30代に突入すると、次第にお肌のハリがなくなったり、くすんだり、シミが増えてきたりと、衰えを感じる人も増えてくるのではないでしょうか。そんな私たちの心を惑わすかのように、次から次へとあふれ出る化粧品。一体どこの何がいいのか、わからなくなりますよね。
口コミのランキングサイトで評判の良いものを使ってみても、自分の肌には合わなかったり。何が本当に自分の肌に合うのかわからないまま、次から次へと化粧品を買い換えてしまうコスメジプシーになってしまった人も少なくありません。
今回は、そんな苦労から抜け出せる、本当に良い化粧品とは何かという基本的かつ絶対的な条件について、業界にいなければなかなか得られない、真の情報をお教えいたします。
化粧水、乳液、美容液、ジェル、クリーム・・・。普段使用している化粧品の中で、水が使用されていないものはほとんどないといっても過言ではありません。成分表示を見ると「水」と記載されているのが確認できますよね?
同時にそれぞれの水の特徴を良く知らないと、逆に肌荒れやニキビなどの原因にもなってしまう、ということを皆さんはご存知でしたか?
化粧品の成分には「精製水」が使用されるのが通常です。精製水とは、普通の水道水から、不純物を取り除いた水のことをいいます。
それ以外にはどんな水があるのでしょうか?精製水以外のお水で美容効果が高いもの、と聞かれパッと思い浮かぶものとすれば、
などがありますね。
今回は上記の水のほかに、今、化粧品開発業界で最も熱い視線を注がれている魔法のお水、「機能水」について解説いたします。
精製水は、雑菌の増殖を抑える塩素を除去してしまうため、作り置きはせず、化粧品製造工場で化粧品製造時に作るのが一般的です。工場内に精製水製造タンクがあって、蒸留やイオン交換樹脂、逆浸透膜といった不純物をろ過する機能を併用して、水道水の中に含まれる様々なものを取り除きます。
イオン水とは、水を電気分解させ、分子をイオン化させた水のことです。人間の健康なお肌のpHは4.5~6.0で、弱酸性(中性はpH7)ですが、イオンの量を調整し、人間の肌よりも少し酸性またはアルカリ性の性質を持たせることで、ピーリング効果や殺菌効果が得られます。
バラの花びらを集めて釜で煮ると、水蒸気とともにバラの香り成分が上がってきます。この蒸留水がローズウォーターです。水そのものの効用ではなく、溶け出しているバラの香り成分(フェネチルアルコール、シトロネロール、ゲラニオール、リナロール)に、抗菌作用や抗炎症作用があります。
海洋深層水とは、海の表面から200メートル以上も深海に存在している、表層とは異なる特徴を持った水のことです。日本では、沖縄諸島にある久米島などが有名ですね。
深海なので太陽光が届かないため、光合成を必要とする有機物が少なく、その有機物のえさとなるミネラル分がイオン状態で豊富に残っています。また病原菌なども非常に少なく、一言で言えば栄養豊富でキレイなお水というわけです。
水の中には「機能水」と呼ばれるすばらしい効果を持つ水があるのをご存知でしたか?機能水とは、超音波や電解装置などを用いて人工的な操作を行い、水を特殊な形にしたものをいいます。
非常に分子が細かいクラスター水やナノバブル水、通常のイオン水よりもはるかに純度が高く、肌への刺激が少ない三室型電解水などがあります。
また良い水は水だけでもリフトアップ効果があります。また細胞自体を活性化させる効果もあるという報告があり、美肌に必要なターンオーバーを促してくれる効果もあります。
よく○○エキス配合、とありますが、実はその多くが含有量1%前後です。3%以上にもなると、ものにもよりますが、人によっては効き過ぎてしまい、かぶれたり炎症を起こしてしまったりするので、実際はそんなに配合できないのです。
ちなみに、成分表示は、内容量が多いものから順に記載されます。ただし1%以下のものは順不同で、どこからが1%以上でどこからが1%以下なのかは、製造元に問い合わせない限りわかりません(問い合わせても製造上の機密として教えてくれない可能性が高いですね)。
化粧水の目的は「お肌に水分を与えること」と「お肌を整えること」です。要は、夏のひび割れた地面を思い浮かべてみて下さい。そこに水をまくとひび割れがおさまり、地面が平らで均一になりますよね?それと同じです。
本来、人間のお肌は、汗という自前の化粧水と、皮脂という自前のクリームを持っているのですが、メイクをしたり、空調や紫外線の影響などもあって、自前の分だけでは足りなくなってしまいます。そこで化粧品で補うわけなんですね。
また少しアルカリ性よりのものを使用することで、クレンジング効果(油分と混ざり合い。皮膚から化粧品や汚れを取ること)が得られるものもあります。つまりなんと水だけで「クレンジング(アルカリ性)・ふき取り(酸性)・保湿(弱酸性~中性)」ができてしまうのです!
化粧水をお肌につけただけでは、お肌の表面から水分が蒸発してしまうので、同時に、お肌に薄いベールを作る役目の油分を補う必要があります。これも水にこだわったジェルなどをおすすめします。
一般的なクリームは、水と油を混ぜるために石油由来の成分(合成界面活性剤)を使用していることが多いのですが、石油由来の油分は、人体に浸透しにくい性質を持っています。だからこそ一見、長く保湿してくれるように思いがちなのですが、逆にいうとそれだけお肌の呼吸を妨げてしまうということ。
また、よく石油系がお肌に良くないといわれていますが、その究極の理由は、石油だけが人類の歴史上、肌へ使用した歴史が浅いから、何百年という長期に渡って使用した結果の先に、どの程度人体に害があるものかわからない、というところなんですね。
元々自分の肌にある成分なので肌荒れも起こしにくい上、ジェル状だとゆっくり水分を保湿しながら、最後に油分の膜を作ってくれる理想の美容液として機能してくれるからです。
ですが実際は、ラップでお肌を覆われているのに近い状態のため、お肌が呼吸できません。また雑菌も繁殖しやすいためニキビが出来やすいなどといったトラブルの元にもなってしまうのです。
テスターや対面販売では、つけてすぐのテクスチャーによって購買が左右されるため、シリコンを入れることも多いのが実情です。
人気の高い有名なメーカーのものでも、成分を1つ1つ調べていくと、半分近くがシリコンだった、というものもあります。今はインターネットで成分を入力すれば、それが石油由来なのか、シリコンなのか、など簡単に検索できますので、ぜひ調べてみて下さい。
化粧品の成分表示上の決まりは、どんな水であっても「水」としか記載できない決まりになっています。また、効果効能についても、伝えていいこととダメなことが非常に厳格に法律で決められているのです。
よく、○○エキス配合により「お肌に透明感が出ます」なんていうキャッチフレーズをPOPなどで見たりしませんか?あれは規制上はNGなのです。特定の成分に特定の効果がある、あるいはそうと勘違いさせる表現をしてはだめなんですね。
もちろん「美白効果があります」とか「リフトアップします」なんていうのもNG。この決まりに従って表現すると、「お肌を整えます」「ニキビを防ぎます」のようなものにしかなりません。もちろん化粧品に含まれる水に前述のような具体的効果がある、なんていうことは言えないのです。
そのため、一般の消費者にとっては、本当の効果というのが実は見えづらい仕組みになっているのです。
化粧品の効果について、成分や使い心地、ブランドなどで選んでいたかもしれませんが、実は着目すべきは水の種類にあったのです。また、良い水はそれだけで十分、化粧品としての機能を果たしてくれるのです。
ぜひこれを機会に水にこだわった商品選びをしてみて下さい。インターネットで三室型電解水などと検索をかければ、それを使用しているコスメもいくつかヒットします。30代に水にこだわったスキンケアをすることで、将来のお肌の透明感やハリが全然変わってきますよ。