どうしても人目を気にしてしまう脇汗。見た目に目立つ夏は過ぎましたが、まだまだ”ニオイ”はどうしても気になってしまいます。どうして脇汗が出てしまうのか、その原因を知り、自分に合った対処方法を確認しましょう。
そんなに暑いわけでもないのにワキの下が汗びっしょり…。あれ?なんで?疑問に思ったことありませんか?季節や気温という外的要因だけでなく、心や体など、内的要因、はたまた病気や疾患に由来することもあるのです。
では、どんなことが原因として考えられるのか、まずは整理していきましょう。
また、女性の場合、色付きのシャツなどを身につけている際についてしまう脇汗のシミを気にするあまり、それが新たなストレスとなり、より多量の汗をかいてしまう、という悪循環に陥ることがあります。
あまりひどい場合は”発汗恐怖症”という、一種の対人恐怖症と診断されることもあります。
また、甘すぎるもの、味の濃いものも交感神経を刺激するので同様です。
脇毛には汗を吸い取る役割もあるので、それを除去したことで、実際に脇汗の量が増えたわけではないけれど服に大量の汗がしみこむ結果となります。女性としてはどちらも気になるところ。どっちを取るかは難しい問題ですね。
太っている人は汗をかきやすいと言われます。偏見でも何でも無く、これは、痩せている人よりも体温が高めであることが多く、また、体重が多いことに比例して消費するエネルギーも多くなり、よって汗をかきやすいということになるのです。
多汗については立証されてはいませんが、両親にワキガの方がいる場合、その性質を受け継いでいる場合があるそうです。ニオイが気になる方はこれが原因のこともあります。
女性の更年期障害特有のホルモンバランスが崩れ、自律神経が乱れることで多汗の症状が現れることがあります。更年期障害になりやすい年齢は、40代半ば~50歳くらいとされていますが、最近は30代から始まる方もいらっしゃいます。
中でも、バセドウ病は女性に多い疾患で特に20代から30代にかけてに多く、男性の4倍から5倍の頻度で発症しているそうです。
原因はまだはっきりとしていませんが、精神的ストレス、また、何らかのアレルギーを持っている人などがなりやすいなどと考えられています。
原因についてはいろいろ考えられることが分かりました。では、なぜ、脇汗がイヤなのか、どんなところが気になってしまうのか、整理してみましょう。
女性にとってはやはり、”洋服についたシミが恥ずかしい、みっともない”ということになるのでしょう。これはテレビなどのバラエティ番組などでの取り上げ方によってかなり悪印象になってしまっているということが拍車をかけていると考えられます。
それから、汗=匂う、臭い、という図式が刷り込まれていることも、”恥ずかしい”という気持ちにつながってしまうと思われます。”汗ジミ”と”ニオイ”について、そのメカニズムについて細かく見て行きましょう。
汗には大きく分けて3種類あります。
体温調節のために体全体からかく「温熱性発汗」、緊張したり驚いたときに出る「精神性発汗」、これは”手に汗握る”という言葉のように手のひらや足の裏、脇の下などにかくものです。
最後の1つは辛いものなどを食べた時に額や鼻や唇のところにかく「味覚性発汗」と呼ばれているものです。
汗ワキパットやふき取りシートなどでこまめに拭いているという方もいらっしゃるそうですが、これも回数が多いと、かえって逆効果。気にしすぎは良い結果を生みません。
人間には300万個もの汗腺が存在し、大きく2種類に分類されます。
まずは体温を調整するためにかく汗を出すエクリン腺。役割柄全身に存在しています。エクリン腺から出る汗は99%水分で、他に塩分、尿素、アンモニア、ミネラルなどが含まれ、サラッとしています。
それとは別に元々はフェロモンなどに代表される”ニオイ”を出すための役割を持っていたアポクリン腺。種の保存につながる原始的な汗腺で、性的なイメージをあたえる部分(脇の下、性器の周辺、耳など)に分布しています。
こちらには水分以外にタンパク質や脂質、糖質、鉄分、色素、尿素などが含まれており、なんとなくネバッとしています。
栄養価の高いアポクリン腺から出る汗は、特にニオイを発しやすいということになります。
また、汗の濃度も要因として挙げられます。
普段あまり運動をしていないと、たまにかいた汗の濃度が濃いためニオイがきつくなる原因ということもあります。また、緊張やストレスによる発汗には皮脂の油が混ざって出てくるそうです。これもニオイをきつくすることになるそうです。
汗をかくことは新陳代謝の一貫で、至って普通のことです。ただ、それが過剰であること、それを意識しすぎてしまうことが大量の脇汗につながってしまいます。
まずは気にしすぎないことが一番ですが、周りの目を気にするあまりに起こるこの現象は”ニオイ”についての対策を行うことでその気持ちを和らげることができると思います。その”ニオイ”を軽減する対策方法を次にまとめてみました。
体温の上昇に伴い、血液中の水分やミネラルが一旦汗腺に入り、体に必要なミネラルが再度血液中に取り込まれ、残りのミネラルと水分が汗として排出されるのが正常な場合の発汗作用です。
でも、 汗腺の機能が衰えると、必要なミネラルが血液中に再吸収されず、汗と一緒に出てきてしまうため、”濃度が濃い”汗となり、なんとなくベタベタした質の悪い汗となってしまいます。
自宅でも、ぬるめのお湯で長めに半身浴をすることでも、同様に汗腺を鍛えることができます。
最近はパットやロールオン、クリームタイプ、シートタイプなど、様々な種類の制汗剤があります。衣類に汗が染み込み、ニオイが長く続いてしまうということを防ぐにはパットがおすすめです。
また入浴時に重曹やミョウバンを配合した殺菌効果の高い薬用石鹸などを使用するのも効果的ですが、肌の弱い方は注意が必要です。
”欧米人は体臭がキツイ”と言われます。これは肉が主食となっているためと言われています。脂質は汗に混ざりやすく、よってニオイを強くすることにつながるからのようです。
そして、緑黄色野菜や海藻類などの食物繊維は、老廃物を体外に出してくれる役割があるので、汗で余分な成分を排出しなくて済むようになり、これによってもニオイにつながる要素が減ることになります。
つまり、和食中心の食生活ということですね。また、不規則な食生活やインスタント食品などのとりすぎにも注意しましょう。
汗が染みこんで、細菌が繁殖し、ニオイを発しているのは衣類。こまめに着替えができれば一番良いのですが、現実的ではありません。昨今では衣類専用の消臭スプレーや急速分解消臭シャツなるものも発売されているようです。理にかなったアイデア商品ですね。
冒頭のところでも述べましたが、脇汗にはいろいろな原因が考えられます。
ワキだけでなく、背中、おへその周りなど、体の各部位で多量の汗が気になる、また、脈拍の上昇、微熱を伴うなど、普段とは違う症状が見られる場合、病気や疾患からくる多汗の症状である可能性があります。
”何かおかしい・・・”と感じたら自分だけで判断せず、迷わずお医者さんに相談しましょう。自分の体調は自分にしか分かりません!