筋肉トレーニング、膝痛や腰痛の悩み解消に効果絶大!

筋肉トレーニング、膝痛やのイメージ画像
筋肉を鍛えるのは、年を取ってからこそが本番です。そう言うと、友人は「えーっ、もういいよ」と返してきますが、本当ですよ。50歳代60歳代になると、膝痛や腰痛の悩みを訴える友人が多くなりますが、その訴えを聞く度に私は、自分が通ったスポーツクリニックでの筋トレのことを思い出し、みんなに筋トレを勧めます。

スキーで転んで膝をケガ

私は、何年か前にスキーで転んで、膝をケガしました。膝をうまく曲げることができなくなり、腫れもあったのでスキーは中止。でも、歩くことはできたし、椅子とベッドの日常生活は難なくできるし、「そのうち治るだろう」としばらく放っておきました。

若い頃にも、スキーで転んで膝を打ったことがありましたが、その時も、そのうちに治ったので、つい軽く考えてしまったのです。ところが、何ヶ月経っても、膝はなかなか曲がりません。歩くのに支障はないけれど、正座で膝を折ることが、どうしてもできないのです。

初めのうちは、「若い頃より治りが遅いのは当たり前」と勝手に納得していましたが、それにしても治りが遅すぎます。半年経って、ようやく重い腰を上げて整形外科の門を叩きました。スキーで痛めた膝だったので、病院は、スポーツクリニックを選びました。以前友人から、息子さんがサッカーでケガをしたときに行ったスポーツクリニックのリハビリがとても良かった、と聞いたのを思い出したからです。

スポーツクリニックでのリハビリは、膝まわりの筋トレ

スポーツクリニックを選択したのは、大正解でした。お医者様から「半年も放っておいて!」と叱られつつ、レントゲンとMRIで膝を撮影したところ、膝の内側側副靭帯(ないそく・そくふくじんたい)というところが損傷していることが分かりました。

すぐにリハビリが始まりました。実は側副靭帯というのは、放っておいても自然にくっつくことはくっつくのだそうです。ただ、正しくくっつかないと、いろいろと問題が起きます。リハビリは、理学療法士の方に膝をマッサージしてもらうことから始まりました。

そして、リハビリのメインは、膝周辺の筋力をつけることです。ベッドの上で足を上げたり降ろしたりすることから始まり、床で正しい姿勢で立つこと、ふらつかずにつま先立ちをすること、足を一歩踏み出して強く踏みしめること、右や左に踏み出して強く踏むこと、などなどをまず教わりました。

椅子に腰掛けて膝に直径15センチくらいのボールを挟んで膝を上げ下げする、という運動もありましたし、階段の昇降運動や、腰ダメにしてモモを意識しながらゆっくり歩く、という運動もありました。ひとつひとつの私の動きを見ながら、理学療法士の方が「膝は内側に入らないように」などと、トレーニングが逆効果にならないように気をつけるべきことも言って下さいました。

理学療法士の方が、運動の仕方を教えながら自分のモモを私に触らせてくれたことがあります。そして私のモモをペタペタ叩いてみたら、まあ、なんという違い! 理学療法士の方のモモはキチッとしていて堅いのに、私のモモはぷよぷよしていて、まるでお豆腐みたいでした!

なるほど、これがスキーで踏ん張れなくて転んだ理由なんだなーと、深く納得しました。年とともに落ちてきた筋力を、なんにも自覚せずにほったらかしにしていた報いが、あの転倒だったわけです。

筋トレの効果は、ひと月ほどで目に見えるように

リハビリは病院に行くときだけではなく家でも毎日続けるように、ということだったので、朝15分だけ早起きして、タラタラでも何でもいいから、教わったことをとにかくやるようにしました。すると、1カ月ぐらいした頃に、驚いたことに、自分のモモが堅くなってきたのが分かったのです!

タラタラしかやっていなかったのに、続けるってすごいことなんだなー、と実感したものです。それまでは、蹲踞の姿勢なんか全然できなかったのに、なんの苦もなく蹲踞ができるようになったことにも驚きました。そうして、3カ月ほどのリハビリで、なんとか正座もできるようになりました。

腰痛予防の筋トレも教わる

正しい運動をすると、こんなに筋力がつくのだと感動した私は、ついでに腰回りの筋力をつける運動も教わることにしました。それほどひどい腰痛を感じていたわけではないのですが、「ちょっと腰痛もあって」と訴えたら、やはり病院です、MRIの撮影から始まってしまいました。

腰痛はさほどのことではないと、MRIでも分かったわけですが、とにかく簡単な運動を教えてくれました。堅いベッド(または床)の上に仰向けに寝て、片手を背中(おへその下のあたり)に差し込んで、お腹をぎゅっと引き締める、という運動です。その時、下腹部が堅くなるように力を入れると良いのだそうです。

理学療法士の方は、「インナーマッスルを鍛えることが大事です」とおっしゃいました。インナーマッスルとは「体幹筋」、からだの内側で背骨やお腹を包んで支えている筋肉のことだそうです。

腰痛は、若い頃に一度ぎっくり腰をやり、40歳代でも腰の痛みで病院に行ったことがあります。いずれ腰痛に悩まされる日はくるだろうと感じていたし、私の周辺では、夫も妹も妹の夫も、みんな腰をさすっていました。さっそく、教わった運動を毎日やるようにし、「インナーマッスル、インナーマッスル」と呪文を唱えながら、夫にも妹にも、それを教えました。

スポーツクラブでピラティス

そうこうしていたある日、ふと、スポーツクラブの教室を覗いてみたらピラティスをやっていて、それは理学療法士の方に教わった腰痛予防の運動ではありませんか!

「ネーブル トゥ スパイン」と インストラクターが言っていましたが、要するに「ネーブル(おへそ)」を「スパイン(脊柱)」にくっつけるつもりで、ぐっとお腹を引き締める運動です。深い呼吸をしながら、インストラクターの「くっつけて、くっつけて、くっつけて」のかけ声に合わせておへそをぐんぐん背中にくっつけるようにすると、確かに下腹部がぎゅーっと締まって堅くなってきます。

ピラティスの教室では、このほかに骨盤の運動や肩胛骨の運動もします。しめた!と思いました。これを毎週続けたら、きっと私は、腰痛の不安からも解放されるでしょう。

年を取ってからこそ、筋トレ

50歳を過ぎてからこそが、強い筋肉がモノをいう、と今は思っています。もちろん、「筋肉ムキムキ」の筋肉ではなく、体をしっかり支えるための筋肉です。

若い頃とは違って、放っておけば体は衰えていきます。でも、ちょっと意識してちょっと運動すれば、必要な筋肉は維持・強化できるのだということを、スポーツクリニックで体験しました。それを考えると、スキーで転んでケガをしたことも、ある意味、良かったこと?と言えるかもしれません。「災い転じて福となす」ですね。

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