臨月にもなると、赤ちゃんを迎える部屋作りや入院準備も一通り済んで、後はお産の時を待つのみ!となります。しかし、妊婦のゴールは出産ではありません。赤ちゃんが生まれたその瞬間から母親としての生活がスタートします。ここでは「産後の入院生活の過ごし方」を紹介します。
長い妊娠生活、出産へのプレッシャー、分娩での身体の負担など、産後は身体にも心にも、かなりの疲労がたまっています。お腹の中にいた赤ちゃんにやっと出会えて、気持ちも高まっていると思いますが、まずは自分自身を休ませてあげましょう。
母子同室ならば赤ちゃんと一緒ですから、泣いたりしたらすぐ対応しなければなりません。その場合は赤ちゃんが眠っているときに自分も一緒に眠りましょう。もしも、赤ちゃんのことが気になってなかなか寝付けない場合には、数時間でも良いので助産師さんにお願いして赤ちゃんを別室で預かってもらいましょう。
赤ちゃんが生まれたらいろいろな人に会わせてあげたいですよね。ですが、面会中はお客さんの対応に追われて休むことができません。
赤ちゃんのお世話で睡眠不足だったり、人によっては会陰切開や帝王切開の痛みで動けなかったりと、産後はお客さんに気を遣う余裕がないものです。もしも面会OKとするならば家族や親しい友人に限っても良いでしょう。面会を制限できる病院もありますので、確認してみてください。
中には、入院中にはあまり会いたくない人物が面会に来ることがあるかも知れません。その場合は比較的身体が回復してきているであろう、入院3日目以降にお願いしましょう。いずれの面会も、滞在時間は短くしてもらい、少しでも休める時間を確保してください。
また、入院期間中は診察や沐浴練習がありますので、その時間の面会は外してもらうようにします。面会に来る前に連絡をもらいましょう。余裕があれば赤ちゃんとの写真を撮ったりもすると思いますので、面会前には授乳を済ませ、赤ちゃんをごきげんにさせてあげましょう。
退院してしまうと「こんなことで病院に相談しても良いかしら・・・」と、問い合わせることに遠慮がちになってしまいますから、入院中に不安は解消しておきましょう。
さて、産後の身体づくりの基本となるのは、「食事」と「休養」です。入院中に出る食事は産後の身体に優しく、母乳のためにも栄養豊富な内容となっています。良く噛んで、できれば完食を目指しましょう。献立表を持ち帰ることのできる病院もありますので、退院後の食事の参考にもなります。
また、身体の中では妊娠中大きくなった子宮や骨盤が元に戻ろうとしていますので、立ったり座ったりすることは少なくして休みましょう。横になりながらできる産褥体操もありますので、助産師さんや医師の許可を得てやってみるのも良いでしょう。
初めての授乳、おむつ替え、着替えなど入院中の赤ちゃんのお世話は初めてづくしです。やり方は助産師さんや看護師さんがサポートしてくれますので、何度も繰り返して覚えていきましょう。わからないことがあれば些細なことでも聞いて、メモをとっておけば、退院してからも役立ちます。
一冊赤ちゃんのためのノートを用意しておいて、授乳の回数や便の量などを記録します。「おむつを濡らす回数が多い赤ちゃん」「眠る前の授乳が多い赤ちゃん」など個性がいろいろです。記録すると、赤ちゃんの特徴がわかったり、健康管理につながります。赤ちゃんのお世話をしながら、入院中に生活リズムを把握しましょう。
「分娩の経過はどうだったか」「生まれた時どう感じたか」などを記録しておけば、いつか赤ちゃんが大きくなった時に振り返ることができます。
写真も撮っておいて、思い出に残しましょう。母子手帳に記入するだけでも構いませんが、書く欄が少ない場合にはノートを用意しても良いでしょう。また、手のひらサイズほどの付箋やメモ用紙に記入しておくと、後々赤ちゃんのアルバムを作る際に一緒に貼ることができます。
退院してしまうと、家のこともしなければならず入院中ほど時間がとれません。忙しく過ごしている間に、記憶や感動が薄れてしまってはもったいないですから、入院中に赤ちゃんの顔を見ながらゆったりとした気持ちで記録するのがおすすめです。
赤ちゃんが生まれると、ついつい、仕事のことや面会にくる友人のことなどが頭によぎる方もいるかも知れません。しかし、産後は身体も心も疲れ切っている中、赤ちゃんとの生活を進めていかなければなりません。いろいろなことに気を回していると、混乱してしまいます。
赤ちゃんの体調を細かく観察したり、抱っこして安心させてあげたりできるのは、近くにいるママが一番上手です。「この子はどうして泣いているのかな」「どうやったらおっぱいが飲みやすいかな」など赤ちゃんが健やかに過ごせるよう、入院中にいろいろ試してみてください。
また、ママの調子が良くないと赤ちゃんも不安になってしまいます。自分のことを大切にして、無理をせずに過ごしましょう。入院中は助産師さんや看護師さんがすぐ近くにいますから、遠慮なくナースコールを押してください。いろいろと教えてもらい、実践しながら、退院後の赤ちゃんとの楽しい生活につなげていきましょう。