出産を経験された女性は、特に初めての出産後の悪露に驚かれたのではないでしょうか?女性は産後、悪露として大量の血液が身体から流れ続け、しかも産まれたばかりの赤ちゃんにも母乳から栄養を与えなければならないのです。
ダブルで栄養素が身体から排出していくため、産後の食欲はすさまじいと言います。通常は、産後少なくとも1ヶ月は寝たきりで安静にして、栄養バランスの行き届いたものを食べ、赤ちゃんに栄養を与えつつ、悪露が止まるのを待つのが良しとされています。
本格的に主婦業を頑張るのは、必ず悪露が止まってからですよ!出来れば1ヶ月検診が過ぎるまでは、ベッドに寝たきりで、必要最低限のトイレやお風呂のとき以外は立ち上がらない生活を送りましょう。
時期や色は個人差があります。問題は、血液色の物が1カ月以上たっても止まらずに、量も多い場合です。
赤ちゃんを送りだした子宮には、赤ちゃんが体内にいたときに、栄養素を送りこんでいた太い血管がつながっています。産後約1ヶ月ほどで、子宮内のこれらの太い血管は収縮して、妊娠前の状態に徐々に戻るのです。
しかし産後に無理をして動き回るなどすると、血管の収縮が遅れ、そこから血液が出てしまうのです。産後1ヶ月を過ぎても、赤い血液っぽい悪露が出続けていたら、それは母体の危険信号です。すぐに婦人科を受診して、医師の指示通りにしましょう。
おそらくは「無理しないように。」と言われるはずです。ここでいう「無理」とは、床から起きあがり、立って歩いて家事などの仕事をすることです。家事全般を、おばあちゃんか義母にゆだねて、ママはゆっくり休みましょう。
産後、母体は本当に休息を必要としています。出産の壮絶な痛みの後、身体を休めずに家事をしてしまうと、その後一生不妊や婦人病で苦しむことになりかねません。産後の3週間は、その後の母人生を健康に過ごせるかどうかの大切な分かれ目です。
しかし一概に「家事するな!」と言われたところで洗濯物も汚い食器も山積みになっては気が休まりません。そこで産後の家事全般を頼む相手を決めておきましょう。家事を頼む相手は家庭によって様々です。
成人して家を出た後に、再び自分の母と生活することで、女性として、主婦として、母から学ぶことの重要さにあらためて気づかされるはずです。
普段は他人行儀な義母でも、女性であれば産後の肥立ちまでの休息の大切さは知っているはず。必ず力になってくれるでしょう。
普段は他人行儀な義父母でも、産後の家事を頼むことによって孫と接する機会を持てると、喜んでくれる人も多いはずです。嫁の実家と違い、旦那側の実家は、嫁に気づかって孫に会えないと嘆く人も多いのです。
余談ですが、嫁姑の争いが険悪だった昔の日本でさえ、産後の嫁の休息は、1ヶ月間必ず与えられたといいます。産後に休息を与えないと、その後に体調を崩してしまい、働き手としての嫁が使いものにならなくなってしまうからとか。
「働き手としての嫁」と言うところに、昔の日本の嫁姑の上下関係の重みが垣間見えてげんなりしてしまいますが、医学の発展していない旧日本でさえ、産後の休息の大切さは守られていたのです。
「単に産後の家事を手伝うくらいなら。」と気軽に育児休暇をとった旦那さんでも、実際に3度の食事の配膳だけで「妻ってなんて大変なんだ!」と目からうろこが落ちるそうです。パパに家事業の大変さを知ってもらう、またとない絶好の機会でもあります。
身内の誰の助けも得られないという産後のママも、決して少なくはありません。核家族化が進み、家族間のつながりも薄れて頼みづらい、という場合もあるでしょう。気を使いながら身内に頼むよりも、思い切って他人の助けを借りたほうが楽なケースもあります。
個人での依頼になるため、相手にもよると思うのですが、ご飯や掃除を頼み、自分はゆっくりと赤ちゃんと過ごす時間を持つことができます。有料ですがかなりリーズナブルですよ。
さて、産後の悪露が一カ月以上続いたら、具体的にどうすればいいでしょうか。
さて、産後の悪露について書いてみました。悪露対策に一番、そして絶対的に必要なのは「休息」なのです。「身体を動かさない!」に限るのです。悪露がほぼ完全に止まりきるまで、出来ればベッドに身体をしばり続けてでも休むべきです。
たまった家事を気にして、ついつい無理をしてしまうと、その後一生苦しむことになりかねません。出産を終えたからと言って終わりではありません。子どもが成人するまでの長い時間を健康的に過ごすためにも、産後は積極的に寝たきり生活に甘んじましょう。
女性として、一世一代の命をかけた出産を終えたばかりなのだという誇りを胸に、堂々と、当然の権利として身体を休めていいのです。