夫が家事を分担しないときの「ドラッカー式」マネジメント方法

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家事をしてあげても「妻が家事をしてあたりまえ」という態度でいる夫に、今や腹を立てているなんてことになっていませんか。

結婚後、なんとなく妻が家事をやるものと思って、自分が主に家事を負担している。最初の数年は、夫のことが好きだし、家事をして夫に尽くすのはやりがいがあった。

まだしも妻が専業主婦で夫に経済的に頼っている状態なら妻が家事を負担するのは納得ができたのかもしれません。しかし、妻もパートやフルタイムなどで働き家計を支えている場合ならば、夫も家事分担するべきだと考えるのは当然ですよね。

そこで、今回は、えらーいドラッカー先生の思想を取り入れて夫に家事分担させる方法を考えてみましょう。マネジメントの父とされるドラッカーをご存知でしょうか。夫をマネジメントして、家事を分担するよう仕向けてみませんか。

「ドラッカー式」マネジメント方法にチャレンジ!

今回の提案は「もしパートタイマーorフルタイムで働く主婦がドラッカーを読んだら」という趣旨ととらえてもらえればと思います。

ドラッカーとは

ピーター・F・ドラッカーはオーストリア出身の経営学者です。マネジメントの父と称されるドラッカー。巷では、数年前に「女子高生がドラッカーの著書を読んで高校の野球部を甲子園につれていく」という内容の本が大ヒットしました。

組織

ドラッカーは組織のマネジメントに関する著作を何冊も書いています。夫に家事を分担させるにあたって考えてみると、家族も組織と言えますよね。妻も夫も子供も家族という組織の一員なのです。

ところで、組織をマネジメントするときには、目的が必要です。目的を定めて成果をだすのが組織の勤めなのです。では現代の家族の目的とは、どんなものでしょうか。ざっと挙げてみます。

  • 癒しを得る。
  • 子供を生み育てる。
  • 助け合う。

夫とのコミュニケーション

家族という組織の目的を確認したところで、組織の一員である夫とのコミュニケーションに取り組んでみましょう。夫も妻も組織の一員です。つまり、夫もあなたも組織の目的のために行動して成果を出す必要があります。

組織の一員同士が能力を発揮するためにはコミュニケーションは欠かせません。ドラッカーは、コミュニケーションは4つの原理から成ると説いています。それらの原理とは…

  • 知覚
  • 期待
  • 要求
  • 依存関係にあるが主に相反する

ここでは、知覚・期待・要求について見ていきましょう。

知覚

ドラッカーは「コミュニケーションを成立させるのは『受け手』」だとしています。妻が夫に家事を頼んだとき、こんな流れになってしまっていませんか。

妻:もう!!洗濯してって頼んだのに、全然できてないじゃない!

夫:えっ?ちゃんとやったよ。

妻:だって、みんなしわしわよ。干すときにきちんとたたくのがあたりまえじゃない。そんなことも知らないの?

夫:…(なら先に言えよ。文句ばかり言うならもう手伝わないからな)。

コミュニケーションの受け手である洗濯経験の少ない夫にとっての「洗濯」とは「洗濯機に洗濯ものをほおり込み、スイッチポン。あとは乾けばよい。」という認識だとします。

一方、妻にとっての洗濯とは、襟汚れなどは軽く手洗いすることに始まり、色落ちするものや素材によって仕分けをし、適切な洗剤の種類や量を洗濯機に投入し、しわにならないように風通しのいいバランスで干すことであり…。

「洗濯」ひとつとってもそれぞれの経験の差でまったく違うものになるわけです。発し手である妻は、「洗濯をして」という一言で、前述の細かな工程も夫がきちんとこなしてくれることを期待したわけです。

しかし、それはドラッカーの言うコミュニケーションにあたるのでしょうか。夫に家事を頼むときは、受け手である夫の経験に即した、夫に理解できる言葉で話さなくてはなりません。

コミュニケーションを成立させるのは『受け手』だと心得て、夫の経験に即した家事の頼み方をする。

期待・要求

人は見たいものを見て、聞きたいものを聞きます。コミュニケーションの受け手の期待しないものについては、受け手にスルーされるか反発されるかのどちらかです。

さらに、コミュニケーションが発生したとき、発し手は受け手になんらかの要求をつきつける、とドラッカーは言っています。例えば、休日、家族を残して外出するあなたが、夫に「あとはよろしく」と頼んだとします。

帰ってきたあなたは、店屋ものか、インスタントで済ませたらしき食事の残骸と、読みかけの漫画、着替えで散らかった部屋の中で寝転がりながらテレビを見る夫や、ゲームに夢中な子どもを目にすることでしょう。

あなたの夫への期待であり要求は「私のいない間、自分で散らかした部屋は自分で片付けることはもちろん、きちんとした食事を子どもにさせ、だらだら遊ばせないように管理してほしい。」というようなものではないでしょうか。

一方、夫の期待は「休日なのでゆっくりしたい」というものだとします。先の妻の期待・要求は夫の期待に反するものです。妻の「あとはよろしく」という言葉は、夫の頭の中では都合よく「自由にゆっくりやってね」と変換されているかもしれません。

前述のとおり、人は見たいものを見て、聞きたいものを聞くのです。なので、見事に妻の期待・要求はスルーされたというわけです。しかし、惨状を目にして怒りを爆発させていても仕方がありません。夫の側にも言い分があります。

部屋の散らかりをとがめて喧嘩になれば収拾がつかなくなるかもしれませんし、怒りを表すために夫を無視するのも得策ではありません。ここで、妻のとるべきコミュニケーションは、「夫の期待とはなんであるか」を確認することだったのです。

前述のとおり、夫の期待は、「休日なのでゆっくりしたい」というものだとします。理由は「仕事で疲れているから」かもしれません。

ならば、夫の期待を満たし、かつ妻の要求や期待を満たす方法はなんなのか考えてから言葉を発するべきだったということになります。

コミュニケーションの発し手の期待と現実がずれるのは、受け手の期待を把握していないから。

強みと時間を集中する

ドラッカーは「集中」させることを大切にしています。以下、集中に関連して「強み」「時間」について見ていきましょう。

強みを活かす

ドラッカーは成果を出すためには人の「強み」を理解し、活かすことが大切だとしています。夫の家事分担に応用するならば、夫の得意分野を夫に任せるということになるでしょう。夫の強みはなんでしょうか。

数字に強い夫なら、家計管理を任せてもいいかもしれません。凝り性かつカレー好きな夫なら、休日の料理は夫にまかせてスパイスからカレーを作ってもらってもいいでしょう。

当然ですが、人には強みがあれば弱みがあります。強みがすごければすごいほど、同じ大きさのインパクトをもつ弱みを抱えています。

夫が部屋を散らかすタイプだとするなら、もしかしたら、妻が思っている以上に夫は片付けられない人なのかもしれません。そこが弱みなのだとするのなら、夫の強みを探して、強みに集中して家事を振り分けていく方が賢明だということです。

一方、妻の方はどうでしょうか。妻の方も弱みや強みがあることでしょう。料理は苦手だけど、掃除は得意。アイロンがけはできるけど洗濯はイマイチのりきれないなどなど。

家族という組織の目的には「助け合い」がありましたよね。お互いに相手の弱いところをフォローし、強いところを活かすということが「助け合い」に相当するのではないでしょうか。

料理を得意とする夫が料理をし、掃除を得意とする妻が掃除を担当する。お互いの強みを集中させましょう。

夫の「強み」に目を向けて家事を振り分ける。

時間

妻の家事労働時間は一日数時間にも及ぶのに、夫の家事労働時間は一日に1時間にも満たないという調査結果がしばしばニュースでとりあげられたりしますよね。妻が夫に家事分担してほしい理由もここにあります。

自分は育児や家事に追われて自由な時間がほとんどないのに、夫は家にいる間中、テレビを見たり、ゲームをしたりして自由に過ごしている。しかしそんな状態でありながらも以外にも「できれば妻の家事を手伝いたい」と考えている夫も多いのです。

しかし、「家事を手伝いたいが、どうやればいいのかわからない」「手伝ったところで妻に文句を言われるからヤダ」というような理由で夫は家事をすることに躊躇しているのです。

妻側からするとなんとあきれた理由かということになるでしょうが、どうせ夫が家事を手伝いたいと思っているのなら、手伝ってもらいましょう。

しかし、例えば、家事分担時間があまりにも違うことを夫につきつけて、家事分担の要請をしたとしても、口頭で家事分担時間があまりにも不公平すぎると感情たっぷりに夫に訴えたところで、そこで響く夫なら苦労はしないでしょう。

ドラッカーは、時間を管理する方法として、「時間を記録する」ことをすすめています。一度、妻の時間を記録してみてください。夫にも時間の記録を頼みましょう。夫が嫌がるなら、妻が夫の時間の記録をつけましょう。

1週間ほど記録をつけてから、夫婦の家事分担時間を、夫と一緒に見比べて下さい。時間の記録は「私は一生懸命家事をやっている」と主張する妻に向かって「俺だってゴミ出しやってるし」などと言い出す夫を黙らせる圧倒的に客観的な材料になるはずです。

なんならあまりにも家事の負担が自分にかかりすぎていることに妻自身も驚くかもしれません。さらに、夫と一緒に家事に無駄がないことをチェックしてみるのもいいでしょう。

妻はよかれと思って夫のためにやっている家事も、夫にとってはさほど重要ではないということもよくあることです。

例えば、妻は家族の健康のために家で手の込んだ食事を作ることにこだわっていたとしても、夫はそれほどこだわっておらず、外食でもいいと考えているかもしれません。

妻は毎日掃除するべきだと思っていても、夫は見た目適度なきれいをキープしているなら毎日掃除する必要もないと考えているかもしれません。それらの家事は削るという選択もあっていいはずです。

時間を記録し「俺も家事をやっている」という夫を黙らせ、夫と家事分担について話し合う。

妻だって癒されたい!

ドラッカーの思想を取り入れて夫に家事分担させる方法を考えてみました。家族の目的が癒しの場であり、助け合いでもあると述べました。

しかし、仕事も家事も育児もして自分の時間もないほどくたくたになっている家庭は、妻にとって癒しの場でも助け合いの場でもないですよね。

女性は感情で話をしがちですが、男性は根拠で話をします。「ドラッカーというえらーい人がこう言ってるんだよ」と家事分担を説得するのなら、感情的に不満をぶつけるより成功率はぐんと高まります。

なにより、夫婦がお互いに納得したうえで家事分担をすることが一番ですので、夫にも納得できる方向へ話を持って行きたいもの。ドラッカー先生の力を借りて夫を家事分担する夫に変えてみませんか?

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