順風万班な妊娠生活を送り、何ひとつトラブルなく出産を迎えられる妊婦さんがどのくらいいるでしょうか。おそらくほとんどの妊婦さんは、大なり小なり何かしらのトラブルと戦っていると思います。しかし、それが入院にまで発展してしまうと、精神的に一気に辛くなってしまいますよね。
この記事では、「切迫早産」で入院することになった妊婦さんために、必要な情報をお伝えしていきたいと思います。筆者も経験者ですが、切迫早産の入院は本当に長くて大変なもの。しかし同時に、とても意義のある、大切なものです。何せ赤ちゃんを守るための戦いなのですから。この記事が、少しでも皆様の入院生活でお役に立てば幸いです。
妊娠22週から37週の間で、早産になりかけている状態のことを言います。(37週以降は産まれても大丈夫な時期ですので、早産にはなりません。)あくまで「なりかけ」ですので、実際に早産になると決まったわけではなく、ゆっくり安静にしていれば、多くの場合、無事出産できます。
医師によって判断基準はまちまちですが、このままでは早産の可能性が高い、とみなされた場合は入院になります。入院中は薬を飲んだり点滴を打ったりしながらひたすら安静にすることが仕事となり、シャワーはおろか、トイレすら行かせてもらえないケースも…。ただ、危機を脱した場合や、36~37週に入った場合は、退院となるケースが多いです。
安静にすることは第一ですが、だからといってもちろん、1日中何もしてはいけないわけではありません。体を動かしたり無理な姿勢をとったりしなければ、基本的には好きなことをしてOK。読書にゲームに映画鑑賞…。赤ちゃんのための編み物などもいいですね。小顔マッサージなどの美容ケアもたっぷりできますよ。
大切なのは心穏やかに過ごすこと。つい不安になって、ネットで悪い情報ばかり探していませんか?ネガティブなことを考えるのは身体の毒ですのですぐにやめましょう。大事に至る前に切迫早産が露見し、あなたはラッキーだったのです。気付かずに早産してしまう方もたくさんいますから…。「病院に入ったからもう安心」という気持ちで、穏やかに過ごしましょう。
とはいえ、毎日の慣れない入院生活はストレスがたまりますよね。ストレスをため込むのは身体に悪いので、適宜発散していきましょう。下記におすすめのストレス発散方法をご紹介しますので、良かったら試してみてくださいね。
同じ境遇で苦しんでいる人の体験談は何よりも力になります。中には自分などより、ずっと過酷な状況の方もたくさんいて驚くことでしょう。「みんな頑張っているんだから、私も頑張ろう」と勇気をもらえるはずです。コメントを送れば、ブロガーさんも喜んでくれるでしょう。
辛い入院生活を耐えているのは、もうすぐ会えるあなたの赤ちゃんのためです。可愛らしい赤ちゃんをその手に抱くことを想像してみましょう。小さい身体に、ふにふにのほっぺ。ほよほよした少ない髪の毛に、一生懸命あなたを呼ぶ泣き声…。気分がほっこりしてきますよね。
少し出歩くことができる方なら、トイレの帰りなどに新生児室に行って、生まれたての赤ちゃんを見てみるといいですよ。ベッドからまったく降りられない方は、大きめの赤ちゃんの顔写真(赤ちゃん雑誌の表紙など)を枕の横に置いたりして、妄想を膨らませてみましょう。
もし可能だったら、同じ部屋の患者さんとのおしゃべりは良い息抜きになります。病院によっては、切迫早産の方は同部屋だったりしますので、同じ境遇の友達ができるチャンスです。中には妊娠初期からずっと入院、というような方もいます。おしゃべりに飢えているでしょうから積極的に話しかけてみましょう。
また、看護師さんともコミュニケーションをとってみましょう。長く入院していると、だんだん個性が見えてきて面白いですよ。点滴が得意な方、苦手な方。親切で丁寧な方、ベテランで仕事の速い方…などなど。看護師さんは様々なお産を見てきていますから、面白い話のネタをたくさん持っています。仕事の邪魔にならない程度に話しかけてみてくださいね。
切迫早産で長期入院している方にとって、退院は希望の光です。毎日を前向きに過ごすため、「退院したら○○に行こう」「退院したら○○を食べよう」など、やりたいことを想像するのはおすすめです。さらにそれを書き記しておくと、想像も膨らみますし、後から見ても記念になりますよ。
パジャマ(もちろんマタニティ用)、歯ブラシ、ドライヤー、スリッパ…など、一般的に必要とされる入院グッズは皆さん用意されていると思いますが、特に切迫早産の際におすすめの便利グッズをご紹介させていただきます。病院によっては持ち込みNGな場合もあると思いますので、持ち込みの際は確認してくださいね。
水やお湯を使わないシャンプーのことです。切迫早産の場合、毎日シャワーをあびられるとは限りません。夏場はかなり汗をかきますから、頭がかゆいのなんの…。そんな時、ドライシャンプーがあると大助かり!スプレータイプやふき取りタイプなど様々な種類がありますので、見てみてくださいね。
24時間点滴の場合、常に点滴スタンドと共に行動することになります。トイレにも、歯磨きにも、診察にも…。そのため、点滴スタンドに小さい手提げを引っ掛けて、そこに身の回りの細々したものを入れておけるようにしておくと大変便利です。試してみましょう。
点滴や薬を服用すると、副作用でかなり体温が上がります(もちろん個人差はあります)。しかし大部屋の場合、自由に空調の温度を変えるわけにはいきませんから、かなり苦しいはめに…。氷枕などは病院でも用意してくれると思いますが、頻繁に取り換えてもらうのは心苦しいもの。自分で冷えピタなどを用意しておくと便利です。
言わずもがなですが、入院中の暇つぶしグッズは大量に用意しておきましょう。DVDやゲームもおすすめですが、大きなお腹で、長時間一方方向を向いていると腰が痛くなってきますので、読書をする方が多いようです。特に電子書籍は軽いし片手で操作ができるので、寝ながら読むのにぴったり!持っている方はぜひ活用してみましょう。
長く大変な入院生活ではありますが、実は嫌なことばかりではありません。意外なメリットもあるんです。ネガティブにならず「入院してない人より得しちゃった!」と思っておきましょう。
長い間入院していると、先生や看護師さんとも距離が縮まります。「いざ出産!」という時、顔見知りの看護師さんが励ましてくれると、それだけで勇気づけられますよね。また、出産後もいろいろと親身になってくれるので、質問やお願いごともしやすい!長期間頑張ったからこそのメリットですね。
病院にもよりますが、入院中は頻繁に先生の診察や内診があります。これは、子宮頸管の長さを計るなど、早産の可能性が高まっていないかをチェックするためのもの。ですが当然、ほかの異常を見つける機会も増える、ということです。普通の妊婦健診は2週間に1回。こんなに安心して毎日を過ごせるのは入院患者くらいのものですよ。
自宅にいる時では考えられないほど、栄養バランスのとれた食事が毎日3食欠かさず食べられます。塩分や糖分にも配慮されていますから、体重の増えすぎや、妊娠高血圧症候群など、他のトラブルが起こりにくくなります。入院していなかったら、そういったトラブルになっていたのかも、と思い、この状況をラッキーだと考えましょう。
いかがでしたでしょうか。入院は長く、大変なものですが、辛いだけのものではありません。その先には可愛い赤ちゃんが待っているのです。憂鬱にならず、心を楽に、前向きに、赤ちゃんと会える日を楽しみにしながら、毎日を過ごしてくださいね。皆様が無事にご出産できることを祈っております。