便秘の人は気をつけて!下腹部の激しい腹痛と血便に襲われるかも

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便秘ってそんなにひどい症状ではないですが、お腹がすっきりしなくて嫌な感じがしますよね。慢性的に便秘の方は色々気をつけた生活をしていると思いますが、「時々便秘になるけどそのうち出るから大丈夫」と普段は気にしていない方も多いのではないでしょうか。

私もたまに2,3日の便秘になる程度で、その時はプルーンを食べたり牛乳を多めに飲んだりすれば治るので毎日の対策はしていませんでした。でも便秘が原因で腸の病気になってしまったんです。

病気のきっかけは3日ほどの便秘でした。突然左のわき腹に激痛が走ったので、お通じがあるかもとトイレに行ったところで気を失って倒れてしまったんです。

意識が戻って便意を感じたのでトイレに座ったら、便と一緒に赤い血が出てきました。非常に驚いたのですが夜中だったし血も収まったのでとりあえずパソコンで症状から考えられる病気を検索しました。調べてみると「潰瘍性大腸炎」と「虚血性大腸炎」が怪しいことが分かり、翌朝病院を受診したところ予想通り「虚血性大腸炎」と診断されました。

虚血性大腸炎って何?

虚血性大腸炎とは何らかの原因で大腸の血の流れが滞り炎症が起きたり出血したりする病気です。動脈硬化が進んでくる50歳代が多いと言われていますが、若くてもかかる場合もあります。症状は激しい腹痛から始まってその後便と一緒に真っ赤な血が出ます。 内視鏡検査で調べることもありますが、症状が特徴的なので患者の説明だけで簡単に見分けがつくそうです。

この病気は腸壁にもともと血の流れが良くない場所があって、そこに便秘などで圧力がかかることが原因で発症します。また水分不足も血流が悪くなるので虚血性大腸炎の原因になります。例えば夏に脱水状態になったのがきっかけで発症することもあります。

虚血性大腸炎には短期間で治る一過性型と、しばらくしても大腸に症状が残る狭窄型、大腸の一部が壊死してしまう重症の壊死型があります。ほとんどの場合一過性型で短期間で回復します。狭窄型は腹痛や下痢などの症状が残り、経過を観察したあと症状がひどいようならば手術が検討されます。

一番重症である壊死型になることはまれですが短期間で症状が悪化します。時には死に至る場合もあるので壊死型が疑われる場合はすぐに検査して治療を始めなければなりません。壊死した部分は手術で取り除くことになります。

私の場合、症状を説明したらあっさりと虚血性大腸炎と言われました。まだ20代であることと一時的な下血で収まったので一過性のもので心配いらないだろうと説明を受けました。内視鏡検査も症状がはっきりしているし腸に負担をかけるからということで行わず様子を見ました。

治療法は?

一番多い一過性型の場合は特別な治療は必要なく、しばらく絶食したり安静にしていることで治ります。狭窄型であれば腹痛が続いたりしますので、安静にしていても気になる症状があるときは再度受診することをお勧めします。

薬は抗生物質が出る場合もありますが、私は整腸剤のみ出されました。安静が一番の薬とのことで、食事の量を減らして腸を休ませることにしました。初めは絶食しておかゆやうどんなど消化の良いものを少しずつ食べ、お通じが再開して大丈夫と感じてから普通の食事に戻しました。

どんな経過をたどるの?

一過性型の場合短期間で回復します。医師に言われた通り、食事の量を減らしてできるだけ安静にしてたら1週間ぐらいで体調が回復しました。おそらく下血したせいで体の調子がしばらく悪かったのではないかと思います。出血の量はそんなに多くはなかったのですがもともと貧血気味だったのか、立っているとフラフラしたので仕事を休んで横になって休んでいました。

便秘から激しい腹痛になったことを思い出して、次にちゃんと便が出るのか心配でしょうがなかったのですが普通にお通じがきてホッとしたことを覚えています。

それと再発することは少ないようです。私もまた同じ症状になったらどうしようと思って医師に聞いたのですが「1回しかならない人も多いよ」と言われました。虚血性大腸炎になった時から10年経ちましたが、医師の言う通りでその後は症状が出ていません。激しい症状の割にはあっさり治る病気で本当に良かったと思いました。

予防法は?

私が医師に言われたのは便秘に気をつけることです。若い人の場合ははっきりした原因が分からないことが多いけれど、腸に負担をかけることは減らしたほうがいいとのことでした。再発は少ないと言われても気になるので、普通の便秘対策と同じように食物繊維を多く含んだ食品を食べたり軽い運動をしたりして生活に気をつけるようになりました。

また、水分不足も血流が滞る原因なので夏場の脱水症状が原因で虚血性大腸炎になる場合もあるそうです。 特に夜寝ている間に汗をかいて自然と脱水が進むこともあるので注意が必要です。私も夏の夜中の発病だったので、便秘と脱水のダブルパンチだったのかもしれません。

便秘予防にも水分をとることは大事ですから、夏場は寝る前にコップ一杯の水を飲んだり起床時にも水分を取る習慣をつけるといいですね。

似た名前の「潰瘍性大腸炎」は難病指定

私が腹痛と下血で疑ったもう一つの病気に潰瘍性大腸炎がありました。安倍総理もかかった病気として有名ですね。腸に原因不明の炎症が起きて腹痛や血便を起こす病気で、発症年齢は10代~30代と若い世代が多いです。虚血性大腸炎と症状が似ていますが炎症の範囲が広くてなかなか完治しにくく、国の難病指定を受けています。

もし潰瘍性大腸炎であれば原因がはっきりと分からないため、完治させるための治療法は確立していません。薬物治療を行ったり食事の内容に気をつけたりして症状を落ち着かせていきます。若い世代に多いので女性としては妊娠できるか気になりますが、症状が安定していれば妊娠・出産もできるそうです。

虚血性大腸炎は多くの場合が一過性でそれほど心配しなくても良い病気のようですが、経験者としては気を失うほどの腹痛と下血は本当にびっくりしましたし辛かったです。便秘ってお肌の吹き出物も増えるし万病の元かもしれませんね。皆さんも時々便秘になるくらいだからと軽く思わずスッキリした毎日を送って病気知らずになりましょう。

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