現在妊娠中の皆さんは、出産をどこでするのか決めているでしょうか?「自分の地元で里帰り出産する予定だ」「自分の両親がすぐ駆けつけられる距離の産院で産む」という女性は多いのではないでしょうか。
出産の時には、主人の実家ではなくご自身の実家に頼ってしまう事はよくある話です。しかし、「私は里帰り出産をしない」と嫁ぎ先での出産を決意される妊婦さんも沢山います。
ここで大きく異なる点は、自分の実家に産前産後お世話になる訳ではなく、“旦那様の実家にお世話になる”という事です。
嫁ぎ先である旦那様の実家にお世話になる場合の不安・疑問を、出産の流れに沿って取り上げていきます。穏やかな気持ちで産前産後過ごせるように1つずつ不安を解消していきましょう。
里帰り出産をしない!と決断した方の多くは、産前産後お世話になる旦那様の実家へ、粗相の無い様に…失礼の無い様に…と身構えてしまうかもしれません。
それだけでなく「出産も初めてな上に、旦那様の実家で生活するなんて…私、大丈夫かな?」と思ってしまうのは自然なことです。
里帰り出産であれば、多少のワガママも、ダラダラ過ごす事も、食事に関しての欲求も、実の母であれば伝えられる・甘えられる。それが出来ず、互いに気を使わなければならない、と考えると様々な不安を抱くようになります。
出産予定日にもなると、いつ何が起こってもおかしくない状態なので、予定日1週間前ほどから旦那様の実家へ居候をさせてもらう事がベストです。
妊婦健診での赤ちゃんの様子や、お産になりそうな日・現状などによって実家へお世話になる期間を早めたり遅めたりする事も直前になって出てくる不安です。
旦那様の実家でお世話になる際には、あくまで“郷に入れば郷に従え”精神で過ごした方が互いに良い距離を保てて、家庭のルールも壊す事無くスムーズな関係を築けます。
解らないことはご両親に聞き、出来る範囲の事であればお手伝いをする!この姿勢が大切です。
「妊婦なんだから!」「妊婦なのに何故?」と自分本位の考え方をしてはいけません。確かに妊婦なので無理は禁物ですが、体力的&精神的に、出来る範囲での事であれば積極的に声をかけてお手伝いが出来るよう、意識してみましょう。
今まで食事をしたり一緒にお出かけをすることは多々あったかもしれませんが、“一緒に生活をする”という事は食事やお出かけ等とはまた少し違った環境です。
自分の両親ではないので、甘えられない・気を使う…という事はあるかもしれませんが、苦手意識を持ったり壁を作ってしまうよりは、積極的に会話をする・時間を共にする事を心がけてみましょう。
会話の中で「お義母さんは一人の時間も好きなんだな」「お義父さんの好きな食べ物は○○なんだな」などの新たな発見をしていくことも出来ます。
これらの発見は今後の家族関係にも、必ず良い影響をもたらしてくれます。まずは“壁を作らない”事を意識しておきましょう。
実家へお世話になっている間、ただ食べて・ただお風呂に入って・ただ眠るだけ…なんて事は実際の実家でも、後ろめたく感じてなかなか出来ることではありません。
しかし、そうかと言って、台所は使って良いものなのか、お風呂掃除はして良いものか?食後の片付けもやり方があるのでは?…など考えだすと、何も出来ないと感じてしまうものです。
こんな時にはとにかく積極的に、「お皿洗いさせてください」「お買い物行ってきましょうか?」「何かやる事ありませんか?」と、その都度声、をかけてみましょう。
小さな事であっても、役に立ちたい!と思う気持ちが大切です。そうすると、ご両親も「○○をお願いできるかしら?」と頼ってくれるようになるものです。
お手伝いも大切ですが、それ以上に大切な事は【生活費】です。お世話になっている間の食事・生活の費用を旦那様と相談し、言葉を添えて手渡しする事も重要です。大人2名の食事だけでも月に換算すれば大きな出費です。
旦那様の実家に入れば、旦那様の両親とうまく関係を築く為、気を使ったり我慢したりする事が日常的に起きてしまいます。その捌け口やSOSは結局旦那様に向けてしまうようになります。
旦那様としては両親と妻と、板挟みになり、互いの気持ちをないがしろに出来ない事から、つい旦那様本人もイライラしてしまったりストレスを感じるようになります。
こんな時には関係が悪くならないように、旦那様への愛情・感謝をいつも以上に沢山伝えましょう。
いつ始まるか解らないお産に、旦那様の実家である事、旦那様の実家にお世話になっていないにしても、お産に備えて準備が必要です。すでに入院の準備は万全だとは思います。
ここで指す準備とは、お産が近くなった時(おしるしや破水が起きた時)に誰に連絡をし、誰に何を頼むのか、車での送迎や持って来てほしい物等の準備です。
自分は自分の事で精一杯になってしまうので、誰かに頼らなければならないのですが、旦那様が不在中であれば頼る相手は自然と義両親や義兄弟になるでしょう。
ここで指す心構えとは、お産が始まることへの心の準備だけでなく、出産時に頼る相手が旦那様や旦那様の両親であるという事をしっかり受け止める心構えです。
聞こえが悪いかもしれませんが、やはり気を使う相手でもある義両親。内心「出産にもなれば気なんて使えない!」と思ってしまいますが、それらも全て受け入れての“嫁ぎ先出産”なのだという覚悟・心構えでいる事が大切です。
酷なことかもしれませんが、里帰り出産ではなく嫁ぎ先出産を選んだ時点で、ある程度の覚悟や我慢は必要なのです。
嫁ぎ先での出産で、大切な事とはどんな状況であっても自分を支えてくれる旦那様や、最大のサポートをしてくださる義家族にしっかり感謝をする事です。
気を使うこともありますし、納得できない事も沢山あるはずです。「なんでこんなに我慢しなければならないの?」と泣きたくなる事もあるでしょう。
それでも、これから長い人生、共に歩んでいくと決めた家族であり、“嫁入り”した新しい家族でもあります。無理することなく“甘えること”も覚えなければなりません。
出産という一大仕事を成し遂げるには、出来るだけ気をつかう事なくお産が出来るように環境を作っていく必要があります。
さて、ここまでは出産を嫁ぎ先でおこなう場合の様々な不安に対しての対処法・捉え方などを挙げてきました。産前の事に関しては何が必要なのか、嫁ぎ先でどんな産前生活をするのか、心構えが出来たかと思います。
次は、お産のために入院する際の不安にスポットを当てて見ていきましょう。嫁ぎ先での出産を決意し、産前の生活を過ごしてきた中、とうとう運命の瞬間、“お産”が始まります。
このお産時にも、自分の親であれば素直に甘えて、素直に頼れるであろう事も嫁ぎ先となるとなかなかうまく伝えられないものです。
出産にイレギュラーは付きものです!いつお産が始まるかも解りません。咄嗟に始まるお産の兆候が見られた時、嫁ぎ先では、誰に対して、どのような対応をとると良いのでしょうか。
出産はいつ始まるか解らないものです。しかし、急に激しい陣痛が起こるような緊急性はありません。おしるしや破水から始まり、そのサインから数時間?数日経ったころに陣痛が始まります。
最初は非常に弱い微弱陣痛から始まるので、心に余裕を持って対処する時間があります。おしるしや破水、微弱陣痛が起こり始めたと感じた場合には、まず、一番近くにいる方に報告をしましょう。
旦那様の実家にいるのであれば、その時、家の中にいる誰かに伝え、産院への連絡・入院の準備を手伝ってもらいましょう。
旦那様がいれば、すぐに旦那様を頼ることが出来ますが、旦那様の不在時や真夜中で皆が寝静まっている時間等は、旦那様に限定をせず、頼れる存在・動いてもらえそうな存在に、早急に報告をしましょう。
旦那様が仕事で駆けつけられない時にお産の兆候が見られた場合には、まず、近くにいる家族に報告をし、産院に連絡を入れ、産院の指示を仰いでください。
例えば、おしるしなどの場合には、すぐに入院とはならず、自宅待機で様子を見る…と指示される事が一般的に多いです。
破水の場合であれば、感染症などのリスクも出て来てしまうので、「入院準備をして来てください」と言われる事が多いです。
兆候が見られたあとの行動を明白にし、周りに頼れる人が居れば頼って、皆不在であれば、すぐに対応できる人へ連絡をいれ、入院に備えましょう。
無事に出産を終えた後の生活に関してですが、家事をせずゆっくり安静に過ごすことが望ましいとされています。
出産を終えたママの体は思っている以上に大きなダメージを受け、子宮や下腹部・骨盤などの回復には沢山の時間が必要になります。
産後数日すれば退院し、育児がスタートするのですが、お風呂の入浴も産院の医師の許可が出るまでは入れませんし、家事に関しても基本的には、あまり負担になるような事は、やらない方が良いです。
とにかく体を回復させることと、新生児の赤ちゃんのお世話が一番!最優先です。家事に関しては旦那様や義両親へ甘えるようにしましょう。
産後も、約1ヶ月ほどは実家にお世話になる必要があります。食事や掃除・洗濯なども体の負担になるので周りの人に助けてもらいましょう。“甘える”事が重要なのです。
出産後も退院したからといってすぐに新居で生活出来る!という訳ではないことが解ってもらえたかと思います。
旦那様の実家に頼りながら1ヶ月?2ヶ月は育児に専念する必要があります。そんな時、「早く新居へ帰りたい!」と心では強く願ってしまいます。
この時期には、理想と現実がうまくいかず、慣れない育児に疲労がたまり、産後に落ち込んでしまう“産後鬱”になってしまう可能性もあります。
産後も旦那様の実家で過ごすのであれば、実家の家事などは全て周りに任せ、“育児に専念!”と強く意識し、トコトン甘える姿勢でいても良いでしょう。
沢山甘えて生活した数ヶ月もいよいよ独り立ち!産後1・2ヶ月もすればいつまでも実家へ居座っておく事は出来ません。これからは自分たちで生活するのです。
新居へ戻るタイミングっていつくらいなのだろう?と疑問に感じる方も多いですが、基本的には産後1ヶ月健診を目処にされる方が多いです。
産後の赤ちゃんの状態やママの状態にもよりますが、1ヶ月くらい経つと、沐浴も卒業で、体の回復もかなり良くなってきているかと思います。赤ちゃん・ママの状況次第で、1ヶ月を過ぎた頃に検討してみましょう。
産前産後と長くお世話になった旦那様の実家へは、最後に必ずお礼をするようにしましょう。出産なのだから世話になって当たり前!の精神ではいけません。
妻として、嫁として、きっちりお礼をしましょう。商品券やプレゼントなどでも良いでしょうが、例えば1日日帰り旅行を贈ったり、食事をしに出かけたりする事も良いです。
良い関係を築いていくためには、感謝をちゃんと伝えることが大切です。体に無理のない程度で、赤ちゃんへも負担がない程度の内容で、お礼をしましょう。
嫁ぎ先で出産をすれば、近いうちに孫の顔を見せたい!と、里帰りも考えるようになります。
近い距離であればスグに帰れるのですが、新幹線を使わなければならない・船にのる必要がある・飛行機を使う必要がある…となると、里帰りも容易ではありません。
出来るだけ赤ちゃんが外の世界に慣れてきた頃を見計らって、里帰りするようにしましょう。例えば、少しずつ外出になれてきた生後3ヶ月頃などが良いかもしれません。
里帰りをする時には、移動に要する時間であったり、利用する交通機関をしっかり下調べし、事前にミルクやオムツ等の準備を万全にして里帰りするようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。産前産後、里帰りしない場合の【嫁ぎ先出産】で不明な点・不安な点は少しでも解消できたでしょうか?
実際頭では理解していても心がついていかない事も沢山あります。解っていても深くストレスを抱え込んでしまう事もあります。それでも“無理をせず甘える方法”を見出すことが大切なのです。
この嫁ぎ先出産を機に、今後の嫁としての関わり方や家族のルールを学ぶ良い機会だと思って、前向きに捉えていきましょう。