結婚前は優しかったのに、結婚したら次第に夫の暴言に精神的に追い詰められるようになってしまっていた。妻としては「思い描いていた結婚生活、こんなはずではなかった」という思いにさせるモラハラ夫の信じがたい言動の数々。
今回は、そんなモラハラ夫の特徴を紹介し、モラハラ夫を確定するとともに、モラハラ夫への対処法を挙げてみようと思います。
明らかに夫側が悪いということで、妻から責められたとき、状況の悪さを察したモラハラ夫には伝家の宝刀があります。「そんなことを俺にさせたお前が悪い!」。傷つくことを言われた妻が夫に抗議すると、「お前が俺にそう言わせている」。
こんな発言を聞くと、何がなんだかわからなくなりますよね。ともかく、何があっても、モラハラ夫の中では妻が悪くて自分が被害者なのです。そのスタンスは絶対に崩すことはありません。
いくら、理屈で夫の非を責めたところで、モラハラ夫は「俺正しい。妻悪い」という世界の住人なので、その世界からひっぱりださない限りは、心から謝ることはないと思ってよいでしょう。
ここらへんにモラハラ夫がよほどのことでないと変わらないとされる原因があります。自分が悪いと思わない人が、どうして自分を改めるでしょうか。
夫は自分が悪いなどとびた一文思っていません。妻が夫の暴言に傷つき涙を流したとしても、「なぜ泣くのか意味がわからない」「泣いたら俺が謝ると思っているのか」などという発言を平然と言うわけです。
モラハラ夫は外面がよいのです。しかし、それは家庭内で妻に精神的に依存しているからこそなのです。妻から精神的エネルギーを搾取して、そのエネルギーをもとにして他人に優しくする余裕を持つことができるのです。
このタイプが妻に見放されると、自分で自分を保ち続けることができなくなるので、やがては化けの皮がはがれてしまいます。しかし、本人は妻のおかげで自分の社会的立場が保てていることを自覚していないので、もちろん妻に感謝することはありません。
モラハラ夫は、妻よりも子供よりもなにより、自分が世界中で一番大切なのですが、だからといって、自尊心が担保されているわけではありません。むしろ、自尊心は他人とくらべると、驚くほど低いのです。
夫を非難したつもりのないなにげない一言で、ひどく夫がキレた経験はありませんか。他には夫に対して、「この人、卑屈だな」と感じたことはありませんか。
他の人に投げかけてもどうってことのないような言葉でも、モラハラ夫は自分が傷つけられたと騒ぎたてる可能性があります。
自尊心が高い人の場合、自分に自信があるので、少々の非難もいちいち目くじらをたてて反応することはありませんが、モラハラ夫の自尊心は驚くほど低いので、信じられないほどどうでもいい言葉で妻につっかかってきます。
客観的に見るならば、妻を至らないとねちねち攻め立てるのなら、そんな妻とは離婚してしまえばいいのではと思えるのですが、そんなモラハラ夫は、妻から離婚を切り出されると猛烈に反対します。
彼らは、妻がいないと自分が存在できないことを無意識的に、よくわかっているのです。
自分に都合の悪いことは妻にせいにしてきりぬける。自分が感じたストレスを妻にあたって発散するなど、モラハラ夫は、自分の感情で向き合いたくないことはすべて妻におしつけています。
感情をぶつける相手に去られ、一人になると、自分の感情と自分で向き合わざるを得なくなります。モラハラ夫はそれがなによりもおそろしいことなのです。
さらに、先のモラハラ夫のよくある「そんなことを俺にさせたお前が悪い!」や「お前が俺にそう言わせている」というセリフを見てもわかるように、彼らには自分の行動の指針やオリジナルな考え方というものがありません。
まるで、なにか大きなものに言わされたり、やらされたりしているかのようなスタイルなのです。
「絶対」「普通」という言葉が頻繁に出てくるのも、世間の大きなものによりかかることを自身の考えの基準としていることがうかがえます。つまりは、独自の考えが希薄なのです。
ちょうど、モラハラ夫はウイルスのようなものなのです。
ウイルスには遺伝子はありますが細胞を持ちません。なので、自身の遺伝子を保存するためには他の生物の細胞によりかかりエネルギーを他の生物に依存しないと生き残れないのです。
モラハラ夫は妻の精神エネルギーに依存しています。経済的には、妻を支えているとしても、精神エネルギーを妻から奪っています。妻に精神的に与えることは決してありません。
つまりは、モラハラ夫の近くにいる限り、精神的に搾取され続ける。ということを自覚しなければならないということです。
人生のパートナーとして選んだ以上、モラハラ夫に変わってほしい、精神的に頼れる夫になってほしいと望むのは妻として当然の気持ちではあるのだと思います。
しかし、自分の夫がモラハラ夫であるということを確信したのなら、妻がとるべき対処は二つしかありません。
夫のそばにいる限り、精神的に搾取され続けるという現実を受け入れることです。と同時に、妻が精神的な健康をできるだけ保ちたいならば、「搾取されない」技術をみにつけることです。
では、夫に変わってほしいと妻が望むのはいけないことなのかというと決してそういうことではありません。しかし、今の段階では、夫を変えられる望みはゼロに等しいです。
人を変えたいのなら、まずは自分が変わらなくてはなりません。
賢さのうちには、プロの手を借りるということも入ります。このままでは一緒にいられないことを告げ、やりなおす条件としてカウンセリングプログラムを夫が受けることを提案するのも一つの手です。
「だれのおかげで食べていられると思っているんだ!?」。妻が専業主婦の場合のモラハラ夫の決めセリフです。かなり時代錯誤なセリフですが、今だにこのセリフを本気で言う夫はいます。
今回は、そんなモラハラ夫の特徴とモラハラ夫への対処法を挙げてみました。参考にしていただけたらと思います。