妊娠中の運動はするべきなのか、そしてそのやり方とは

妊娠をすると動きにくくなり、下手に動くとお腹に危険を晒す必要があるので運動をしない方がいると思いますが、それはあまりいいことではありません。例え妊娠中でも様々な理由もあり、運動をした方がいいのです。

しかし、やはり一般の人と違う状態となっているので、下手に動くと母体に危険を晒すのは事実です。なので妊娠中にはどのように、どのような運動をすべきかを理解しておかなければいけません。

・妊娠中に運動をする理由

まず一般の方でも運動をしなければ食べたものが上手く排出されなくなり、その結果廃棄物、脂肪が溜まってそのお陰で体重が増えて肥満になってしまいます。

そしてこれは妊娠中の方でも例外ではなく、運動をしなければ食べた分の新陳代謝が機能せず、体内に廃棄物が溜まって体重が増えてしまいます。よく妊娠した後は体重が増えたという話を聞くこともありますが、その妊娠中の運動不足が原因である場合もあるのです。

当然体重が増えたら病気にかかりやすくなります。妊娠中に病気にかかったら体内の胎児にも影響が出るということは想像に難くないはずです。そうなったら難産になり、出産の際に母体自体に危険が生じる可能性が出てきます。

また運動をするということは体力作りでもあり、出産の際に母体がそれに耐えるためには体力も問われるので、運動をすることによって体力を向上させた方がいいということにもなるのです。

このような理由があって妊娠中でもしっかりと運動をした方がいいということになります。

・妊娠中に運動をしてはいけない時は

しかし、だからといってすぐ運動をするというのはいけません。妊娠中であるが故に運動をしていい場合としてはいけない場合もあるからです。

まず妊娠初期はまだ本人自体も体の安定がしないはずです。それは体内の胎児も同じであり、まだ安定をしていないので、この時期に下手に運動をすると流産をしてしまう場合があります。

そして当然のことながら、本人の体に何かしら異常が出ている場合にも運動は控えるべきでしょう。そのような状態で運動をして体力を消耗したら何が起こるか分かりません。

そういう意味では運動をする時期としては本人も体内の胎児の状態も安定している時にするのがいいということになります。ですが本人からしてみればそれが分からないということもあるので、医者に相談をして判断した方が安全でしょう。

・妊娠中にはどういう運動をすればいいのか

当然のことながら激しい運動は論外となります。してしまうと本人の体力消耗の方が激しく、体自体に大きな負荷がかかってしまいます。妊娠中にそのようなことが起これば体内の胎児にも悪い影響が出てしまう可能性があります。

なので激しい運動になってしまうランニングといった走る行為が必要な運動や、ジャンプをしなければいけない運動をするのはいけません。平たくまとめて言えば一般的な競技系はしてはいけないということになります。

ではどのような運動をすればいいのかというと、運動というと激しい動きをするイメージになってしまいがちですが、ただ単に歩くだけでもしっかりと運動になるのです。実際に高齢者の方も歩くことで健康を維持しているという話もあります。

妊娠中の方も同じようにウォーキングをするのが一番でしょう。とはいってもウォーキングも長時間続ければ疲れてしまうので、しても１日３０分程度に留めておいた方がいいでしょう。

またウォーキングといってもダラダラと歩くのでは効果があまり出ません。なのでしっかりと姿勢よく歩くようにしましょう。何よりしっかり歩かないと転倒する確率が増えて、それによってお腹に衝撃を与えてしまう危険性もあるからです。

そしてそうした転倒の危険性を考えれば分かりますが、ウォーキングをするコースとしても転ぶ心配がないあまり道がデコボコになっていない平らなところでするのがいいでしょう。当然あまり遠くに行ってしまうと何かあった時に困ったことになるので、コースとしては近所の一定の範囲内を歩くようにするのがいいでしょう。

また雨の日等で外で運動ができない場合には、段差の上り降りをするだけでも十分な運動となります。もちろん段差を使ってのものなので、それによる転倒には気をつけて行いましょう。

また、普段から運動をしていた人とあまりしない人では当然差があります。普段からしている人はそのままやってもいいのですが、していない方は慣れないことをすると必要以上に体力を消耗するので、最初は短めに、そして少しずつ時間を増やして運動するようにしましょう。

・もしもの時のために

妊娠中はいつ何が起こるかわかりません。なので運動中に急に容態が変わってしまうということがあります。そうなれば本人はそこから動くことが困難になり、そのまま時間が経てば胎児だけでなく本人にも危険が及んでしまいます。

なので運動をするのなら、出来れば誰かに付き添ってもらうといいでしょう。そうすれば何かあった際にその付き人が病院か他の人に連絡をすることができます。

とはいっても毎回そうして人が付いてくれる可能性があるとは限りません。もし自分１人で運動する際にも携帯電話といった他人と連絡ができる手段を確保しておいた方がいいでしょう。

・まとめ

気をつけることも多くありますが、妊娠中に運動をすることは本人のためでも子供のためでもあります。何より妊娠をして子供を生むまでは確かに大変ですが、その子供を生んだ後も育児で大変です。

適度な運動は体だけでなくストレスの解消もできて、精神面でも健康になることができます。そしてその精神面で健康になっておくことは育児をする上ではプラスに働くはずです。

一番大事なこととしては、義務的にやるのではなく本人が進んでやることです。折角の運動も楽しんでやらなければストレスになってしまうからです。妊娠中で活動も制限されて大変な時期だからこそ、運動も一種の楽しみとしてやっていきましょう。