コミュ障女子の悩みのひとつに「話が広げられない」というものがあります。一方、女性はコミュニケーション上手でおしゃべり好きというイメージがありますよね。
「自分は女だけど、どこがコミュニケーション上手じゃ!」。コミュ障女子は、女性の一般的なイメージにあてはまらない自分についてまた落ち込んだりするわけなのです。今回は、どんな人とでも話を広げることのできるコツをお伝えしようと思います。コミュ障女子でも大丈夫ですよ!
A:あなたの趣味は何ですか。
B:テニスです。
A:あなたの趣味はなんですか。
B:映画鑑賞です。
A&B:…。
初対面ゆえに情報がほとんどない相手と話をしなければならない場合もあることでしょう。コミュ障女子にとってはつらいシーンです。ですが、むりやりに話のとっかかりを作ろうとして「趣味はなんですか」式の質問することが既に間違っています。
自分にも興味のある答えを相手が言ってくれるのなら、なんとか話を広げられる可能性もありますが、必ずしもそううまくいくわけではありませんよね。
では、興味のない答えが出た時に話を広げる自信がありますか。自信がないのなら、すぐに話が終了するような質問は最初からしない方がいいでしょう。
質問にはクローズドクエスチョンとオープンクエスチョンがあります。クローズドは、相手が「はい」か「いいえ」で答えたらよい質問、オープンは相手が自分で選択して答える質問です。
例えば、クローズドでの質問は「あなたの趣味はテニスですか」。相手は「はい」か「いいえ」で答えます。「あなたの趣味は何ですか」はオープンクエスチョンにあたります。
初対面で話が盛り上がりそうもない相手にいきなり「趣味は何ですか」などのオープンクエスチョンをぶつけるのは、相手に警戒心を与えるので危険なのです。「この人にどこまでの情報を与えたらいいのだろう」。
相手があなたのことを、はかりかねている段階でオープンクエスチョンをびしばしぶつけると、相手はますます心を閉ざしてしまいます。なので、こんな場合は、変化球クローズドで攻めてみましょう。
A:○○さんってがっしりしていますよね。ラグビーとかやられていたんじゃないですか?
B:いえ、スポーツはあまり得意じゃなくて。もともと、こういう体型なんです。
コツは、2つ。
というところです。誰でも褒められると悪い気はしませんし、褒められたポイントが自分には不相応だと感じると、自然にそうではないという理由をあせって話がちになりませんか。
自分が「褒められ&クローズドクエスチョン」をされたときのことを考えて見て下さい。「いえいえいえ!そんなことはありませんよ」という流れになりそうな気がしませんか。そして、続けざまに、あなたはいろいろ自虐トークをしているはずです。
A:○○さん、すらっとしてますよね。子供のころ、バレエやってたとか?
B:いえいえいえ!そんなことありませんよ。私ガサツだし、バレエなんて性に合わないです。
「休日どうしてた」も、ややもすると話が広がらない質問になり下がりますよね。美容院などでよくある会話です。
A:このまえの休みはどうされていましたか?
B:買い物に行きました。
A:そうですか。どこに買い物に行きましたか?
B:○○です。
A:そうですか。何を買いましたか。
B:ワンピースです。
A:そうですか。
A&B:…。
この人と話が盛り上がらないなあ、と思っているのなら、最初からこのタイプの質問をすることは間違えていると言ってもいいでしょう。そもそも、ほんとに相手が休日何をしているのか興味があって質問していますか。
ないのならば、自分にも興味の持てる内容をおりまぜつつ、ストーリー仕立てで話を進めましょう。
A:このまえの日曜日、起きたらもう夕方だったんですよ。○○さんは日曜日何されていました?
B:買い物に行きました。
A:何時におうちを出発したんですか?
B:朝の10時です。
A:うわ~早起きっ!よっぽどいいもの買えたんじゃないですか。
B:ワンピースを買いました。
「自分は無駄な一日を過ごしたけども、相手は有意義な一日をおくった」というストーリーに仕立てています。相手はただ買い物をしてワンピース買ったとしか答えていませんが、なんだか話が広がっている風に聞こえませんか。
相手が出かけていないならこんな感じです。
A:このまえの日曜日、起きたらもう夕方だったんですよ。○○さんは日曜日何されていましたか?
B:一日中家にいました。
A:えっ?一日中家にいたんですか?もしかして、休日はおうちで過ごすタイプですか?
B:どちらかというとそうです。
A:へー!なんだか意外です。Bさんは、休日は早起きしてアクティブに動くタイプかと思っていましたよ。
「相手の意外な一面を知って驚く」というストーリーです。あとは、相手が何を答えようが、驚き続けて下さい。終始「意外だ~!」というリアクションをとりつづけましょう。
話が広がりやすい話題というものは、確かに存在します。以下、各話題ごとに見ていきましょう。
話を広げたい相手に子どもがいたり、ペットを飼っている場合は、そこは話の広がるネタの宝庫です。子供とペットの話は、こちらが話を広げる努力をしなくても適当に相槌打ってるだけで広がっていきます。
A:お子さん、何歳になられましたか?
B:6才です。
A:え~じゃあ小学生ですか。かわいらしい時期ですよね。
A:いやいやでも大変だよ。
以下相手から出てくる子どもに関するエピソードや苦労話をただただ聞きましょう。ペットに関しても同様です。
血液型・星座などにまつわる性格の違いは、他愛ないものでありつつ誰も傷つけないので、話を広げるテーマとしてはうってつけです。人には血液型がらみの思い出が必ず一個や二個はあります。
血液型の話は、人が多ければ多いほど、盛りあがるネタです。例えば、その場にいる4人全員B型だった、とか、4人が全員違う血液型だったとか、その場にいる要員の構成だけでもなんらかの偶然は起きますから盛りあがったりするのです。
ただ、この手の根拠のない占い的な話を嫌う人もいるので、気をつけましょう。「自分はA型なのに、人からはB型っぽいと言われる。ところで、血液型のタイプ分けって信じてる?」などと、さらっとアンチ血液型派かどうかをチェックして、アンチなら血液型の話は膨らませないようにしましょう。
「暑いですね」「寒いですね」。あたりさわりのない天気の話は、大人の世間話にうってつけだと言われますが、さすがにあたりさわりがないだけに、話が広がらなかったりすることもあります。
「今日は暑いですね」
「そうですね。暑いですね」
終了…。
例えば、相手から暑い寒い系の話を振られた場合は、相手の服装や様子に言及すると話が広がります。
A:暑いですね。
B:暑いですね。うわあ、○○さん汗だくじゃないですか。よっぽど暑かったんですね。
A:そうなんですよ、もう着替えたいです。
B:あはは。
逆のパターンもOKです。
A:暑いですね。
B:えっ○○さん、全然暑そうに見えないですよ。いつも涼しげに見えますよね。
A:そうですか?
B:涼しげですよ。私なんてすぐ汗だくになってすぐメイクが落ちちゃうから、うらやましいです。なにか秘訣でもあるんですか?
相手の服装や体感は、話が広がるツールです。暑い寒い系の話が始まった時、相手のことを観察していれば、つっこみどころはいくつかみつかるはずです。暑いのに長袖着てるとか。寒いのに、ヘアスタイルはどうみても床屋行きたてで寒々しくなっているとか。逆に暑さゆえ汗だく過ぎる、寒いからガタガタ震えているなどなど。
相手が男性か女性かによっても、話を振るテーマを変えましょう。さらに、世代によっても変えるようにしたいところ。
女性にはその人にとって身近な話をテーマに振り、男性にはうんちくをいいやすいテーマを振りましょう。女性は「自分はこう思う。自分はこう感じた。」などと自分の感情にフォーカスして話す傾向があります。男性は、自分の感情ではなく客観的な事実を論理立てて話そうとします。
男性は、最終的に「俺は人よりすぐれている」という方向に話を持っていこうとしますので、「すごい」「さすがですね」などと褒めるようなリアクションをすると話が広がっていきます。女性にはひたすら共感のリアクションをしめしましょう。
さらに男女だけでなく、年代ごとに食いつきそうなテーマをみつけておきましょう。10~20代女性なら「アナと雪の女王(ちょっと古いかも)」、子供なら妖怪ウォッチなどの流行モノの話をふると盛りあがりますよね。基本的に若者なら流行のものの話を振れば無難です。
では、オジサマ世代にはどんな話題を振れば話が広がるでしょうか。オジサマ世代が年下に向かって話をしたくてうずうずしているネタがあります。それは、自分の武勇伝と「最近の若者は」式の話です。
最近の若者がいかに軟弱で頼りないかと言う流れを作るように話を振りましょう。最終的にオジサマが何を言いたいかというと「俺スゴイ」です。俺スゴイの流れに乗れば、あなたは相槌を打てばいいだけです。自動的に話が進みます。
オバチャン世代に振る話題は、どんなテーマでもOK。基本的にオバチャン世代は、サービス精神旺盛かつ自己中心的です(矛盾しているようですが…)。つまりは、自分の話ばかりして相手の話を聞かない。
なので、どんなささいなテーマでもぐいっと自分の話にひきつけて話を続けてくれます。いわば、どんな悪球でも打ち返してくる器用なバッターです。
この世代の女性には特に話を広げる工夫はいりません。彼女たちがどんな話題でもぐいぐい自分にひきつけて華麗に打ち返してくるのをただただ眺めてればいいのです。
この世代は、ジェネレーションギャップにまつわる話を振りましょう。つまりは彼らの昔の苦労話。モノがなかったころの話に水を向けると、「今の人たちは贅沢だ」「昔はこんな風にモノがなく不便だった」式の話が止まらないほど出てくるはずです。
コミュ障女子は、自分は話が上手ではないから話を広げられないと考えているかもしれません。ですが、話を広げるのに特に話術は必要ありません。話を広げるコツは、話題のチョイスと相手の観察と上手な相槌です。
「話を広げる」というと、自分がなんらかの話を掘り下げたり、膨らませたりして話をするというイメージがあるかもしれませんが、本当は自分がすることではありません。話を広げるのは相手なのです。
要は相手がどれだけ気持ちよく話してくれるかということ。むしろ、「話を広げるのは、自分の話をするのが苦手なコミュ障女子こそ向いていることだ!」くらいの自信を持ってトライしてみてください。