妊娠すると身体に変調をきたす事もあるのですが、初めての妊娠だと、それが放っておいても大丈夫なのか、すぐ病院へ行った方が良いのかわかりませんよね。
でも、放っておいてはいけないものがわからず、赤ちゃんが苦しい思いをしていたら大変です。
分娩になってから起こる可能性がある病気などは、すでに病院にいると考えて、妊娠初期・中期・後期と順番に、注意が必要な病気と、病院へ行った方が良いと思われるものを書いてみます。
もし当てはまる症状があれば、早めに受診してみてくださいね。
妊娠初期というのは、2カ月から4カ月(4週から15週)となっています。この時期はホルモンの分泌が大きく変わり、身体がその変化についていけずに、いろんな症状が出てきやすい時期となっています。
つわりは代表的なものです。これもあまりに酷くて、何も食べる事が出来ない日が続けば、病院へ行って点滴などの処置が必要な時がありますが、大体において病院へ行く必要はないものとされます。
染色体の異常など、赤ちゃんに原因がある場合は、残念ながら流産を止める事は出来ないかもしれません。でも別の原因で流産ではなく切迫流産の場合は、安静にしていれば流産にならずにすむ事もありますので、症状に注意してください。
また子宮外妊娠は子宮ではないところで、赤ちゃんが大きくなろうとしてしまうものです。一番多いのが卵管の中で、卵管は細くそこで赤ちゃんが育つ事は出来ません。そして卵管が破裂でもすれば、命に関わる事もあり危険なものです。
子宮外妊娠でも妊娠反応は陽性になります。病院で妊娠を確認する場合は、赤ちゃんが子宮の中にいるか、エコーなどで検査をしますが、自分で妊娠反応を見ただけの人なら、それはわからない事になります。妊娠反応が出たら、病院で確認してもらいましょう。
妊娠後正常な場合でも、おりものに血が混じるとか、少量の出血が見られる事はありますので、すべての出血が流産や子宮外妊娠に繋がる訳ではありません。
また子宮外妊娠の場合は、突然お腹の中で大出血する場合があります。これは赤ちゃんが卵管など、子宮以外の場所よりも大きくなった事で、その場所が破裂した場合に起こります。
破裂した場所によりますが、子宮の中ではない場合が多いので、出血よりも症状としては強い腹痛になります。でもお腹の中では大出血となっている時もあり、ショック状態になる事もあります。これは大変危険ですので、救急車を呼ぶべきレベルです。
不快なのは、妊娠した事でホルモンの分泌に変化が出来た為。ですので、身体がこの変化に慣れて、徐々に無くなっていくのなら良いのですが、急になくなるというのは、何かが起こっている可能性があるのです。
妊娠中期とは、5か月から7カ月(16週から27週)までとされています。この時期は比較的安定していると言われています。でも段々赤ちゃんが大きくなってきて、何も異常がなくてもお腹が張ってくる事があります。
現在の医療では23週の赤ちゃんでも助かる事はありますが、赤ちゃんがリスクなく大きくなる確率はとても低くなってしまいます。
切迫早産になる場合は、出来るだけ安静にして、少しでも長く赤ちゃんをお腹の中に留めておく必要があります。早産になってしまう前に治療が受けられるよう、異常だと思えば早めに病院へ行きましょう。
また赤ちゃんが大きくなってくると、血液がたくさん必要になってきますが、追いつかずに貧血になりやすくなります。
たかが貧血だと思わないでください。血液で酸素や栄養がお母さんから運ばれますので、血液が足らないという事は、赤ちゃんは酸素も栄養も足りない、苦しい状態になっているという事なのです。
そして以前は妊娠中毒症と言われていた、妊娠高血圧症候群になる人もいます。これは妊娠後期に起こりやすいのですが、中期でも起こる人はいます。中期で起こると重症化して赤ちゃんも危険になる事があるので、注意が必要です。
切迫早産もやはり、出血が起きる事があります。でも初期とは違って正常であればこの時期に、出血する事も少なくなっているはずです。
妊娠初期に比べ何もなくてもお腹が張ってくる事で、腹痛を感じる人は多くなります。でも大体において、少し休めば治まるものなのです。
動悸や息切れ、めまい、頭痛、吐き気などが起こる事があります。
健診では血圧は毎回測っていると思いますが、元々高めだった人などは、自宅でも血圧を測れるようにする方が良いです。高い状態が続いていれば、病院へ行く事をお勧めします。
これは以前妊娠中毒症と言われていた時には、その症状の1つにあげられていました。
妊娠後期とは、8か月以降(28週以降)を言います。この時期は中期以降も続き悪化しやすい強い貧血や妊娠高血圧症候群、また早産も起こりやすく、前期破水や胎盤早期剥離など、注意をしなければいけないものが多くなります。
これは母子ともに危険な子癇と言われる痙攣発作が起きたり、胎盤早期剥離の原因になったりします。また赤ちゃんの発育が悪くなる事も多く、妊娠高血圧症候群は危険だと認識してください。
前期破水は、まだ陣痛も起こっていないのに破水が起きてしまうものです。36週までに破水が起きるとそのまま早産となる事もありますし、赤ちゃんを守っている卵膜が破れてしまっているので、子宮の中が感染しやすい状態になってしまっていて危険です。
胎盤は普通赤ちゃんが産まれてから、子宮から剥がれるものですが、胎盤早期剥離とは、妊娠中に胎盤が剥がれてしまうものです。これは非常に危険な状態です。赤ちゃんがお腹の中で生きるのに必要な、酸素がもらえなくなってしまうからです。
また剥がれる事で、子宮の中に大出血が起こり、お母さんも危険な状態になる事があります。胎盤早期剥離になると、赤ちゃんもお母さんも危険になり、早急に手術などの処置が取られる事になります。
正常な出産になる時も、陣痛が起きる前に少量の出血がある事があります。これは卵膜と子宮壁の間がずれる事で起きる、おしるしと言われるものですが、これがまだ36週までに起きてしまったら、早産になる可能性がありますので、注意が必要です。
後期になると、お腹の張りを感じる人は多いと思います。キュッと締め付けられるような痛みがあっても、しばらく安静にすると治まる。中期とは違い、お腹の張りをたくさん経験している事で、それとは違う痛みはわかりやすいかもしれません。
ただ、どんどん痛みが酷くなってくるので、腹痛が持続する、痛みが強くなるなどいつものようなお腹の張りではない事に気付いたら、早く病院へ行きましょう。
破水は、生温かい水が流れ落ちる事で気付きます。でもドッと流れ出てしまった時はわかると思いますが、少量の破水の場合は、わかりづらい時があります。
妊娠後期になると、大きなお腹で膀胱が圧迫されてしまい、尿漏れを体験する人は多くなります。この尿漏れと間違えたりする事があるからです。
またもし尿漏れで破水ではなかったら、恥ずかしいと考える人がいますが、そんな事はありません。破水だったら危険なのです。尿漏れなら良かったと思うべきです。
妊娠高血圧症候群の場合、血圧が高い事と、たんぱく尿が出ている事で診断されます。でも血圧計などが家にない場合は、むくみが一つのサインになります。
妊娠初期から後期まで通して、出血や腹痛などは注意が必要だとわかると思いますが、正常な状態であっても、起こる事があります。
ですから、過敏になり過ぎるのはよくありませんが、いつもと違う、何かおかしいと感じたら病院へ行く方が無難です。もし、病院で診察を受けて何も異常がなかったら、良かったと思えばよいのです。
赤ちゃんが苦しいと伝える事が出来るのは、お母さんだけです。また赤ちゃんを守れるのはお母さんだけです。どうぞ元気な赤ちゃんを産む為に、お母さん頑張ってください!