熟睡するためのテクニックとして眠る前にPCやスマホの画面を見ないようにしたり、安眠作用があるといわれるラベンダーを使ったり、自分の頭に合った枕を試したり、光が入らないように真っ暗闇の環境を作ったりします。
これらのように外部環境を整えたとしても実は熟睡できない人は多いです。熟睡できない最大の原因は口呼吸をしているからです。
鼻でも口でも空気が取り込めれば関係ないんじゃない?と思うかもしれません。しかし本来の用途として鼻は空気を取り入れるためのものであり、口は食べ物を咀嚼するところです。鼻呼吸の大切さがわかれば、口で呼吸することがどれだけ危険なことか理解できると思います。
鼻気道の表面には絶えず粘液が流れていて、その粘液に体内に取り込みたくないホコリやハウスダストなどを吸着します。それが鼻水となって体外に排出される仕組みになっています。
その粘液が常にあるために鼻はどちらかが詰まっている状態になっています。実際に左右交互に鼻呼吸してみるとどちらが詰まっているかよくわかります。
どちらの鼻が詰まるのかは自律神経が最適な状態になるように調整してくれているのでわたしたちにはわかりません。
鼻とノドの間にある副鼻腔という多数の穴がありますが、そこを通過することで適正な温度の空気を体内に取り込むことができます。さらに副鼻腔は乾燥した空気をも加湿してくれる働きもあります。
風邪をひくと腫れる扁桃腺(へんとうせん)がインフルエンザ菌などの病原菌を消化してくれるのです。扁桃腺が腫れるのは身体の免疫システムが正常に働いている証拠です。
口には鼻にある粘液も副鼻腔も扁桃腺もありませんから、病原菌をそっくりそのまま取り込むことになります。また乾きすぎて冷たすぎる空気をそのまま肺に流し込みます。
その口呼吸を眠っているあいだ常に行っているとすれば、風邪をひきやすくなるのは当然の結果だということができます。
口呼吸はあくまでも睡眠時や平常時に気を付けることであり、スポーツする場面では鼻呼吸では空気を多く取り込めないので口呼吸も必要だと考えることができます。
水泳の息継ぎは口から行ないますが、陸上と異なり加湿された空気を取り込むのでそれほど大きな弊害はありません。重力の負担が減ることで関節への負担も軽減されますし、喘息の治療に薦められるスポーツなので積極的に取り込んで大丈夫です。
ただし水泳以外のときに口呼吸が習慣にならないように意識することが重要です。
初心者向けのトレーニングとして
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というように強度に合わせて呼吸を変えていくものがあります。呼吸でリズムを作ることもできますし、口から呼吸することを防ぐ効果もあります。
急激に身体を動かすと身体は酸欠状態になってしまうので多くの酸素を取り込もうと口呼吸になってしまうのは仕方のないことです。激しい運動をしたあとは免疫システムを修復させるために睡眠時間を普段よりも多めにとる工夫が必要です。
普段あまり気にしないことですが、舌はどのような状態になっていますか?舌の先が上の前歯のすぐ後ろの歯茎にあたっているのが正常な位置です。前歯に舌先が当たってしまうと常に押している状態で歯列が崩れてしまいます。
眠っているあいだも口呼吸している可能性が高いです。なぜなら舌先が上の歯茎にあたっていれば、口呼吸することが困難だからです。口呼吸を改善するにはまず舌を正常なポジションに持っていくことが重要です。
舌先を上前歯の歯茎に持っていくと、自然と舌全体が持ち上がるのが実感できると思います。舌全体を上あごにぴたっとくっつけることで自然と鼻呼吸にすることができます。
舌全体を上あごに吸盤のようにさせることで口角が上がります。肉眼で確認すると表情筋がわずかに動くのがわかります。口角が常に上がっているので笑う準備ができている状態ですからすぐに笑顔になることができます。
次に舌を上あごから離して、上あごと舌の間に空洞を作るようにしてみてください。すると口角が下がるだけでなく口全体が重力にひっぱられて半開きになります。その表情から笑顔までもっていくにはかなり無理があります。
舌を上に持ち上げるだけであごが疲れてしまう人もいるかもしれません。舌の筋力が弱いのが原因なので、気が付いたときに意識的に舌を上あごにつけるように練習するだけでかなり力がついてきます。
鼻呼吸しながら就寝するのが目的ですが、まずは起きている状態で鼻呼吸を習慣づけるようにしましょう!
鼻呼吸をすることで得られるメリットは
などなど枚挙に暇がありません。
鼻骨の下にツボがあります。そこを指で押さえながら鼻呼吸をすると慢性鼻炎の人も驚くほどの効果を発揮します。鼻が詰まっているときも鼻骨下のツボを押さえながら鼻呼吸を繰り返すとわずかに空気の通り道ができて、細く長く息をすることができます。
細く長く息をすることはヨガの基本的な呼吸法なので、自律神経が正しく機能させてストレスを受けにくい体質を作ることもできます。
しかし常に指でツボを押さえるわけにもいかないので、ブリーズライトなどの器具を使うと鼻孔が勝手に拡張されて非常に便利です。
さらに大人用おしゃぶりとしてブレストレーナーという商品もあります。眠るときだけ器具を使うと気になってしまうので、在宅しているときには常に装着するなどの工夫が必要です。
夜になると眠らなくてはいけないというプレッシャーでかえって目が冴えてしまうこともありますが、ブレストレーナーを装着してお昼寝するのをオススメします。
お昼寝なら眠らなくてはという強迫観念から眠るのではなく眠たいから寝るんだ!という自発的な要因で積極的に眠ることができるからです。
鼻炎や副鼻腔炎だからと諦めずに今からでも遅くありませんから鼻呼吸を練習しましょう。舌のポジションさえ正しくすれば自然と鼻呼吸になるので、まずは舌の位置を正しくおくところからはじめましょう!