼児期からそのような価値観で育ててきた子どもは親の手をひくことが多いです。
親も仕方なく手をひかれてイヤイヤ付き合ってあげるという光景はよく目にします。お友達がお家に来てもらっても結局は子どもと一緒に遊ばされてママ友さんとゆっくりお話しする時間もなかったりします。
遊んであげないと子どもが可哀想だし遊んであげないと「子どもが一緒に遊びたがってるのにあのお母さん無視してた」など言われるのを恐れて、公園や支援センターなど人前では家にいる以上に構ってあげる人も多いです。
子どももそれを察して人前では余計に依存してきます。お友達同士で遊ぶことがあまりありません。
一緒に遊んで母親に依存するようになることが子どもにとってためになることかよく考えてみましょう。
もちろん母親が一緒に遊びたいときは遊んであげてもいいのです。問題はお母様が他の用事があるときにいかに毅然とした態度で断れるかということです。
もし一緒に遊び疲れて静かな時間が欲しいと思ったら遠慮なく子どもに伝えてよいのです。「ママは静かな時間がないと充電が切れてしまうの。だから少しベッドで眠らせてね。」といって5分だけ寝室の鍵をかけてもいいのです。
365日24h一緒にいるわけですから5分くらい一人の時間がないと精神的に疲弊して、最悪子どもが可愛いと思えなくなってしまいます。ずっとべったりだった子どもはドアノブを開けようと泣き叫ぶかもしれません。しかしたった5分だけ一人になるだけなのです。
子どもも一人で考えなければならない時間があるのだと理解できるようになります。
昔の畑仕事などの農作業のように親としても「忙しくて遊べない」「他にやるべきことがあって遊べない」という明確な理由を提示しなければなりません。
具体的には家事でもいいのですが最近は洗濯機で乾燥までしてくれますし食洗器もあるうえに掃除したくてもすぐに汚れるのでやることがあまりなかったりします。
公園に行く前に「ママは今日は連れていってあげるだけで一緒には遊べません。お友達と遊べないなら帰ります。」と宣言してもいいです。そうすれば公園で手を引かれて帰ろうとなっても約束は守ったことになります。
保育園などの開放日に遊びに行ってみると同年代のお子様が積極的に遊びを見つけて輝いている姿を目にすることでしょう。
また遊びの輪に加わらずみんなを観察しているようなお子様もいます。これも退屈な時間をどのように楽しくすればいいのか自分で考えている時間なのです。
ドロシー・マリノ作「くんちゃんは大忙し」という絵本が如実にこれらのことを語っています。
こぐまのくんちゃんは朝起きてからお母さんに「次は何をして遊んだらいい?」と聞きますが最後にはお母さんからちょっとムッとした顔で「今日は忙しいから自分で遊ぶことを見つけなさい」と言われるお話です。役者のまさきるりこさんのあとがきも必読です。
以上のように親が毅然とした態度をとれるかとれないかで自主的に行動できるかどうかが決まるのです。
結婚式で新郎がおもらししてしまい「ママがトイレに行きなさいって言わなかったから」という子どもにならないように、求める結果になるためには親がどうすべきか逆算で対応するようにしましょう。