「いつもお金を貯めようと頑張っているのだけど、どうしても途中でお金を使ってしまって貯められない!」こんな人も少なくないことと思います。実際、「お金を貯めよう!」と決意して、全く問題なくお金を貯められる人というのは、実はそう多くありません。
にも関わらず、こうした「お金を貯められない人たち」に対して、周囲の人や、時には自分自身でさえも「我慢弱い人だ」とか「意志が弱い人だ」と言って、非難してしまうのです。ですが、先ほども書いたように人間のほとんどは、そういう意味では「我慢弱い人だ」とも言えます。
それでは、なぜ人はお金が貯められないのでしょうか。この点に関しては、人間の様々な心の理由が関わっています。そうした心の理由をそれぞれご紹介した上で、自分がどれにあてはまるのか、そして自分はどうすれば貯金が出来るのかを見てみて下さい。
そもそも、人間は自分の手元からお金が減っていくよりは、自分の手元の財産が増えていく方が喜びを感じる生き物であることが分かっています。ですが、こうして考えてみると、なぜお金が貯められないのかがより不思議に思えてきます。
実は、人間がお金を消費してしまう、あるいはお金を消費してしまいたくなるのは、「何かをしている時」なのです。例えば、街中を歩いている時、ちょっとデパートに寄ってみた時、あなたは必要以上に色々なものを買ってしまうかもしれません。
ただ、こうした原因を聞くと「街中にも出るな、買い物にも出るなということか?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、ここで言いたいこと、最も重要なことはそこではありません。つまり、「ながら買い」を止めるということです。
このパターンの方は、まずスーパーやデパート、街に出かける時に「何のために出かけるのか」「何を買いたかったのか」をはっきりさせてから、買い物に出かける必要があります。どうしても欲しいものが見つかった時にはしょうがないのですが、これによって「ながら買い」はずいぶん抑えられるでしょう。
他の問題としては、お金を貯めて、それによって成し遂げたいことがないというパターンの場合があります。「お金を貯めて綺麗な服を買いたい」「お金を貯めたら引っ越しをしたい」といったように、お金で成し遂げたい目標が明確でない場合、お金を貯めるモチベーションがあがりません。
ただ、「私はいつも目標を持ってお金を貯めているけど、お金が貯まらないよ」という方もいらっしゃるかもしれません。そのために、自分の意志の弱さを嘆いたこともあるでしょう。ですが、こうした方は、お金を貯めることで成し遂げたい目標の立て方を間違っている可能性があります。
例えば、「綺麗な服を買いたい」「引っ越しをしたい」という目標はどこから生まれてきたのでしょうか。人によっては、「綺麗な服を身に着け、いつも自信溢れる自分でありたい」とか「引っ越しによって改めて気分を変え、生活に張りを出したい」といった目標を挙げる方もいらっしゃるかもしれません。
このように、お金で成し遂げたい目標は、自分の生活や人生にとってどんな意味があるのかを考えてみてください。それが成し遂げられると自分にはどんな変化が起きるでしょうか。貯金による目標の達成が自分にとってどんな意味を持つのかを考えることは、やる気を保つために非常に重要です。
当然ですが、人間は大きな目標があればそれに向かって努力することができます。ですが、目標が明確に定まらないままでは、「お金を貯めなければ」と頭の中では思っていても、なかなかそれを行動に移すことができません。まずは、人生におけるお金の意味について考えてみる必要があります。
このタイプは、他の2つのタイプと違う問題を抱えています。それは、「多少無理をしてでも短期間でお金を貯めようとしてしまう」という問題です。このタイプの人たちは無理をし過ぎたせいで、それが仇となって貯金が出来ないのです。
もちろん、短期間でお金を貯めようとすること自体が悪いというわけではありません。突然思い立って、あるいは必要に迫られて、短期間のお金を揃えようとすることもあるでしょう。むしろ、その場合の貯金は大抵の場合、上手くいきます。
ただし、このタイプの人たちは「そんなに焦らなくてもいいのに」ごく短期間の貯金期間を設定してしまう、あるいは一回一回の貯金額を大量に設定してしまうせいで、貯金がうまくいかないのです。それでは、このタイプの方たちはどうしたらいいのでしょうか。
まず、貯金をする上で最も大事なことは、「成功体験をすること」です。この場合の成功とは「一年間貯金を続けた」「時間はかかったが念願の車を購入できた」というものです。この成功体験が無ければ、貯金は続きません。
成功しないだけならまだしも、短期間での貯金によって、「いつも貯金がうまくいかない」と考えている人は、「前よりも気合を入れねば!」と意気込んで、さらに短期間で、あるいは大量の貯金をし始めるので、この貯金ができないループにはまってしまいがちです。
貯金に限らずなんでもそうですが、人間は無理をし過ぎると上手くいきません。まずは「出来るだけ毎日続けられる無理のない貯金額の設定」と「少し余裕を持った貯金期間の設定」をして、小さい成功を重ねた上でより大きな貯金に励みましょう。
世の中には貯金を出来ない人が大勢います。こうした方たちについて、人によっては、「我慢弱い」「持続力が無い」と、その性格が悪いかのように言うこともあるでしょう。ですが、むしろそうした人々の方が全体では大多数を占めているといっても過言ではありません。
つまり、貯金に取り組めない、あるいは貯金を持続できない性格が悪いのではなく、貯金に上手く取り組むために必要なやり方を習得できていないだけと言えます。これらには、いくつかのタイプがあり、それに適切な対処の方法があります。
自分のこれまでの行動を思い返して、例えば、「貯金期間には買いたいものをまとめる」「貯金と人生の目標を関連づける」「無理のない目標設定をする」といった、それぞれの対処法のうち、どれが自分に適しているだろうかと考えてみると、今後の貯金がうまくいくかもしれません。